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10 ピアス02♦︎04(五箇視点)
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もう、なんと言うか、此処は異界だな。秋保の兄弟が見目麗しいことは知っていたが、俺は三兄弟だと思っていた。まさか、五兄弟だったとは。その二人も綺麗だとか、世の中、分からないもんだな。それに、この二人、秋保と同じかそれ以上に怖いと感じるんだ。
ゆっくりと扉の開く音が店内に響く。反射的に視線を向けると、そこに居たのは、また、綺麗な子だった。高校生くらいか? 黒髪黒瞳ではあるが、若干、赤味が強い。
「この時間に来るように言われてたから」
そう言いながら秋保弟の隣まで、躊躇いなくやって来た。本当に綺麗な子だな。雰囲気がほんわかしているせいなのか、威圧感が全くない。でも、 身長はあるな。
「これがそうなの?」
そう言いながら、ピアスに視線を向けた。キラキラと輝く表情は本当に微笑ましいな。
「兄さん達ばっかりマーキングするのは狡いから。そう言ったら、探してくれたんだ」
「でも、高いんでしょう?」
なんて言うか、癒されるな。それに、これが普通の反応だよな。
「魔王が出してくれたんだ。問題ない」
秋保、魔王って、それ、兄につけるあだ名と違うだろう?
「紫綺は最近、俺のこと魔王って言うよね?」
「じゃあ、帝王。どっちにしても、最強に変わりはない」
確かに色んな意味で最強そうだ。
「まあ、いいけどね。とりあえず、付けてみたら? 代金は払ったんだし」
本当に現金でお買い上げされるとか思わなかった。まあ、会社には何も言われないから、俺的には願ったり叶ったりだけど。
「雪兎、付けてあげるよ」
ん? 弟君が使うんじゃないのか?
「じゃあ、暁には僕が付けるね」
は? 待て、それはどういうことだ?
「何驚いてるんだ? このピアスはマーキング用なんだ」
さっき、弟君も言ってたな。ん? 秋保も秋保兄も左のみにピアスしてるな? まさか……。
「だから、半分お前のせいだと言っただろうが?」
「片方が恋人の左耳にあるのか?!」
「俺も貴羅もだ。最初に恋人に強制的に付けたのは貴羅だけどな」
待て……。目の前の子は確かに綺麗な顔してるが、体はどう見ても男だぞ。それも、高身長だ。
「前に俺が言ったこと、忘れたのか?」
前……。
「女とそういう仲にならないとか言ってたやつか?」
「そうだ」
「待てよ。この二人もそうだって言うのか?」
「俺より酷いんじゃないか? 親のことを馬鹿男、莫迦女と言ってるからな。彼奴等の血を残すなんて、世の中のためにならない」
脱力するわ。遺伝云々より、この、綺麗な見目の遺伝子が無くなるのか。それはそれで勿体ないよな。それに、頭も良いんだろう? 秋保が演技してないところを見ると、この二人はそういう意味でまんまを見てくれてんだろうな。居心地いい筈だ。
「じゃあ、お前の兄も恋人は男か?」
「まあな。しかも、年の差十三歳だ」
「十三!?」
おい、それ犯罪者。
「そう言う俺も七歳差だけどな」
……、もう、何も言うまい。いちいち驚いていたら、身がもたないな。此処は魔界認定だ。秋保が魔王とか言っていたが、間違いない表現だ。
俺達の会話など丸っと無視して、弟君とその恋人はピアスを付けあってるな。まあ、なんて言うか、似合ってる。弟君は色がイメージに合ってて、恋人は色白だから赤がよく映えている。
「貴羅さん、ありがとう」
本当にこの兄弟とは別の雰囲気だわ。本当に和むわ。
「似合ってて良かったよ」
なんて言うか、こう言う兄弟も良いのかもな。秋保が自然でいられる場所が有ったことが、何となく嬉しいな。今度は食事にでも来てみよう。
ゆっくりと扉の開く音が店内に響く。反射的に視線を向けると、そこに居たのは、また、綺麗な子だった。高校生くらいか? 黒髪黒瞳ではあるが、若干、赤味が強い。
「この時間に来るように言われてたから」
そう言いながら秋保弟の隣まで、躊躇いなくやって来た。本当に綺麗な子だな。雰囲気がほんわかしているせいなのか、威圧感が全くない。でも、 身長はあるな。
「これがそうなの?」
そう言いながら、ピアスに視線を向けた。キラキラと輝く表情は本当に微笑ましいな。
「兄さん達ばっかりマーキングするのは狡いから。そう言ったら、探してくれたんだ」
「でも、高いんでしょう?」
なんて言うか、癒されるな。それに、これが普通の反応だよな。
「魔王が出してくれたんだ。問題ない」
秋保、魔王って、それ、兄につけるあだ名と違うだろう?
「紫綺は最近、俺のこと魔王って言うよね?」
「じゃあ、帝王。どっちにしても、最強に変わりはない」
確かに色んな意味で最強そうだ。
「まあ、いいけどね。とりあえず、付けてみたら? 代金は払ったんだし」
本当に現金でお買い上げされるとか思わなかった。まあ、会社には何も言われないから、俺的には願ったり叶ったりだけど。
「雪兎、付けてあげるよ」
ん? 弟君が使うんじゃないのか?
「じゃあ、暁には僕が付けるね」
は? 待て、それはどういうことだ?
「何驚いてるんだ? このピアスはマーキング用なんだ」
さっき、弟君も言ってたな。ん? 秋保も秋保兄も左のみにピアスしてるな? まさか……。
「だから、半分お前のせいだと言っただろうが?」
「片方が恋人の左耳にあるのか?!」
「俺も貴羅もだ。最初に恋人に強制的に付けたのは貴羅だけどな」
待て……。目の前の子は確かに綺麗な顔してるが、体はどう見ても男だぞ。それも、高身長だ。
「前に俺が言ったこと、忘れたのか?」
前……。
「女とそういう仲にならないとか言ってたやつか?」
「そうだ」
「待てよ。この二人もそうだって言うのか?」
「俺より酷いんじゃないか? 親のことを馬鹿男、莫迦女と言ってるからな。彼奴等の血を残すなんて、世の中のためにならない」
脱力するわ。遺伝云々より、この、綺麗な見目の遺伝子が無くなるのか。それはそれで勿体ないよな。それに、頭も良いんだろう? 秋保が演技してないところを見ると、この二人はそういう意味でまんまを見てくれてんだろうな。居心地いい筈だ。
「じゃあ、お前の兄も恋人は男か?」
「まあな。しかも、年の差十三歳だ」
「十三!?」
おい、それ犯罪者。
「そう言う俺も七歳差だけどな」
……、もう、何も言うまい。いちいち驚いていたら、身がもたないな。此処は魔界認定だ。秋保が魔王とか言っていたが、間違いない表現だ。
俺達の会話など丸っと無視して、弟君とその恋人はピアスを付けあってるな。まあ、なんて言うか、似合ってる。弟君は色がイメージに合ってて、恋人は色白だから赤がよく映えている。
「貴羅さん、ありがとう」
本当にこの兄弟とは別の雰囲気だわ。本当に和むわ。
「似合ってて良かったよ」
なんて言うか、こう言う兄弟も良いのかもな。秋保が自然でいられる場所が有ったことが、何となく嬉しいな。今度は食事にでも来てみよう。
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