72 / 114
SS
16 元上司と元部下(忍視点)
しおりを挟む
父さんがお見合いパーティ? なるものに同僚に引っ張られていったことは知ってた。俺も反対する気は無かったし、それよりも、あの女のような莫迦に捕まらなきゃいいけど。って、逆に心配してた。
今日、うちに来るからと言われて、何故か紫綺さんまで来て欲しいって。如何してだろう?
自宅で対面した俺達四人。でも、固まった二人。固まったのは紫綺さんと父さんの相手の女性。
「……しょう子さん?」
「え? 紫綺君?」
名前で呼び合う二人に、当然、困惑顏の父さんと俺。
「遼さんの息子さんの恋人って、紫綺君なの?!」
「それより、会社は如何したんだ?」
「それよ。もう、紫綺君が居なくなったら、莫迦後継者がしゃしゃり出てきて、メチャクチャよ。私達は貴方が莫迦でも無能でもないこと知っていたから尚更、幻滅よ」
会話の内容から、会社の同僚、だったのかな?
「前から結婚はしないだの、さっさと会社辞めるだの言ってたし、驚きもしないけど、男に走るなんてね。まあ、見た目が中性的だし問題は感じないけど」
父さん、目を見開いてる。紹介以前の問題だよ。顔見知りとか、世間って狭い。
「紫綺さん。この人って?」
「林 しょう子。俺の実家の会社で働いてる元部下。この年まで仕事一筋。男っ気なしの男勝り。その辺の男なんか相手にならないキャリアウーマン。で、なんでまた結婚だ?」
紫綺さん、腕組んでしょう子さん? を睨みつけてる。
「簡単よ。あの会社を辞めるためよ。辞表を出したんだけど、紫綺君担当部署、貴方が辞めてから軒並み退職したのよ。私も辞めないと危険だと思ったんだけど、時すでに遅くて。もう、女性であることをフル活用して、結婚に逃げようかと思って。まあ、期待なんてしてなかったわ。所詮はお見合いイベント。でも、遼さんと出会って、男もいいなぁって」
しょう子さん。綺麗な人なのに、男を信用して無かったの。見た感じ、仕事が出来そうだけど。でも、父さんを見初めるなんて、趣味がいい。
「そこまで莫迦なのか」
紫綺さん。グッタリしてるね。そんなに上の兄さん、使えないんだ。
「紫綺君? しょう子さんとは?」
「単なる部下ですよ。もう、俺が入った時からいびり倒されて。部下ってより、上司張りでした。まあ、俺も大学卒業したばかりの青二才だったし。しょう子さんは三十路超えてたし。ビシバシしごかれて、仕事を覚えたんです」
「でも、紫綺君が語学に堪能じゃ無かったら、多分、誰も受け入れ無かったでしょうね?」
それに、としょう子さんが悪戯な笑みを浮かべた。
「その語学力のせいで、無能の仮面が剥がれちゃったんですものね」
紫綺さん。更にグッタリしてる。
「父さん。如何して紫綺さんも連れて来いって言ったの?」
話が進まなそうだし、勝手に打ち切っちゃえ! 思い出話は後でも出来るし。
「ああ。私が再婚したら、忍は紫綺君のマンションで暮らすって言ってただろう? その話をしたら、相手に会わせろって。それも、すごい剣幕で」
「当たり前よ。遼さんと結婚したら、息子さんは私の息子にもなるのよ。何処の馬の骨と同居するのか、確かめないと気が済まないわ!」
はい? 普通、連れ子って疎まれるんじゃないの? そう思って出て行こうとしたし、父さんには今度こそ、本当の子供と奥さんと幸せになってもらいたかっただけなんだけど。それに、しょう子さん、初婚だよね。そこんとこ、気にしないわけ?
「血が繋がっていようがいまいが関係ないわ! 遼さんが大切にしている息子さんは私にも大切な存在よ!」
えっと……。父さん、凄い人を捕まえたね。祝福するよ。この人逃したら、多分、いい人見付からないと思う。
「でも、紫綺君なら大丈夫ね。かなりの猫被りだけど、マトモだし」
「しょう子さんに言われたくないんだが」
「部署以外の会社の人間を騙し切った人が何を言いますか? 遼さん、私、貴方と一緒になりたいわ。ご家族も問題ありません」
思うに、父さんは断って欲しかったんじゃないかな? しょう子さんがいい人すぎて。気後れしたとみた!
「父をよろしくお願いします。少しボーっとしてるところがあるので、しょう子さんくらいしっかりした人じゃないと心配だったので」
莫迦女の次に出会ったのがしょう子さんで幸運だよ。紫綺さんの言い方もあれだったけど、信頼してる感じだったし。問題なさそうだし。さっさと籍入れて捕まえてよ。俺も安心出来るし。
今日、うちに来るからと言われて、何故か紫綺さんまで来て欲しいって。如何してだろう?
自宅で対面した俺達四人。でも、固まった二人。固まったのは紫綺さんと父さんの相手の女性。
「……しょう子さん?」
「え? 紫綺君?」
名前で呼び合う二人に、当然、困惑顏の父さんと俺。
「遼さんの息子さんの恋人って、紫綺君なの?!」
「それより、会社は如何したんだ?」
「それよ。もう、紫綺君が居なくなったら、莫迦後継者がしゃしゃり出てきて、メチャクチャよ。私達は貴方が莫迦でも無能でもないこと知っていたから尚更、幻滅よ」
会話の内容から、会社の同僚、だったのかな?
「前から結婚はしないだの、さっさと会社辞めるだの言ってたし、驚きもしないけど、男に走るなんてね。まあ、見た目が中性的だし問題は感じないけど」
父さん、目を見開いてる。紹介以前の問題だよ。顔見知りとか、世間って狭い。
「紫綺さん。この人って?」
「林 しょう子。俺の実家の会社で働いてる元部下。この年まで仕事一筋。男っ気なしの男勝り。その辺の男なんか相手にならないキャリアウーマン。で、なんでまた結婚だ?」
紫綺さん、腕組んでしょう子さん? を睨みつけてる。
「簡単よ。あの会社を辞めるためよ。辞表を出したんだけど、紫綺君担当部署、貴方が辞めてから軒並み退職したのよ。私も辞めないと危険だと思ったんだけど、時すでに遅くて。もう、女性であることをフル活用して、結婚に逃げようかと思って。まあ、期待なんてしてなかったわ。所詮はお見合いイベント。でも、遼さんと出会って、男もいいなぁって」
しょう子さん。綺麗な人なのに、男を信用して無かったの。見た感じ、仕事が出来そうだけど。でも、父さんを見初めるなんて、趣味がいい。
「そこまで莫迦なのか」
紫綺さん。グッタリしてるね。そんなに上の兄さん、使えないんだ。
「紫綺君? しょう子さんとは?」
「単なる部下ですよ。もう、俺が入った時からいびり倒されて。部下ってより、上司張りでした。まあ、俺も大学卒業したばかりの青二才だったし。しょう子さんは三十路超えてたし。ビシバシしごかれて、仕事を覚えたんです」
「でも、紫綺君が語学に堪能じゃ無かったら、多分、誰も受け入れ無かったでしょうね?」
それに、としょう子さんが悪戯な笑みを浮かべた。
「その語学力のせいで、無能の仮面が剥がれちゃったんですものね」
紫綺さん。更にグッタリしてる。
「父さん。如何して紫綺さんも連れて来いって言ったの?」
話が進まなそうだし、勝手に打ち切っちゃえ! 思い出話は後でも出来るし。
「ああ。私が再婚したら、忍は紫綺君のマンションで暮らすって言ってただろう? その話をしたら、相手に会わせろって。それも、すごい剣幕で」
「当たり前よ。遼さんと結婚したら、息子さんは私の息子にもなるのよ。何処の馬の骨と同居するのか、確かめないと気が済まないわ!」
はい? 普通、連れ子って疎まれるんじゃないの? そう思って出て行こうとしたし、父さんには今度こそ、本当の子供と奥さんと幸せになってもらいたかっただけなんだけど。それに、しょう子さん、初婚だよね。そこんとこ、気にしないわけ?
「血が繋がっていようがいまいが関係ないわ! 遼さんが大切にしている息子さんは私にも大切な存在よ!」
えっと……。父さん、凄い人を捕まえたね。祝福するよ。この人逃したら、多分、いい人見付からないと思う。
「でも、紫綺君なら大丈夫ね。かなりの猫被りだけど、マトモだし」
「しょう子さんに言われたくないんだが」
「部署以外の会社の人間を騙し切った人が何を言いますか? 遼さん、私、貴方と一緒になりたいわ。ご家族も問題ありません」
思うに、父さんは断って欲しかったんじゃないかな? しょう子さんがいい人すぎて。気後れしたとみた!
「父をよろしくお願いします。少しボーっとしてるところがあるので、しょう子さんくらいしっかりした人じゃないと心配だったので」
莫迦女の次に出会ったのがしょう子さんで幸運だよ。紫綺さんの言い方もあれだったけど、信頼してる感じだったし。問題なさそうだし。さっさと籍入れて捕まえてよ。俺も安心出来るし。
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
死ぬほど嫌いな上司と付き合いました【完結】
三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。
皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。
涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥
上司×部下BL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる