オーバードライブ ・エロス〜性技カンストの俺が魔王をイカせるまで帰れない世界〜

ぽせいどん

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第20話 ー裏切りの影ー

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 北方諸国連合との決戦から数日後、王宮の空気は勝利の余韻とは程遠かった。厚いカーテンに閉ざされた評議室は重苦しい沈黙で満ち、集まった王宮の旧貴族、影界の幹部、淫魔王宮の双姫、そして影の王女が一堂に会していた。豪奢な長卓を囲む者たちの視線は、互いへの不信で鋭く尖っている。

「この戦……あまりにも敵の対応が早すぎたわ。」リュミエルが冷たい声で口を開いた。
「偶然ではない。内部から情報が漏れていたと考えるべきね。」

 その一言で場がざわつき、旧貴族の一人が机を叩いて立ち上がった。「我々を疑うのか!? 影界の連中こそ信用ならぬ!」
「貴様らの方こそ連合に寝返っているのではないか?」影界幹部が応酬し、たちまち罵声が飛び交う。

 レイジは沈黙したまま鋭い視線で会議室を見渡していた。誰もが自分以外を疑っている。ここにいる全員が、味方であると同時に敵の可能性を秘めていた。

「静まれ。」
 艶やかでありながら威圧的な声が響き、場が凍りつく。玉座から影の王女が立ち上がっていた。漆黒のドレスが床を擦り、香り立つ甘美な匂いが部屋を満たす。「裏切り者は必ず炙り出すわ。方法は……もう決めてある。」

 その夜、影界の奥の私室で、レイジと影の王女は密談を交わした。寝台に腰掛ける王女は脚を組み、ゆったりとレイジを見上げる。「裏切り者は私たちのすぐそばにいる。だからこそ、囮が必要なの。あなたが適任よ。」
 レイジは短く頷いた。「上等だ。」

 王女は微笑み、指先でレイジの頬をなぞった。「やっぱりあなたは頼もしいわね……私の王。」その声色には、政治の駆け引きと甘美な誘惑が入り混じっていた。

 
 ー数日後ー
 
 影界の城の奥深くで、偽の作戦会議が開かれた。わざと「知られれば危機となる作戦」を議題に据え、裏切り者が動くのを待つ罠だ。

 夜。レイジは人気のない長い回廊を歩いていた。壁の古びた文様が松明の光で揺れ、まるでこちらを監視するかのように蠢いて見える。足音だけが響く中、背後に微かな殺気が忍び寄った。

「やっぱり来たか……。」

 振り返るより早く、しなやかな鞭が空を裂き、レイジの腕に絡みついた。焼けるような痛みと、同時に痺れるような快感が全身を走る。「っ……!」思わず息が漏れる。

 現れたのは、影界幹部の側近を装っていた女だった。全身を覆う漆黒の装束。だが、隠しきれぬ肢体の曲線が布の下で妖しくうねる。猫のような瞳と艶やかな唇がレイジを舐めるように見下ろしていた。「気づいていたのね、王様。」
 女は低く笑い、鞭をきゅっと引き締めた。熱と電流のような感覚がレイジの神経を貫き、膝が一瞬揺らぐ。

「この鞭はね……痛みと快楽を同時に刻むの。あなたみたいな男にはぴったりでしょ?」

 女はゆっくりと近づき、床の影を操ってレイジの足首を絡め取る。全身が拘束され、剣に手を伸ばそうとしても動かない。女は顔を寄せ、首筋を指先でなぞると、舌先で耳の軟骨を舐めた。「ほら……力を抜いて。いい声を聞かせて?」

「……っ!」歯を食いしばり、声を殺す。しかし、影が分身となって現れ、レイジの体を好き勝手に這い回った。胸板、腹、太腿……服の上からでも、何本もの指が絡みつくような錯覚に息が乱れる。

「我慢しなくていいのよ。ねぇ……もっと震えて?」女は囁きながら、鞭を下腹部へと這わせた。鋭い刺激と甘い痺れが同時に襲い、レイジの呼吸が荒くなる。

(くそっ……意識が持っていかれる……!)

 女はさらに影を操り、レイジの腰を押さえ込んで密着した。鞭で拘束したまま、その艶やかな体を彼の胸に押し付け、耳元で囁く。「堕ちちゃいなさい。そうすれば楽になれるわ。」

 だが、レイジの瞳はまだ死んではいなかった。

 全魔力を剣へと集中させた。筋肉が引き裂けるような感覚と共に、拘束していた影が焼け落ちる。「なっ……!?」女が驚愕する間もなく、レイジは咆哮と共に前進した。

「俺は……お前なんかに負けないッ!」

 剣が閃光を放ち、分身を一体ずつ斬り裂く。影は悲鳴のような音を立てて消え、女の鞭も勢いを失った。彼女が反撃しようとした瞬間、レイジは踏み込み、渾身の一撃を女の腹部に叩き込んだ。

 女は呻き、霧のように崩れ落ちていく。消える寸前、彼女は艶やかな笑みを浮かべた。「ああ……やっぱり、あなたは王ね。」

 沈黙が訪れ、血と汗の匂いが残る中、レイジは荒い呼吸を整えた。剣を鞘に収め、心の中で呟く。(……これが裏切りの影か。だが、まだ終わっていない。)

 裏切り者の正体が判明し、王宮は騒然となった。旧貴族派と影界幹部の一部が連合と通じていたと知れ、リュミエルは冷たい目で告げる。「もう甘い顔はできない。徹底的に粛清するわ。」

 夜。玉座に座る影の王女がレイジを迎えた。「よくやったわ。でも、これで終わりじゃない。」
「まだ背後があるのか?」レイジが問う。

 王女は闇の奥を見つめ、囁いた。「この裏切りも戦争も……すべては“魔王”の布石よ。」

 その名を聞いた瞬間、レイジの背筋が凍った。「魔王……?」

 王女はゆっくりと頷いた。「彼女は世界の影そのもの。女王のように美しく、恐ろしく、私たちすら屈服させる力を持つ存在。」

 レイジの脳裏に、漆黒の玉座に座る女の幻影が浮かぶ。長い銀髪、紫紺の瞳、血のように深紅のドレス。圧倒的な存在感が、胸を締め付けた。

「勝てるのか……?」
 王女は艶やかに微笑み、首を振った。「今のあなたじゃ無理。でも……」胸元から手を伸ばし、レイジの胸に指を這わせる。「あなたが性技を極めれば、魔王すらイカせて屈服させられる。」

 レイジは深く息を吸い、拳を握った。(この世界を救うためなら……性技をカンストさせ、魔王をイカせる。どんな方法でもやってやる。)

 こうして、レイジは絶対的な敵──魔王との戦いに備え、影の王女と双姫の導きのもと、性技を極める修行の道を歩み始めるのだった。
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