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第3章
第30話 聖なる闇と聖なる光
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「大罪人の癖に調子に乗ったな。不可思議なその力をどこで手に入れたかは知らないが、よくも恥をかかせてくれたものだ」
瀕死な状態のノアを一瞥し、マグナは離れていく。
血で染まっている視界でどこに移動をするのか首を曲げて見ていると、その足は倒れているステラに向かっているように見える。
ノアは起き上がって引き留めようとするが、身体が動かない。力を入れようにも全く腕や足が動かず、視界も焦点が合わないことに気が付いた。
「ステラ……くそ……結局俺には何も変えられないのか……」
手が届かない。
一歩ずつ遠のくマグナの足を掴むことができない。
どうして、なぜ一生懸命戦っても掴めない。負けてしまったが、このままでいいわけがない。守るという約束を果たさなければならない。そのためにすることは決まっている。
「俺に――力を貸せ。闇だろうが関係ない。守るための力を俺によこせ!」
力を入れて声を上げた瞬間、身体全体を黒い影が包み込んだ。
ただ包み込むだけで何もしてこない。浸食されると勘違いをしていたノアが悪かったのか、温かさすら感じる。
「この影は俺の身体を乗っ取るとかと思っていたけど、実際は違うのか? いや、まだ油断はできないけど、何をするつもりだ?」
影は何かをすることもなく、ただノアの身体を包んでいるだけだ。
温かい温もりに心を許してしまうが「光を滅ぼす闇の力をあなたに」と言う澄んだ綺麗な女性の声が聞こえたことにより、現実に引き戻されてしまう。
「だ、誰だ!? 光を滅ぼすってどういうことだ!?」
突然聞こえてきた女性の言葉に戸惑うが、光という言葉の意味がわからない。
ただ思いつくことと言えば、マグナが使っていた聖なる光のことだ。女性の声はそのことを言っているのか定かではない。しかし今はそんなことに悩んでいる暇はない。ステラに近づくマグナを止めなければならないからだ。
「いいぜ、その滅ぼす力を俺は守るために使う! 俺に力を!」
ノアが発した言葉と共に、身体が眩く発光した。
その光はステラに近づくマグナにも届いたようで、目を見開いて驚いた表情を向けているようだ。
「お、お前はなんだ!? どうして立ち向かってくる!」
身体を発光させながら立ち上がるノアに、マグナが冷や汗を流しながら話かけてくる。
「俺は守るために戦うんだ。お前のような私利私欲じゃない!」
「大罪人が守れるわけがない! 犯罪者が生意気を言うな!」
「守れるさ! 確かに俺は大罪人だ。だけど、人は変われる! 変えることができるんだ!」
眩い輝きが消えると、ノアの右手には元々握っていたヘリスから譲り受けた剣を握っていたはずだが、今は漆黒の剣に変化している。
大切な剣であったが、仕方ない。村に戻った際に謝ればいいと思うことにした。
「ならやって見せろ! ここでお前を完全に殺し、ステラも殺す! それですべてが終わるんだ!」
「やらせない……俺は必ず守り通す!」
ノアとマグナ――二人の死闘が始まり、ステラを守るために戦いが始まった。
「来い大罪人! お前がその不可思議な力を使えようと、俺には敵わない! それが事実で現実だ!」
「そんなことはない! 俺はこの力でお前を倒して、ステラと共に国を救うんだ!」
ノアは漆黒の剣を握る手に力を入れて、離れた位置にいるマグナとの距離を一気に詰めた。
「なっ!? 一瞬で!?」
それは瞬きの一瞬。
ただ足に力を入れて駆け出すイメージだったのだが、思いのほか脚力が強化されていた。マグナから見れば姿を消したかと思えば、すぐに現れたかのように見えたはず。その反応はノアにとって好都合で、虚を突いたのなら畳みかけて一気にマグナを殺せる可能性が高まるからだ。
瀕死な状態のノアを一瞥し、マグナは離れていく。
血で染まっている視界でどこに移動をするのか首を曲げて見ていると、その足は倒れているステラに向かっているように見える。
ノアは起き上がって引き留めようとするが、身体が動かない。力を入れようにも全く腕や足が動かず、視界も焦点が合わないことに気が付いた。
「ステラ……くそ……結局俺には何も変えられないのか……」
手が届かない。
一歩ずつ遠のくマグナの足を掴むことができない。
どうして、なぜ一生懸命戦っても掴めない。負けてしまったが、このままでいいわけがない。守るという約束を果たさなければならない。そのためにすることは決まっている。
「俺に――力を貸せ。闇だろうが関係ない。守るための力を俺によこせ!」
力を入れて声を上げた瞬間、身体全体を黒い影が包み込んだ。
ただ包み込むだけで何もしてこない。浸食されると勘違いをしていたノアが悪かったのか、温かさすら感じる。
「この影は俺の身体を乗っ取るとかと思っていたけど、実際は違うのか? いや、まだ油断はできないけど、何をするつもりだ?」
影は何かをすることもなく、ただノアの身体を包んでいるだけだ。
温かい温もりに心を許してしまうが「光を滅ぼす闇の力をあなたに」と言う澄んだ綺麗な女性の声が聞こえたことにより、現実に引き戻されてしまう。
「だ、誰だ!? 光を滅ぼすってどういうことだ!?」
突然聞こえてきた女性の言葉に戸惑うが、光という言葉の意味がわからない。
ただ思いつくことと言えば、マグナが使っていた聖なる光のことだ。女性の声はそのことを言っているのか定かではない。しかし今はそんなことに悩んでいる暇はない。ステラに近づくマグナを止めなければならないからだ。
「いいぜ、その滅ぼす力を俺は守るために使う! 俺に力を!」
ノアが発した言葉と共に、身体が眩く発光した。
その光はステラに近づくマグナにも届いたようで、目を見開いて驚いた表情を向けているようだ。
「お、お前はなんだ!? どうして立ち向かってくる!」
身体を発光させながら立ち上がるノアに、マグナが冷や汗を流しながら話かけてくる。
「俺は守るために戦うんだ。お前のような私利私欲じゃない!」
「大罪人が守れるわけがない! 犯罪者が生意気を言うな!」
「守れるさ! 確かに俺は大罪人だ。だけど、人は変われる! 変えることができるんだ!」
眩い輝きが消えると、ノアの右手には元々握っていたヘリスから譲り受けた剣を握っていたはずだが、今は漆黒の剣に変化している。
大切な剣であったが、仕方ない。村に戻った際に謝ればいいと思うことにした。
「ならやって見せろ! ここでお前を完全に殺し、ステラも殺す! それですべてが終わるんだ!」
「やらせない……俺は必ず守り通す!」
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「来い大罪人! お前がその不可思議な力を使えようと、俺には敵わない! それが事実で現実だ!」
「そんなことはない! 俺はこの力でお前を倒して、ステラと共に国を救うんだ!」
ノアは漆黒の剣を握る手に力を入れて、離れた位置にいるマグナとの距離を一気に詰めた。
「なっ!? 一瞬で!?」
それは瞬きの一瞬。
ただ足に力を入れて駆け出すイメージだったのだが、思いのほか脚力が強化されていた。マグナから見れば姿を消したかと思えば、すぐに現れたかのように見えたはず。その反応はノアにとって好都合で、虚を突いたのなら畳みかけて一気にマグナを殺せる可能性が高まるからだ。
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