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第五章 彼岸花
あきらめ
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黄虎と朱翔が帰った後、玄華の顔からは笑が消え抜け殻のようになっていた。
「千玄、もし朱翔の話が事実なら…九虎様や美虎が妖魔を操っていたことになるわ、そして今も… 本当に白虎家まで絡んでいるのかしら…」
「……」
まるで他人事のように話す玄華に、千玄は何も言えなかった。
話を聞いて理解する間も無く黄虎と向き合い、その間も自分の感情を押し殺しながら耐え続けた。できることなら、その場で泣き叫びたかっただろう。長年見えなかった相手が、まさか目の前に居たとは、玄華は自分の感情を戻すことができずにいた。
「千玄、志瑞也をここに連れて来たのは…本当に良かったのかしら? 向こうにいた方が…」
千玄は眉をひそめ耳を疑った。玄華の言葉に悔しさが込み上げ、千玄は憤りを露にする。
「玄華様っ! 志瑞也様は人間ではありませんっ、知らずに人間と一緒に暮らし続ければ、訳が分からないまま周りの死を見続け、その内気味悪がられ… いずれはお独りになるだけですっ、今度は向こうで… 独りで死なせるおつもりですか? それでも連れて来なかった方が良かったと……本当に思ってらっしゃるのですかっ!」
千玄もまた黄怜を幼い頃から見守り、玄華と同じ我が子のように可愛がってきた。
玄華は我に返る。
「千…玄っ… ご…ごめ…な…さい…」
自分のための涙は枯れ果て、声だけが震えていた。
千玄は玄華の手を握り尋ねる。
「玄華様は、黄怜様にもう一度… お会いしたかったのではないのですか?」
「そうよ… そのためにここまで耐えてきたのよ… 千玄も苦しいのに… ごめんなさい…」
やっと一粒だけ、玄華の涙が溢れ落ちる。
玄華の顔の筋肉が動き出したのを見て、千玄はゆっくり話しだす。
「玄華様、もし妖魔が操られているのであれば、何かお忘れではありませんか?」
玄華は眉をひそめて考える。
「…そうよ、おかしいわっ 妖魔を操るのは邪術よ……邪術は私達には扱えないわ!」
千玄は力強く頷く。
「どうやって黄怜の血を餌にしたのかしら…?」
「私もそのことを考えておりました」
「千玄、どういうことかしらっ?」
先程とは違う玄華の様子を見て、千玄は微笑みながら言う。
「それは明日、玄枝様にお聞きしましょう」
「千玄、ありがとう」
玄華も微笑んだ。
待つだけの日々が、動き出したのだと二人は実感した。だが、より慎重を期して行動しなければならない、その中で朱翔が加わったことに千玄は疑問を感じた。千玄は朱翔のことをよく知らない、怪しげな顔を思い出し玄華に尋ねる。
「朱翔様は、本当に黄虎様のためだけにいらしたのでしょうか?」
「朱翔はとても賢いわ、怖いぐらいよ。あの子は全て見極めて動いているのよ、策が途中で違えば、そこからまた練り直しているわ、読み取れないあの雰囲気は朱能に似たのね」
「そんなにですか?」
「私より先にあなたに声をかけたのも、部屋に入って直ぐに黄怜のことを言って動揺させたのも、文だけだと私が取り繕うと思ったからよ。誤魔化しているって気付いても明確でない限り、目上の人に対して失礼な振舞いはできないわ、朱翔は先に一人でここに来る予定ではなかったはずよ。まず私の黄虎に対する気持ちを確認してから、あの話を持ち出したのよ。少なくとも、黄虎のために動いているのは間違いないわ」
千玄は感心し頷いて言う。
「黄虎様に良い友がおられて、安心しました」
「えぇ本当に救いだわ。あの子達同世代は、皆素晴らしい才能を持っているわ、きっと間違った選択はしないでしょう。黄怜が生きていたら、良い友になれていたかもしれないわね…」
我が子だけがその輪にいない、玄華は伏し目がちにそう言ったように見えた。
千玄は玄華の胸中を汲み取り笑顔で言う。
「玄華様、志瑞也様でも良い友になれます」
「えぇ、きっとそうよ」
玄華は儚げに微笑んだ。
千玄は顎に手を当て首を傾げて言う。
「この件は黄虎様ならまだわかりますが、柊虎様まで加わるとは驚きました。講習会で友になられたと聞いてはおりましたが、柊虎様は皆に優しかったと。しかも黄怜様をお慕いしていたとは…」
玄華も食い付き目を丸くする。
「私も驚いたわ! 蒼万は柊虎に何故話したのかしら? もしかしてっ、柊虎の想いを知っていたから話したのかしらっ?」
いつもの玄華の口調に戻り、千玄はやっと安堵し微笑む。
「それも含め、会えば色々おわかりになるかと。明日は白龍殿や銀龍殿に行かれた後、旅の支度もあります。今日玄華様は頑張り過ぎました、早めに休まれて下さい」
「ねぇ千玄」
「はい」
「黄怜は柊虎を慕っていたのかしら?」
「え?」
「もしそうなら、今は全員男子よね?」
「全員とは?」
「蒼万と志瑞也と柊虎よ」
「……何故、蒼万様まで?」
「だって、朱翔が『蒼万がしっかりくっついておりました』て言ってたでしょ?」
「ただ御守りしているだけでは?」
「いいえっ、朱翔は考えなしにあんな言い方しないわっ それと最後のあの目よっ 何かあるわっ、千玄はどう思う?」
玄華が不思議な世界に入り千玄は困惑する。
「…玄華様、先程から何をおっしゃっているのですか?」
「私と黄一は蒼万とって思っていたけど、黄怜と柊虎が想い合っていたのなら… それとも柊虎は男色で… でも葵と婚約しているわよね… そもそも志瑞也に想い人はいるのかしら……」
一人で楽しそうに、何やらぶつぶつと玄華は言っている。そんな玄華に呆れつつも、千玄は心が穏やかになった。
玄華は傍系の中でも霊力が高く生まれたが、年を取ってからの子でもあり早くに母を亡くした。独りっ子で遊び相手がおらず、神獣に話しかけ一人で笑っていた。せのせいか、傍系の集まりに連れて行っても、一言も話さずにこにこと微笑み〝不思議な子〟と呼ばれていた。四つになっても一人遊びや妄想で楽む姿に見兼ねた父が、分家の子供達の中から霊力の高い千玄を選び、早くから玄華付き侍女として殿に招いた。分家の女子は将来本家に仕えるため、幼い頃から領域ごとに集められ指導を受ける。千玄には既に共に学んでいた分家の友玄音がおり、三人で遊ぶようになると玄華の父も安堵した。
だが、成長しても妄想の癖は抜けず、時折一人で笑ったりする。それでも千玄と玄音は玄華の妄想が可笑しく、時に一緒に笑い合えるのだ。本来玄華は取り繕うのが苦手で、前向きで感情が素直に表に出る性分だ。黄一は、玄華のそういう所に惹かれたのだろう。
「千玄」
「はい玄華様」
「蒼万は男色かしら?」
「……玄華様、それは蒼万様に言ってはなりません」
玄華は黄一にしか扱えないと、千玄は思った。
「千玄、もし朱翔の話が事実なら…九虎様や美虎が妖魔を操っていたことになるわ、そして今も… 本当に白虎家まで絡んでいるのかしら…」
「……」
まるで他人事のように話す玄華に、千玄は何も言えなかった。
話を聞いて理解する間も無く黄虎と向き合い、その間も自分の感情を押し殺しながら耐え続けた。できることなら、その場で泣き叫びたかっただろう。長年見えなかった相手が、まさか目の前に居たとは、玄華は自分の感情を戻すことができずにいた。
「千玄、志瑞也をここに連れて来たのは…本当に良かったのかしら? 向こうにいた方が…」
千玄は眉をひそめ耳を疑った。玄華の言葉に悔しさが込み上げ、千玄は憤りを露にする。
「玄華様っ! 志瑞也様は人間ではありませんっ、知らずに人間と一緒に暮らし続ければ、訳が分からないまま周りの死を見続け、その内気味悪がられ… いずれはお独りになるだけですっ、今度は向こうで… 独りで死なせるおつもりですか? それでも連れて来なかった方が良かったと……本当に思ってらっしゃるのですかっ!」
千玄もまた黄怜を幼い頃から見守り、玄華と同じ我が子のように可愛がってきた。
玄華は我に返る。
「千…玄っ… ご…ごめ…な…さい…」
自分のための涙は枯れ果て、声だけが震えていた。
千玄は玄華の手を握り尋ねる。
「玄華様は、黄怜様にもう一度… お会いしたかったのではないのですか?」
「そうよ… そのためにここまで耐えてきたのよ… 千玄も苦しいのに… ごめんなさい…」
やっと一粒だけ、玄華の涙が溢れ落ちる。
玄華の顔の筋肉が動き出したのを見て、千玄はゆっくり話しだす。
「玄華様、もし妖魔が操られているのであれば、何かお忘れではありませんか?」
玄華は眉をひそめて考える。
「…そうよ、おかしいわっ 妖魔を操るのは邪術よ……邪術は私達には扱えないわ!」
千玄は力強く頷く。
「どうやって黄怜の血を餌にしたのかしら…?」
「私もそのことを考えておりました」
「千玄、どういうことかしらっ?」
先程とは違う玄華の様子を見て、千玄は微笑みながら言う。
「それは明日、玄枝様にお聞きしましょう」
「千玄、ありがとう」
玄華も微笑んだ。
待つだけの日々が、動き出したのだと二人は実感した。だが、より慎重を期して行動しなければならない、その中で朱翔が加わったことに千玄は疑問を感じた。千玄は朱翔のことをよく知らない、怪しげな顔を思い出し玄華に尋ねる。
「朱翔様は、本当に黄虎様のためだけにいらしたのでしょうか?」
「朱翔はとても賢いわ、怖いぐらいよ。あの子は全て見極めて動いているのよ、策が途中で違えば、そこからまた練り直しているわ、読み取れないあの雰囲気は朱能に似たのね」
「そんなにですか?」
「私より先にあなたに声をかけたのも、部屋に入って直ぐに黄怜のことを言って動揺させたのも、文だけだと私が取り繕うと思ったからよ。誤魔化しているって気付いても明確でない限り、目上の人に対して失礼な振舞いはできないわ、朱翔は先に一人でここに来る予定ではなかったはずよ。まず私の黄虎に対する気持ちを確認してから、あの話を持ち出したのよ。少なくとも、黄虎のために動いているのは間違いないわ」
千玄は感心し頷いて言う。
「黄虎様に良い友がおられて、安心しました」
「えぇ本当に救いだわ。あの子達同世代は、皆素晴らしい才能を持っているわ、きっと間違った選択はしないでしょう。黄怜が生きていたら、良い友になれていたかもしれないわね…」
我が子だけがその輪にいない、玄華は伏し目がちにそう言ったように見えた。
千玄は玄華の胸中を汲み取り笑顔で言う。
「玄華様、志瑞也様でも良い友になれます」
「えぇ、きっとそうよ」
玄華は儚げに微笑んだ。
千玄は顎に手を当て首を傾げて言う。
「この件は黄虎様ならまだわかりますが、柊虎様まで加わるとは驚きました。講習会で友になられたと聞いてはおりましたが、柊虎様は皆に優しかったと。しかも黄怜様をお慕いしていたとは…」
玄華も食い付き目を丸くする。
「私も驚いたわ! 蒼万は柊虎に何故話したのかしら? もしかしてっ、柊虎の想いを知っていたから話したのかしらっ?」
いつもの玄華の口調に戻り、千玄はやっと安堵し微笑む。
「それも含め、会えば色々おわかりになるかと。明日は白龍殿や銀龍殿に行かれた後、旅の支度もあります。今日玄華様は頑張り過ぎました、早めに休まれて下さい」
「ねぇ千玄」
「はい」
「黄怜は柊虎を慕っていたのかしら?」
「え?」
「もしそうなら、今は全員男子よね?」
「全員とは?」
「蒼万と志瑞也と柊虎よ」
「……何故、蒼万様まで?」
「だって、朱翔が『蒼万がしっかりくっついておりました』て言ってたでしょ?」
「ただ御守りしているだけでは?」
「いいえっ、朱翔は考えなしにあんな言い方しないわっ それと最後のあの目よっ 何かあるわっ、千玄はどう思う?」
玄華が不思議な世界に入り千玄は困惑する。
「…玄華様、先程から何をおっしゃっているのですか?」
「私と黄一は蒼万とって思っていたけど、黄怜と柊虎が想い合っていたのなら… それとも柊虎は男色で… でも葵と婚約しているわよね… そもそも志瑞也に想い人はいるのかしら……」
一人で楽しそうに、何やらぶつぶつと玄華は言っている。そんな玄華に呆れつつも、千玄は心が穏やかになった。
玄華は傍系の中でも霊力が高く生まれたが、年を取ってからの子でもあり早くに母を亡くした。独りっ子で遊び相手がおらず、神獣に話しかけ一人で笑っていた。せのせいか、傍系の集まりに連れて行っても、一言も話さずにこにこと微笑み〝不思議な子〟と呼ばれていた。四つになっても一人遊びや妄想で楽む姿に見兼ねた父が、分家の子供達の中から霊力の高い千玄を選び、早くから玄華付き侍女として殿に招いた。分家の女子は将来本家に仕えるため、幼い頃から領域ごとに集められ指導を受ける。千玄には既に共に学んでいた分家の友玄音がおり、三人で遊ぶようになると玄華の父も安堵した。
だが、成長しても妄想の癖は抜けず、時折一人で笑ったりする。それでも千玄と玄音は玄華の妄想が可笑しく、時に一緒に笑い合えるのだ。本来玄華は取り繕うのが苦手で、前向きで感情が素直に表に出る性分だ。黄一は、玄華のそういう所に惹かれたのだろう。
「千玄」
「はい玄華様」
「蒼万は男色かしら?」
「……玄華様、それは蒼万様に言ってはなりません」
玄華は黄一にしか扱えないと、千玄は思った。
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