ジグソーパズル

細雪

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仲良くしましょう、彼女さん

青年との関わり

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運良く空いていたベンチに座って考え事を続行しているとふらりと影がさした。
思っていたよりも早かった、と思いながら顔を上げると当然のように友人は怒っていた。
「起こしてあげたのに置いて行くってどういうこと!」
「ごめん、考え事してた。」
手をひらりと動かしながら謝ると、「まぁいいけど!」と言い捨てながら隣に座った。相談ではないにしろ大切な話をするつもりなのに横座りとは面白い。などと現実逃避を考えながら包みを開く。相変わらず凝ったお弁当だった。
「それで?秋崎君とはどういう関係なの。」
自分の包みを開ける前に、友人は私に問いかけた。
友人にとって、恋バナは昼食よりも重要な問題らしい。身を乗り出す様子を横目に見ながら、ウインナーを箸で掴みあげつつ口を開いた。
「どういう関係もなにも、赤の他人。他のクラスメートよりも一日早く会った、くらいの関係かな。」
興味なさげに喋り終えると適当に口に放り込む。子供用かのようにタコ型に切られたそれは、少しばかり食べづらかった。
「じゃああの彼氏とか彼女とかの話は何。」
「それは私が聞きたいくらい。知り合いですらない相手にあんなこと言われちゃ、困るどころの話じゃないし。」
腑に落ちない様子で問いを重ねる彼女に目もくれず会話の隙をついて箸を進める。野菜などの切り方が子供向けであることを除けば、本当に美味しいお弁当だ。
「……あー、つまり?全く見ず知らずの相手に彼女認定されて付きまとわれてるの?……ストーカーなんじゃない、彼。」
本当、得体の知れない青年の話を聞かずに済んだのなら、美味しいお弁当だったのに。
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