王子の心を溶かすのは、、?

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「ラン!どうしよう。この先で馬車が盗賊に襲われているの!武器を持った数十人が馬車の周りを囲っている!」








「この世界は弱肉強食。弱いものが強いものに搾取されるのは仕方のない事なのだ。主は、助けたいか?」








「当たり前だよ!この世界とかどの世界とか関係ない!目の前で殺されそうになっている人達を見殺しになんて出来ない!」








「流石は我が主。しっかり掴まってくれ。そこまで飛ぶ」









ランはグッと脚に力を込めると一気に空へ飛び上がる
空中を蹴りあげ乱闘の真ん中に降り立った







ランから飛び降り
今にも斬られそうになっていたドレスを着た女性を庇いバリアで防ぐ








「か弱い女性に刃を向けるなんて許せない!」








「なんだテメーは!!関係ねぇ奴はすっこんでろ!!」







攻撃を防がれて血が昇ってる盗賊たちは一気に襲いかかってくる









「私の傍から離れないでね」








後ろで震える女性に声をかけ、バリアの中に入っている事を確認して盗賊に向き直る
考え無しで前には出てきてしまったけど、いくら盗賊とはいえ傷付けるのは怖い









「威力は加減出来ないけど、、ッ!」









襲いかかる盗賊たちに強風をぶつける
遠くまで吹き飛んでいく盗賊たち
どこまで飛んでいくのかな
運が良かったらどこかの木にでも引っかかるんじゃないかなぁ









「大丈夫ですか?」








震える女性に駆け寄ると、木の影から盗賊が1人現れ私に切りかかる

やばい、、!!









「主に刃を向けた事を後悔しながら逝け」








ランの斬撃で盗賊は血を吹き出し倒れる









「ラン!ありがとう!助かったよ」









「主を守るのは私の役目。気にするな」










未だに放心状態の女性に再度声をかけるとハッとしたように1人の男性に駆け寄る
周りを見渡してみるとこの女性以外護衛の方やメイド達は切りつけられうめき声をあげ倒れている








「酷い、、」









前の世界では有り得なかった悲惨な現場。女性が誰かの名前を泣き叫んでいる










「うッ、あぁぁ!!貴方!!嫌よ!しっかりして!私を置いて行かないでダリオス!!」








身なりのいい男性にしがみつき女性は必死に血を止めようとハンカチで止血する









酷い傷だ、、普通に考えて助かるわけが無い、、
だけど私なら、、先程ランを治癒した力が使えれば!!









「あの、少しだけ離れてください!もしかしたら治せるかもしれないの!」









「いやよ、、離れたくない!こんな傷治せる訳ないわ!奇跡が起きない限り、、!」









「私を信じて下さい!!貴方の大事な人を私に守らせて!」









私の言葉に、女性はスっと後ろに下がる
お願い、成功して!さっきの治癒が効きますように!








瀕死の男性に触れ、傷が治るイメージを頭に浮かべると男性の身体が光り輝いた









「うッ、、ここは、、私は斬られて死んだはずでは、、?」









ムクっと起き上がり自分の身体を見渡す男性










「うわぁぁあん!ダリオス!良かった!ほんとに良かったッ」








女性が男性に駆け寄りキツく抱き締める









「フェリア?私は死んでいないのか?私達は盗賊に襲われていたはずじゃ、、」










「うっうっ、この子が助けてくれたのよ。私が斬られそうになっていた所を助けてくれて、、貴方の傷も治してくれたの」








 泣きじゃくりながらも必死に現状を説明する女性。
パニックを起こさないなんて強い女性だなぁ









「こんなか弱そうな少女が、、信じ難いが私の妻を守って頂き心から感謝する!」









立ち上がり、頭を深く下げる男性
それに習い女性も頭を下げる









「あ、いや!そんな頭下げないで下さい!!目の前で困っている人がいるなら同じ人間同士助け合うのは当たり前です!!」










慌てて2人に近寄り頭を上げてもらう










「しかし、、これは酷い、、皆酷い傷だ。クッ。皆私達の為に、、」







 
地面に倒れる護衛やメイド達を見つめ涙を流す男性と女性









「あ、待ってて下さい!皆治しちゃいますね」









ランが切り刻んだ盗賊以外の人達に触れ、全員を治す










治した人達から順に目を覚まし、皆がキョトンとした表情で自分の身体と私を交互に見つめる










「信じられない、、瀕死の使用人達を皆治してしまうなんて、、」









「ダリオス、貴方の傷も相当酷かったの。私は泣き叫ぶだけで何も出来なかったのにあの子が貴方の傷を全部治してくれて、、!それに皆の傷も治してくれて、、!」









ボロボロと涙を流しメイド達に駆け寄る女性








皆、泣いて喜んでいる
助けられて良かった。ランに寄りかかり高揚した気持ちを落ち着かせる









「じゃあ、皆さん。帰り道に気を付けて下さいね。身体の傷は治せても心の傷は私には治せません。私はこれで失礼します」











ペコリと頭を下げランに跨ると












「待ってくれ!!恩人を簡単に帰す訳にはいかない!!私の屋敷に来てくれないか!!」










「そうよ!!命を助けてくれた方に何もしない薄情な人間にさせないで!!」











男性と女性がこちらに駆け寄り私を引き止める
もう日が落ちかけている
正直屋敷に1日置いてくれるだけで助かるのだが私なんかを屋敷に呼び入れて不快な思いをしないだろうか、、










「あの、、それは嬉しいのですが私のような者がいいのでしょうか、、」









人がいる家にいい思い出などない
1人が楽だった。常に1人だった。
もしかしたらこの人達にもあの、汚物を見る目で見られるかもしれない。







「何を言うんだ!!今日は貴方の為に宴を開く!!主役がいないと始まらないだろう!!」









ランから降りると女性が近付いてくる










「お願い。屋敷に来てくれないかしら」









コテンと首を傾げこちらを見つめる女性










「うぅ、、分かりました。じゃあお言葉に甘えてお邪魔します」











後ろで黙っていた使用人たちからわぁぁあ!!と歓声が上がる











「お前達!急いで屋敷へ帰るぞ!!宴の準備だ!!」










「かしこまりました旦那様!!」
「お任せ下さい!」
「直ちに準備致します!」











あっという間に馬車が動き出し、屋敷へ向かう
馬車の中に乗らないかと男性と女性から勧められたがランと共に行く事にした
仕事以外で人と関わる事がないから何を喋ればいいか分からないしね、、








ランに跨り日が落ち始めている遠くの山を見つめる
オレンジ色がキラキラしている
夕焼けを見たのは何年ぶりだろうか
バイトも深夜までやっており、社会人になっても終電だった為夕焼けを見た記憶すら朧気だ








「夕焼けって、、綺麗だぁ」










こんな些細な事が堪らなく感動する
きっと他の人には変哲のない景色。私にとっては宝石箱のようにキラキラして見える











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