推しと被りと晒し

山上田村麻呂

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出会い

全部初めてなんですけど、、、

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お泊りになってしまった、、、らしい。

流されて流されて。
長いものに巻かれて生きてきた自分の集大成だろうか。

夜ご飯一緒に食べよう
とDMがくる。

夕飯のお誘いなんて、いつぶりだろう。
焼肉に行こう。
贅沢をしよう。

気づくと、待ち遠しくなっている。

泊まるってホテルか、、、
どこのホテルがいいのか、、、

思いがけずラブホテルを指定された。
行ったことがない。
実はラブホには行ったことがない。
しかし、希望されたことに応えたい。

PM19時から次の日のAM11時まで

360分コース+お泊まりコース
11万円
本指名料1万円
交通費千円

合計111,000円

毎回ではない。ちょっと贅沢したと思うか。

待ち合わせをして、
早速手を繋いでくれた。
こんなこと、久しぶりだ。

もうお金のことなど、どうでもよくなる。
焼肉を食べた。
美味い。美味い。美味いはずだ。
普段行かない高級焼肉店なのだから。

当たり前のように食べた。
当たり前のように飲んだ。

まだ時間があるから、もう一件行こうと誘われた。

私も大人だ。そんな話に易々とのるつもりはない。「もしや詐欺か。11万円以上のなにかを取るのか」
慎重に彼の後をついていく。

ただただ、美味い酒をごちそうしてくれた。

酒の力は恐ろしい。
全てを許せる。全てが楽しい。全て酒のせいにできるのだ。

、、、はじめてのラブホテル
16000円
た、たかい。
なぜラブホは高いんだ。もっと安いところに泊まりたい。
しかし、それも言えない。

このホテルはアイスがついてる。
このホテルはタオルが2枚ついてる。

そんなものは、コンビニで買ってやるから、安いところに行こうよ。

この一言がいえなかった。


ホテルでマッサージがはじまる。
彼も飲んで寝たいだろうに、えらい。
わたしは、また当たり前の快楽に引き摺り込まれ、呼吸を整えることに精一杯になる。

ここから隣で眠る。
手を繋いで眠る。
秒で、彼のいびきが聞こえる。
おい、、、、
こちらは全く眠れません。

ベランダにでてタバコを吸いながらふと思った。

これで終わりにしよう。
時間がもったいない。
もうお泊まりすることはない。
なんなら、このまま帰ろうかな。

この男を置いて。金をおいて。
さっさと去りたい。

一緒にいるのに、寂しい。

これ、元彼といた時あったな。

金払っても同じか。

総額20万で勉強できたなら、よかった。
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