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紫綺&忍編
14 居場所を失いかけた迷子(忍視点)
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「如何して、潜り込んで来るんだ?」
眠っている、そう思っていたのに、今日は少し違っていた。俺の行動を確かめるために、寝たふりをしていたみたいだった。
何時かは言われるって分かってた。この人は頼まれたから、お世話になってる人の息子だから、俺と関わってくれた。だから、少しでもそばに居たかったんだ。
ベッドに潜り込んで居たのも、何時か拒絶されると分かっていたから。父さんと、ううん、春名さんと立場が違うから。
俺は春名 遼の本当の息子じゃない。知ったのは俺が両親だと疑っておらず浮気が元で離婚し、俺自身が荒れに荒れた後。もともと、母親似だった俺は誰にも疑われることすらなかった。春名さんが隠すように仕舞ってあったその検査結果の用紙を見てしまったんだ。愕然とした。百パーセント親子関係がないという結果。足元が崩れていくような感覚。まだ、中学生でレイプされて感覚がおかしかった時。一気に何もかもが冷めた。
「何時かは言われるって知ってたんだ」
潜り込んだベッドの上に座り込んで、ぽつりと言った。その声に、紫綺さん……、ううん、秋保さんが困惑を露わにした。もう、一線を引かなきゃ。父さんにそうしていたように。いい機会なのかもしれない。どうせ、この人から離れたら、本当に居場所はない。春名さんの家に帰っても、同じだから。
「明日出てく。でも、荷物は処分して。置いていくから。学校も辞めるし」
「何言ってるんだ?」
「俺は春名さんの家には帰らないから」
帰れる筈がない。彼奴等がすぐに来る。連れて行かれて、玩具にされて、最終的にはそういった場所に売られる。前にそう言われたから、間違えない。だから、何も必要ない。
「春名さんって。父親だろう……」
「本当の父親だったら良かったのに」
浮気を繰り返していた愚かな母親。あんなに優しい人なのに、悲しませていた莫迦な女。生まれた子を夫に本当の息子だと偽り、離婚した時に置き去りにした酷い奴。
「……なんだって?」
「俺は春名 忍の名前を名乗る資格はないから」
「意味が……」
「春名さんと俺は他人なの。戸籍上は親子でも、遺伝子的には全く接点がないんだ」
あの日から何時も居場所を探してた。探して探して探し疲れて、でも、見付からなくて。でも、春名さんが血の繋がりは関係ないって言ってくれた。でも、何時も心の中に蟠りがあった。本当にこの場所に居ていいのか? もしかしたら、幻で夢が醒めて薄暗い場所にいるんじゃないかって。
「あの女は春名さんを裏切った。俺と言う必要のない命をあの人に押し付けた。だから、彼奴等に狙われるのはアカのせいだけじゃない。多分、俺が必要な存在じゃないから、排除されようとしてるだけ」
口から零れた言葉が、胸を抉った。涙が出そうになったけど、無理矢理堪える。秋保さんは優しい人だから、絶対に同情するから。本当なら、学校すら行けなかった筈の俺。春名さんって庇護があったから、今の生活がおくれてた。護ってくれる盾が無くなれば、俺はあっという間に波にさらわれて闇に落ちる。
「短い間だったけど、守ってくれてありがとう。お世話にもなったし。春名さんにはきちんと連絡して、ちゃんと説明もするから大丈夫」
俯いて、顔を隠した。見せたら絶対に駄目だ。後ろ向きな心が顔に出てるから。ゆっくりベッドから降りようと床に足を付けようとした。
「待てよ。言っている意味が理解出来ない」
左腕を掴まれて、引き止められた。
「少しでも安心出来る場所に居たかっただけ。迷惑をかけてるのは分かってたけど、秋保さんの隣って居心地良かったから」
薄闇の中でも眉間に皺が寄ったのが分かった。きっと気が付いた。父さんを春名さんって言ったように、紫綺さんを秋保さんって言ったから。このマンションを出たらただの他人だ。アカともキョウとも、俺が関わった全てと決別する。期待を持たないように、断ち切らないといけない。
彼奴等は秋保さんが隣にいるから遠巻きに見てるだけだ。関係ないと分かれば、すぐにでも行動を起こす。
「俺は汚れてるから。だから、手を離してよ。もう、近付かないし、関わらないから」
強めに腕を引いたら、更に強い力で掴まれた。素直に指が肌に食い込んで痛い。
「如何して、自分を卑下する?」
「本当のことでしょう? 何人もの男に体を汚されて、まだ、狙われてるんだ。それは、俺自身が汚れているからだしさ」
あ、なんか心にヒビが入ったような気がした。そうか、貴羅さんが言ってたのはこのことか。遠回りって、予防線張ってたのにな。好きにならないように、心を傾けないように。でも、無理だよね。この人、優しすぎるんだ。春名さんみたいに。
「本当はさ。他人だって分かった時に家出するつもりだったんだ。それをさ。春名さんが察して、在宅で仕事するようになったの。本当に俺って迷惑な奴。居なくなれば、きっと次の相手を見付けられるし、本当の意味で子供も得られるし。俺さえ居なくなれば、本当はさ、全部解決なんだ」
時間が経てば、俺のことなんてすぐに忘れる。あの女がそうであるように。
「離してってば」
「離したら、居なくなるつもりだろう?」
「そうだけど。だから、面倒な俺は居なくなるって言ってるだろう。あんたにとったら、願ったり叶ったりだろう。困ってるの知ってたしさ。良かったじゃないか」
「ふざけるなよ!」
いきなり怒鳴られて、体がビクついた。この人でも怒鳴ることあるんだな。心臓が早鐘打ってる。
「こんなに震えてるのに、何強がってる?」
震えてなんて……。右手に視線を向けたら、小刻みに震えてた。そうだよな。全部失うんだ。俺まだ、未成年だし。未来が分かってるから、体が恐怖を感じてるんだ。そんなもの、いくら感じたって無駄なのにな。自分から切り捨てようとしてるのにさ。頭より体の方が素直なんて、有り得ないし。
「遼さんが心配しないとでも思ってるのか?」
「あの女みたいに忘れるから大丈夫だよ。俺にそんな価値はないんだし」
なるべく口調が暗くならないように心掛けた。秋保さんが何も感じないように。負担にならないように。こんな奴を守るだけ無駄だったって思われるように。
「離してって。邪魔なら直ぐにでも出てくしさ」
「……こんな夜中に出て行けば、同じ目に合うだろう」
「分かってるよ。もう、帰ってこれないって分かってるから。だから、荷物は処分してって」
「何も分かってないだろうが!」
強く腕を引かれて、組み敷かれた。驚いた。こんなに強引な行動を取られたことなかったから。俯いていた顔が露わになって、隠していた涙を思いっきり見られた。ヤバイって思っても既に遅くて。
「遼さんは居場所を奪ったりしてないだろう」
「だからだ! 罪悪感がどれだけ俺を苛んでるかなんて、あんたに分かるわけないだろう?! どんなに望んだって、絶対に手に入らないんだ! アカだってキョウだって、結局は別の人を選んだんだ! 春名さんだって、絶対にそうなる! 秋保さんだって同じだ!」
俺だって、最初は望んだんだ。無い物ねだりだって言われても、それでも欲しいから欲しいって、邪魔者扱いされても、それでも望んだんだ! 結局、俺に与えられたのは望んでいない彼奴等だけだった。あの、卑劣な奴等だけが俺を望んだんだ。
「違うだろうが!」
「じゃあさ、俺を抱けるわけ?! 汚れてる俺をさ! 出来もしないくせに、偽善ばかり押し付けるなよ!」
最後はヤケだった。こんなことを言ったって、この人は戸惑うだけだ。直ぐに解放される。そう思っていたのに……。
眠っている、そう思っていたのに、今日は少し違っていた。俺の行動を確かめるために、寝たふりをしていたみたいだった。
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ベッドに潜り込んで居たのも、何時か拒絶されると分かっていたから。父さんと、ううん、春名さんと立場が違うから。
俺は春名 遼の本当の息子じゃない。知ったのは俺が両親だと疑っておらず浮気が元で離婚し、俺自身が荒れに荒れた後。もともと、母親似だった俺は誰にも疑われることすらなかった。春名さんが隠すように仕舞ってあったその検査結果の用紙を見てしまったんだ。愕然とした。百パーセント親子関係がないという結果。足元が崩れていくような感覚。まだ、中学生でレイプされて感覚がおかしかった時。一気に何もかもが冷めた。
「何時かは言われるって知ってたんだ」
潜り込んだベッドの上に座り込んで、ぽつりと言った。その声に、紫綺さん……、ううん、秋保さんが困惑を露わにした。もう、一線を引かなきゃ。父さんにそうしていたように。いい機会なのかもしれない。どうせ、この人から離れたら、本当に居場所はない。春名さんの家に帰っても、同じだから。
「明日出てく。でも、荷物は処分して。置いていくから。学校も辞めるし」
「何言ってるんだ?」
「俺は春名さんの家には帰らないから」
帰れる筈がない。彼奴等がすぐに来る。連れて行かれて、玩具にされて、最終的にはそういった場所に売られる。前にそう言われたから、間違えない。だから、何も必要ない。
「春名さんって。父親だろう……」
「本当の父親だったら良かったのに」
浮気を繰り返していた愚かな母親。あんなに優しい人なのに、悲しませていた莫迦な女。生まれた子を夫に本当の息子だと偽り、離婚した時に置き去りにした酷い奴。
「……なんだって?」
「俺は春名 忍の名前を名乗る資格はないから」
「意味が……」
「春名さんと俺は他人なの。戸籍上は親子でも、遺伝子的には全く接点がないんだ」
あの日から何時も居場所を探してた。探して探して探し疲れて、でも、見付からなくて。でも、春名さんが血の繋がりは関係ないって言ってくれた。でも、何時も心の中に蟠りがあった。本当にこの場所に居ていいのか? もしかしたら、幻で夢が醒めて薄暗い場所にいるんじゃないかって。
「あの女は春名さんを裏切った。俺と言う必要のない命をあの人に押し付けた。だから、彼奴等に狙われるのはアカのせいだけじゃない。多分、俺が必要な存在じゃないから、排除されようとしてるだけ」
口から零れた言葉が、胸を抉った。涙が出そうになったけど、無理矢理堪える。秋保さんは優しい人だから、絶対に同情するから。本当なら、学校すら行けなかった筈の俺。春名さんって庇護があったから、今の生活がおくれてた。護ってくれる盾が無くなれば、俺はあっという間に波にさらわれて闇に落ちる。
「短い間だったけど、守ってくれてありがとう。お世話にもなったし。春名さんにはきちんと連絡して、ちゃんと説明もするから大丈夫」
俯いて、顔を隠した。見せたら絶対に駄目だ。後ろ向きな心が顔に出てるから。ゆっくりベッドから降りようと床に足を付けようとした。
「待てよ。言っている意味が理解出来ない」
左腕を掴まれて、引き止められた。
「少しでも安心出来る場所に居たかっただけ。迷惑をかけてるのは分かってたけど、秋保さんの隣って居心地良かったから」
薄闇の中でも眉間に皺が寄ったのが分かった。きっと気が付いた。父さんを春名さんって言ったように、紫綺さんを秋保さんって言ったから。このマンションを出たらただの他人だ。アカともキョウとも、俺が関わった全てと決別する。期待を持たないように、断ち切らないといけない。
彼奴等は秋保さんが隣にいるから遠巻きに見てるだけだ。関係ないと分かれば、すぐにでも行動を起こす。
「俺は汚れてるから。だから、手を離してよ。もう、近付かないし、関わらないから」
強めに腕を引いたら、更に強い力で掴まれた。素直に指が肌に食い込んで痛い。
「如何して、自分を卑下する?」
「本当のことでしょう? 何人もの男に体を汚されて、まだ、狙われてるんだ。それは、俺自身が汚れているからだしさ」
あ、なんか心にヒビが入ったような気がした。そうか、貴羅さんが言ってたのはこのことか。遠回りって、予防線張ってたのにな。好きにならないように、心を傾けないように。でも、無理だよね。この人、優しすぎるんだ。春名さんみたいに。
「本当はさ。他人だって分かった時に家出するつもりだったんだ。それをさ。春名さんが察して、在宅で仕事するようになったの。本当に俺って迷惑な奴。居なくなれば、きっと次の相手を見付けられるし、本当の意味で子供も得られるし。俺さえ居なくなれば、本当はさ、全部解決なんだ」
時間が経てば、俺のことなんてすぐに忘れる。あの女がそうであるように。
「離してってば」
「離したら、居なくなるつもりだろう?」
「そうだけど。だから、面倒な俺は居なくなるって言ってるだろう。あんたにとったら、願ったり叶ったりだろう。困ってるの知ってたしさ。良かったじゃないか」
「ふざけるなよ!」
いきなり怒鳴られて、体がビクついた。この人でも怒鳴ることあるんだな。心臓が早鐘打ってる。
「こんなに震えてるのに、何強がってる?」
震えてなんて……。右手に視線を向けたら、小刻みに震えてた。そうだよな。全部失うんだ。俺まだ、未成年だし。未来が分かってるから、体が恐怖を感じてるんだ。そんなもの、いくら感じたって無駄なのにな。自分から切り捨てようとしてるのにさ。頭より体の方が素直なんて、有り得ないし。
「遼さんが心配しないとでも思ってるのか?」
「あの女みたいに忘れるから大丈夫だよ。俺にそんな価値はないんだし」
なるべく口調が暗くならないように心掛けた。秋保さんが何も感じないように。負担にならないように。こんな奴を守るだけ無駄だったって思われるように。
「離してって。邪魔なら直ぐにでも出てくしさ」
「……こんな夜中に出て行けば、同じ目に合うだろう」
「分かってるよ。もう、帰ってこれないって分かってるから。だから、荷物は処分してって」
「何も分かってないだろうが!」
強く腕を引かれて、組み敷かれた。驚いた。こんなに強引な行動を取られたことなかったから。俯いていた顔が露わになって、隠していた涙を思いっきり見られた。ヤバイって思っても既に遅くて。
「遼さんは居場所を奪ったりしてないだろう」
「だからだ! 罪悪感がどれだけ俺を苛んでるかなんて、あんたに分かるわけないだろう?! どんなに望んだって、絶対に手に入らないんだ! アカだってキョウだって、結局は別の人を選んだんだ! 春名さんだって、絶対にそうなる! 秋保さんだって同じだ!」
俺だって、最初は望んだんだ。無い物ねだりだって言われても、それでも欲しいから欲しいって、邪魔者扱いされても、それでも望んだんだ! 結局、俺に与えられたのは望んでいない彼奴等だけだった。あの、卑劣な奴等だけが俺を望んだんだ。
「違うだろうが!」
「じゃあさ、俺を抱けるわけ?! 汚れてる俺をさ! 出来もしないくせに、偽善ばかり押し付けるなよ!」
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