20 / 70
第20話 ー裏切りの影ー
しおりを挟む
北方諸国連合との決戦から数日後、王宮の空気は勝利の余韻とは程遠かった。厚いカーテンに閉ざされた評議室は重苦しい沈黙で満ち、集まった王宮の旧貴族、影界の幹部、淫魔王宮の双姫、そして影の王女が一堂に会していた。豪奢な長卓を囲む者たちの視線は、互いへの不信で鋭く尖っている。
「この戦……あまりにも敵の対応が早すぎたわ。」リュミエルが冷たい声で口を開いた。
「偶然ではない。内部から情報が漏れていたと考えるべきね。」
その一言で場がざわつき、旧貴族の一人が机を叩いて立ち上がった。「我々を疑うのか!? 影界の連中こそ信用ならぬ!」
「貴様らの方こそ連合に寝返っているのではないか?」影界幹部が応酬し、たちまち罵声が飛び交う。
レイジは沈黙したまま鋭い視線で会議室を見渡していた。誰もが自分以外を疑っている。ここにいる全員が、味方であると同時に敵の可能性を秘めていた。
「静まれ。」
艶やかでありながら威圧的な声が響き、場が凍りつく。玉座から影の王女が立ち上がっていた。漆黒のドレスが床を擦り、香り立つ甘美な匂いが部屋を満たす。「裏切り者は必ず炙り出すわ。方法は……もう決めてある。」
その夜、影界の奥の私室で、レイジと影の王女は密談を交わした。寝台に腰掛ける王女は脚を組み、ゆったりとレイジを見上げる。「裏切り者は私たちのすぐそばにいる。だからこそ、囮が必要なの。あなたが適任よ。」
レイジは短く頷いた。「上等だ。」
王女は微笑み、指先でレイジの頬をなぞった。「やっぱりあなたは頼もしいわね……私の王。」その声色には、政治の駆け引きと甘美な誘惑が入り混じっていた。
ー数日後ー
影界の城の奥深くで、偽の作戦会議が開かれた。わざと「知られれば危機となる作戦」を議題に据え、裏切り者が動くのを待つ罠だ。
夜。レイジは人気のない長い回廊を歩いていた。壁の古びた文様が松明の光で揺れ、まるでこちらを監視するかのように蠢いて見える。足音だけが響く中、背後に微かな殺気が忍び寄った。
「やっぱり来たか……。」
振り返るより早く、しなやかな鞭が空を裂き、レイジの腕に絡みついた。焼けるような痛みと、同時に痺れるような快感が全身を走る。「っ……!」思わず息が漏れる。
現れたのは、影界幹部の側近を装っていた女だった。全身を覆う漆黒の装束。だが、隠しきれぬ肢体の曲線が布の下で妖しくうねる。猫のような瞳と艶やかな唇がレイジを舐めるように見下ろしていた。「気づいていたのね、王様。」
女は低く笑い、鞭をきゅっと引き締めた。熱と電流のような感覚がレイジの神経を貫き、膝が一瞬揺らぐ。
「この鞭はね……痛みと快楽を同時に刻むの。あなたみたいな男にはぴったりでしょ?」
女はゆっくりと近づき、床の影を操ってレイジの足首を絡め取る。全身が拘束され、剣に手を伸ばそうとしても動かない。女は顔を寄せ、首筋を指先でなぞると、舌先で耳の軟骨を舐めた。「ほら……力を抜いて。いい声を聞かせて?」
「……っ!」歯を食いしばり、声を殺す。しかし、影が分身となって現れ、レイジの体を好き勝手に這い回った。胸板、腹、太腿……服の上からでも、何本もの指が絡みつくような錯覚に息が乱れる。
「我慢しなくていいのよ。ねぇ……もっと震えて?」女は囁きながら、鞭を下腹部へと這わせた。鋭い刺激と甘い痺れが同時に襲い、レイジの呼吸が荒くなる。
(くそっ……意識が持っていかれる……!)
女はさらに影を操り、レイジの腰を押さえ込んで密着した。鞭で拘束したまま、その艶やかな体を彼の胸に押し付け、耳元で囁く。「堕ちちゃいなさい。そうすれば楽になれるわ。」
だが、レイジの瞳はまだ死んではいなかった。
全魔力を剣へと集中させた。筋肉が引き裂けるような感覚と共に、拘束していた影が焼け落ちる。「なっ……!?」女が驚愕する間もなく、レイジは咆哮と共に前進した。
「俺は……お前なんかに負けないッ!」
剣が閃光を放ち、分身を一体ずつ斬り裂く。影は悲鳴のような音を立てて消え、女の鞭も勢いを失った。彼女が反撃しようとした瞬間、レイジは踏み込み、渾身の一撃を女の腹部に叩き込んだ。
女は呻き、霧のように崩れ落ちていく。消える寸前、彼女は艶やかな笑みを浮かべた。「ああ……やっぱり、あなたは王ね。」
沈黙が訪れ、血と汗の匂いが残る中、レイジは荒い呼吸を整えた。剣を鞘に収め、心の中で呟く。(……これが裏切りの影か。だが、まだ終わっていない。)
裏切り者の正体が判明し、王宮は騒然となった。旧貴族派と影界幹部の一部が連合と通じていたと知れ、リュミエルは冷たい目で告げる。「もう甘い顔はできない。徹底的に粛清するわ。」
夜。玉座に座る影の王女がレイジを迎えた。「よくやったわ。でも、これで終わりじゃない。」
「まだ背後があるのか?」レイジが問う。
王女は闇の奥を見つめ、囁いた。「この裏切りも戦争も……すべては“魔王”の布石よ。」
その名を聞いた瞬間、レイジの背筋が凍った。「魔王……?」
王女はゆっくりと頷いた。「彼女は世界の影そのもの。女王のように美しく、恐ろしく、私たちすら屈服させる力を持つ存在。」
レイジの脳裏に、漆黒の玉座に座る女の幻影が浮かぶ。長い銀髪、紫紺の瞳、血のように深紅のドレス。圧倒的な存在感が、胸を締め付けた。
「勝てるのか……?」
王女は艶やかに微笑み、首を振った。「今のあなたじゃ無理。でも……」胸元から手を伸ばし、レイジの胸に指を這わせる。「あなたが性技を極めれば、魔王すらイカせて屈服させられる。」
レイジは深く息を吸い、拳を握った。(この世界を救うためなら……性技をカンストさせ、魔王をイカせる。どんな方法でもやってやる。)
こうして、レイジは絶対的な敵──魔王との戦いに備え、影の王女と双姫の導きのもと、性技を極める修行の道を歩み始めるのだった。
「この戦……あまりにも敵の対応が早すぎたわ。」リュミエルが冷たい声で口を開いた。
「偶然ではない。内部から情報が漏れていたと考えるべきね。」
その一言で場がざわつき、旧貴族の一人が机を叩いて立ち上がった。「我々を疑うのか!? 影界の連中こそ信用ならぬ!」
「貴様らの方こそ連合に寝返っているのではないか?」影界幹部が応酬し、たちまち罵声が飛び交う。
レイジは沈黙したまま鋭い視線で会議室を見渡していた。誰もが自分以外を疑っている。ここにいる全員が、味方であると同時に敵の可能性を秘めていた。
「静まれ。」
艶やかでありながら威圧的な声が響き、場が凍りつく。玉座から影の王女が立ち上がっていた。漆黒のドレスが床を擦り、香り立つ甘美な匂いが部屋を満たす。「裏切り者は必ず炙り出すわ。方法は……もう決めてある。」
その夜、影界の奥の私室で、レイジと影の王女は密談を交わした。寝台に腰掛ける王女は脚を組み、ゆったりとレイジを見上げる。「裏切り者は私たちのすぐそばにいる。だからこそ、囮が必要なの。あなたが適任よ。」
レイジは短く頷いた。「上等だ。」
王女は微笑み、指先でレイジの頬をなぞった。「やっぱりあなたは頼もしいわね……私の王。」その声色には、政治の駆け引きと甘美な誘惑が入り混じっていた。
ー数日後ー
影界の城の奥深くで、偽の作戦会議が開かれた。わざと「知られれば危機となる作戦」を議題に据え、裏切り者が動くのを待つ罠だ。
夜。レイジは人気のない長い回廊を歩いていた。壁の古びた文様が松明の光で揺れ、まるでこちらを監視するかのように蠢いて見える。足音だけが響く中、背後に微かな殺気が忍び寄った。
「やっぱり来たか……。」
振り返るより早く、しなやかな鞭が空を裂き、レイジの腕に絡みついた。焼けるような痛みと、同時に痺れるような快感が全身を走る。「っ……!」思わず息が漏れる。
現れたのは、影界幹部の側近を装っていた女だった。全身を覆う漆黒の装束。だが、隠しきれぬ肢体の曲線が布の下で妖しくうねる。猫のような瞳と艶やかな唇がレイジを舐めるように見下ろしていた。「気づいていたのね、王様。」
女は低く笑い、鞭をきゅっと引き締めた。熱と電流のような感覚がレイジの神経を貫き、膝が一瞬揺らぐ。
「この鞭はね……痛みと快楽を同時に刻むの。あなたみたいな男にはぴったりでしょ?」
女はゆっくりと近づき、床の影を操ってレイジの足首を絡め取る。全身が拘束され、剣に手を伸ばそうとしても動かない。女は顔を寄せ、首筋を指先でなぞると、舌先で耳の軟骨を舐めた。「ほら……力を抜いて。いい声を聞かせて?」
「……っ!」歯を食いしばり、声を殺す。しかし、影が分身となって現れ、レイジの体を好き勝手に這い回った。胸板、腹、太腿……服の上からでも、何本もの指が絡みつくような錯覚に息が乱れる。
「我慢しなくていいのよ。ねぇ……もっと震えて?」女は囁きながら、鞭を下腹部へと這わせた。鋭い刺激と甘い痺れが同時に襲い、レイジの呼吸が荒くなる。
(くそっ……意識が持っていかれる……!)
女はさらに影を操り、レイジの腰を押さえ込んで密着した。鞭で拘束したまま、その艶やかな体を彼の胸に押し付け、耳元で囁く。「堕ちちゃいなさい。そうすれば楽になれるわ。」
だが、レイジの瞳はまだ死んではいなかった。
全魔力を剣へと集中させた。筋肉が引き裂けるような感覚と共に、拘束していた影が焼け落ちる。「なっ……!?」女が驚愕する間もなく、レイジは咆哮と共に前進した。
「俺は……お前なんかに負けないッ!」
剣が閃光を放ち、分身を一体ずつ斬り裂く。影は悲鳴のような音を立てて消え、女の鞭も勢いを失った。彼女が反撃しようとした瞬間、レイジは踏み込み、渾身の一撃を女の腹部に叩き込んだ。
女は呻き、霧のように崩れ落ちていく。消える寸前、彼女は艶やかな笑みを浮かべた。「ああ……やっぱり、あなたは王ね。」
沈黙が訪れ、血と汗の匂いが残る中、レイジは荒い呼吸を整えた。剣を鞘に収め、心の中で呟く。(……これが裏切りの影か。だが、まだ終わっていない。)
裏切り者の正体が判明し、王宮は騒然となった。旧貴族派と影界幹部の一部が連合と通じていたと知れ、リュミエルは冷たい目で告げる。「もう甘い顔はできない。徹底的に粛清するわ。」
夜。玉座に座る影の王女がレイジを迎えた。「よくやったわ。でも、これで終わりじゃない。」
「まだ背後があるのか?」レイジが問う。
王女は闇の奥を見つめ、囁いた。「この裏切りも戦争も……すべては“魔王”の布石よ。」
その名を聞いた瞬間、レイジの背筋が凍った。「魔王……?」
王女はゆっくりと頷いた。「彼女は世界の影そのもの。女王のように美しく、恐ろしく、私たちすら屈服させる力を持つ存在。」
レイジの脳裏に、漆黒の玉座に座る女の幻影が浮かぶ。長い銀髪、紫紺の瞳、血のように深紅のドレス。圧倒的な存在感が、胸を締め付けた。
「勝てるのか……?」
王女は艶やかに微笑み、首を振った。「今のあなたじゃ無理。でも……」胸元から手を伸ばし、レイジの胸に指を這わせる。「あなたが性技を極めれば、魔王すらイカせて屈服させられる。」
レイジは深く息を吸い、拳を握った。(この世界を救うためなら……性技をカンストさせ、魔王をイカせる。どんな方法でもやってやる。)
こうして、レイジは絶対的な敵──魔王との戦いに備え、影の王女と双姫の導きのもと、性技を極める修行の道を歩み始めるのだった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる