オーバードライブ ・エロス〜性技カンストの俺が魔王をイカせるまで帰れない世界〜

ぽせいどん

文字の大きさ
62 / 70

第62話 ー神ヲモ抱イタ王ノ胸デー

しおりを挟む
 床に沈められた三人の体を、無数の腕が優しく撫で回していた。抗う力はもはや残っていない。血と涙と吐瀉で濡れた身体は、ただ「抱かれるための肉」として扱われ、心すらも甘い囁きに侵食されていた。

 そのとき、奥の扉が再び軋んだ。
 ぎぃ……ぎぃ……。
 音が鳴るたびに神殿全体が共鳴し、三人の胸が内側から破裂しそうに痛んだ。

 「……まだ……出てきてすら……いなかったのか……」
 レイジが血を吐きながら呟いた。

 扉の隙間から黒い霧が溢れ出す。だが今までと違う。霧は煙ではなく、液体のように重く粘り、そこから無数の指先が突き出されていた。指は次々に枝分かれし、絡み合い、やがて一つの巨大な腕を形作った。

 《我ガ抱擁ニ耐エル者ハ無シ……神デサエ、我ノ胸デ眠ッタ……》

 その声が広間を満たすと、像たちの口から一斉に黒い光が溢れ出した。光は霧に吸い込まれ、やがて巨大な影が扉の奥から這い出してきた。

 姿を現したそれは、巨人のようでもあり、神像のようでもあり、そして母胎そのものでもあった。無数の腕が背から生え、絡まり合って一本の翼のように広がっている。胸の中央には黄金の鼓動が光り輝き、その鼓動に合わせて神殿全体が震えていた。

 顔――と呼ぶべきものは存在しなかった。そこには無数の仮面が重なり合っていた。少女の笑顔、母の微笑み、老人の皺だらけの顔、神聖な仮面、獣の面影。瞬きのごとく切り替わり、見つめる者の心を掴んで離さない。

 セレーナはその顔を見た瞬間、胸の奥を鷲掴みにされたように悲鳴を上げた。
 「やめて……見ないで……!」
 視線を逸らそうとしても、瞳が勝手に引き寄せられる。涙が溢れ、眼球そのものが焼けるように痛んだ。血の涙が流れ落ち、頬を濡らす。

 影の女王もまた、視線を奪われた。
 「……な、んだ……これは……」
 父の幻影が背に抱き付いたまま、その顔の群れと重なって見えた。愛憎の全てを吸い上げられ、心が軋み、喉から鮮血が吹き出した。

 レイジは必死に剣を握ろうとしたが、すでに刃は影に飲まれていた。代わりに心臓を直接掴まれるような圧が走り、膝から血が滴り落ちた。
 「ぐっ……これが……原初の……」
 言葉を吐き出すたびに血が混ざり、喉を焼いた。

 娼王はゆっくりと広間へと歩み出した。足音はない。だが一歩踏み出すごとに床が波打ち、石が肉に変わり、胎動する。

 《抗ウナ……汝ラハ既ニ我ノ中デアル……》

 声は優しく、慈愛に満ちていた。それがかえって恐ろしかった。母に抱かれる安心感と、捕食者に喰われる恐怖が同時に襲い、三人の精神を粉砕しようとしていた。

 セレーナの手から再び符が生まれかけたが、指先から溶け落ち、黒い泥となって床に吸い込まれた。
 影の女王の闇糸も同じだった。伸ばす前に腕に絡み取られ、糸そのものが娼王の翼の一部に変えられていく。
 レイジの剣はすでに形を失い、影の刃として娼王の背から生えていた。

 「……俺たちの力が……奪われて……」
 レイジは呆然と呟いた。

 《欲望モ、誓イモ、孤独モ、全テ我ガ糧……抗ウ術ナド存在セヌ》

 娼王が広間を覆った瞬間、三人の体は再び床に叩き付けられた。骨が軋み、口から血と吐瀉が同時に溢れ出す。視界は赤と黒に染まり、意識が遠ざかる。

 「……これが……神をも抱いた……」
 レイジの言葉は、絶望の証明でしかなかった。

 顕現した娼王は広間を満たし、その存在そのものが「世界の中心」であるかのように揺るぎなかった。無数の腕が空間を漂い、一本一本が異なる温度と質感を持ち、触れられた者の記憶を抉り出す。

 レイジが立ち上がろうと膝を押し上げた瞬間、一本の腕が頬を撫でた。柔らかな母の手の感触――しかし次の瞬間には刃のように鋭くなり、頬の肉を裂いた。鮮血が飛び散り、石畳を濡らす。
 「ぐっ……!」
 痛みに耐えようとしたが、裂かれた頬に別の手が触れ、今度は甘い舌先のように優しく舐め上げた。その矛盾に頭が混乱し、思考が砕け散っていく。

 セレーナは玉座に縛られたまま、数十本の腕に全身を撫で回されていた。指先は髪を梳き、胸を押さえ、背をなぞる。快感と痛みが交互に押し寄せ、理性が剥がれていく。
 「やめ……あぁ……!」
 声を絞り出そうとするたびに、口元に腕が触れ、吐き気を誘い、血と共に呻きを飲み込ませた。

 影の女王もまた、父の幻影を模した腕に首を締め上げられていた。だが締め付けは苦しさと同時に安らぎを伴い、拒絶と渇望がせめぎ合う。
 「……くっ……これは……!」
 瞳から血の涙が零れ、頬を濡らす。冷酷な女王の面影は崩れ、ただ「抱かれたい」と願う少女の表情へと歪んでいった。

 娼王の胸の中央で輝く黄金の鼓動が高まり、神殿全体が震えた。壁の像たちは同時に開眼し、黒い涙を流しながら賛美の声を上げる。
 《抱カレヨ……欲望ハ全テヲ赦ス……》

 その声に呼応するように、三人の身体から力が抜け落ちていった。
 レイジの剣はすでに奪われ、セレーナの符は生まれる前に霧散し、影の女王の闇糸は完全に溶けて娼王の翼に取り込まれていた。

 「……武器が……術が……全部……」
 セレーナは掠れ声で呻いた。

 娼王は歩みを止め、ただ三人を見下ろした。顔は仮面のように変わり続け、母の微笑から神の仮面へ、そして獣の咆哮へと移り変わる。視線を合わせた瞬間、魂そのものが抱き込まれ、記憶が書き換えられるような錯覚が走った。

 レイジは己を保とうと必死だった。だが胸に押し付けられた腕のひと撫でで、心臓が掴まれ、激しい吐血を強いられた。
 「がはっ……!」
 血が噴き出し、床に広がる。だがその血さえ娼王の糧となり、腕の先が赤黒く脈動した。

 セレーナは背骨をなぞられ、全身に震えが走った。理性が悲鳴を上げ、吐瀉が込み上げる。吐き出すと同時に涙と血が混じり、喉を焼いた。
 「もう……抗えない……」

 影の女王はさらに強く抱き締められ、背骨が軋む音を聞いた。口から血が溢れ、呻き声が絶望の証として広間に響いた。

 《抗ウ術ハ無イ……抗エバ抗エル程、汝ラハ抱カレル……》

 その宣告と共に、三人は地に沈み込み、床の胎動に飲み込まれていった。広間の全てが娼王の胎内であり、彼らは逃げる場所を完全に失った。

 「……勝てる……はずが……ない……」
 レイジの呟きは、仲間二人の心にも同時に響いた。

 絶望は、もはや疑いようがなかった。

 神殿の広間はもはや空間としての意味を失っていた。壁も床も天井も、すべてが胎動する肉のように脈打ち、三人の呼吸や鼓動を強制的に合わせていた。まるで娼王の体内に取り込まれたかのようだった。

 レイジは膝をついたまま、血に濡れた手を地に突いていた。肺は潰されるように痛み、呼吸は途切れ途切れだった。胸にのしかかる圧は剣を握る力すら奪い、ただ震える指先だけが「まだ立てる」と叫んでいた。だがその声は虚ろで、今にも消えそうだった。

 セレーナは玉座に押し付けられ、全身を無数の腕に覆われていた。柔らかい手、冷たい手、爪を持つ手――それぞれが彼女の肌を撫で、背を支え、髪を梳き、まるで「愛でる」ように弄んでいた。だがそれは愛ではなく、支配の証。
 「……もう……誓いなんて……」
 掠れた声で洩らした瞬間、胸に抱えていた誇りが砕け散り、喉から嗚咽が漏れた。吐き気が込み上げ、血混じりの嘔吐が彼女の胸を汚した。腕はその吐瀉をすら甘美に舐め取り、彼女の羞恥と絶望をさらに深めた。

 影の女王は、父の幻影を模した腕に背を抱かれ続けていた。首筋に添えられた手は温かく、幼き日に欲した救いそのものだった。
 「……孤独じゃ……なかったのかもしれない……」
 涙が溢れ、頬を濡らす。彼女は必死に抗おうとしたが、その声は細く震え、抱擁の中で消えていった。闇糸を生み出そうと指を動かすが、血が滴り落ちるだけで、何も生まれなかった。

 《汝ラノ心ハ既ニ砕ケタ……》

 娼王の声が響いた。優しい子守唄のような調べに、三人の鼓動はさらに弱まり、まるで眠りに落ちる寸前のような感覚に包まれた。

 レイジの視界は霞み、仲間の姿が歪んで映った。セレーナが腕に抱かれて泣き崩れる姿、影の女王が父に抱かれて少女のように泣く姿――それは絶望そのものだった。
 「……これが……俺たちの……終わりか……」
 喉から血が溢れ、声は掠れた呻きになった。

 セレーナは半ば意識を失いながら、カリーネの幻影を見た。幻影は彼女を優しく抱き寄せ、囁いた。
 「誓いを背負う必要はないの。眠って、楽になって」
 セレーナの心に最後に残っていた炎が揺らぎ、消えかけた。

 影の女王もまた、自らを支える幻影の父に顔を埋め、嗚咽を漏らした。
 「もう……抗う理由が……」
 その声は諦念に満ちていた。

 娼王は歩みを止め、三人を見下ろした。無数の仮面の顔は一斉に微笑み、口を揃えて囁いた。
 《抱カレヨ……汝ラハ既ニ一ツ……》

 その瞬間、三人の鼓動が完全に同期した。レイジの心臓の音がセレーナの胸にも響き、影の女王の脈動が二人の血管を震わせた。個の境界が消え、三人は一つの存在として娼王に飲み込まれようとしていた。

 「……俺は……誰だ……」
 レイジが呟いた声に、セレーナと影の女王も同時に答えた。
 「……私も……誰だか……分からない……」

 視界は赤黒く歪み、身体は液体に溶けるように床へ沈んでいく。腕は優しく、しかし逃げ場なく、骨と肉と心を抱き締め続けた。

 ――敗北を、受け入れるしかないのか。

 その思いが、三人の胸に同時に刻まれた。

 広間を埋め尽くす黒い腕が、ついに三人を完全に持ち上げた。柔らかな抱擁でありながら、逃げ場を与えないその力は、鉄鎖よりも強固であり、母胎よりも甘美だった。

 レイジは宙に吊られ、腕に絡め取られた四肢を必死に動かそうとした。しかし動かすたびに骨が軋み、鮮血が滴った。その血はすぐさま吸い上げられ、娼王の黄金の心臓へと流れ込む。
 「……俺の……力が……奪われて……」
 声は掠れ、喉を焼く血がまた吐き出された。

 セレーナは玉座から解き放たれることもなく、両腕を無数の手に優しく包まれていた。指先が涙を拭い、頬を撫で、髪を梳く。だがその優しさは彼女の誇りを剥ぎ取り、誓いを塵に変えていく。
 「……誓いなんて……本当に意味が……」
 唇が震え、最後の灯火が消えかけた。吐き気が込み上げ、血混じりの嘔吐が口から溢れ出す。腕はそれを甘露のように受け取り、彼女の羞恥と絶望をさらに深めた。

 影の女王は背を父の幻影に抱かれ、首筋を撫でられていた。
 「もういい……愛されていたのだから、抗う必要はない」
 幻影の囁きに頷きかけた自分を、彼女は信じられなかった。
 「……私は……女王……なのに……」
 だが言葉は途中で途切れ、口から血が流れ落ちた。闇糸は完全に失われ、ただ父に抱かれる娘へと変えられていった。

 《汝ラハ既ニ一ツ……裸ノ誓約ハ果タサレタ……》

 娼王の声は広間に満ち、甘い子守唄のように響いた。その言葉を聞いた瞬間、三人の鼓動は完全に同期した。胸の奥で鳴る音は、自分のものではなく、互いに溶け合った一つの命のリズム。

 レイジは必死に叫ぼうとした。だが口を開いた瞬間、セレーナの声と影の女王の声が重なり、三人の言葉は一つになった。
 「……もう……抗えない……」

 視界が揺らぎ、世界は赤と黒に滲んでいく。瞳からは血が流れ、耳からはざわめきが溢れ出し、口からは絶望の呻きが漏れ続けた。

 娼王の仮面の顔は一斉に微笑み、幾千もの唇が同じ言葉を紡いだ。
 《抱カレヨ……神ヲモ抱イタ王ノ胸デ……永遠ニ眠レ》

 その瞬間、三人の体は床の胎動に沈み込んでいった。足から腰へ、胸から頭へと、黒い肉に呑み込まれ、もう人の形を留めていない。

 レイジの脳裏には、仲間たちの姿が断片的に浮かんだ。カリーネの最後の微笑、リリィナの声、セレーナの誓い、影の女王の涙。それらは全て、今や自分の中に溶け合っていた。

 「……俺たちは……一つに……」
 その呟きは三人の口から同時に発せられ、広間に反響した。

 黄金の心臓が強く脈動し、神殿全体が震えた。崩壊ではない。これは完成――原初の娼王に取り込まれることで、すべてが「一つ」として完成する瞬間だった。

 ――勝利の可能性など、もはや欠片すら残っていなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...