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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
064 本当に行く気か?!
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「じゃあ、行こうか」
「本当に行く気かよ?」
「そのつもりだよ。でもその前にお土産を買わないと」
なんでこんなに楽しそうなんだよ。しかも、俺が着てる服は、いつぞやの買い物のときに、副会長と嬉々として選んでいたものだ。拒絶したんだけどさ、却下された! なんでだ?!
今日はルイの左肩にクレナイがいて、俺の頭の上にはベニが鎮座してる。荷物らしい荷物を持ってるように見えねぇんだけど、ルイ曰く、手に持っている小さめのトランクは見た目に反してかなりの収納能力があるらしい。つまりだ、魔法で拡張してあるんだよな。なんでもありすぎて、マジについていけねぇよ。
部屋を出て直ぐ顔を合わせたのはユエと副会長。若干、ユエが疲れた顔してるから、副会長と服で一戦交えたんだな。どう見ても、ユエの趣味じゃない感じだし。
「今日出発?」
ルイがユエと言うより、副会長に問い掛ける。
「そう。そっちも?」
「そうだよ。まあ、なるべく早く帰ってくる予定ではあるけど」
「どうして?」
「サクヤの勉強には寮の部屋が一番だからね。挨拶は必要だし、いい機会だから行くんだけど、勉強が最優先だしね」
オレ、ルイの言葉に吃驚だ。確かに勉強はしないとだけど。
「大変だな」
「そうでもないよ。教えること自体は苦痛じゃないし。サクヤ自身が覚えようとしてるから」
ルイって、根気強いんだなぁ、と最近思うんだよな。オレは基本的にお頭がよろしくない。莫迦ではないと思うけどさ。一回聞いたくらいでは理解できない。頓珍漢なことも絶対訊いてる筈なんだ。それなのに、丁寧に教えてくれる。
「そっちは夏休みはいっぱい?」
「そのつもりだよ。ユエはそれなりの成績だから問題ないしね」
そうなんだよな。ユエって何気に賢いんだよな。そのせいで、かなり呆れられたんだけどさ。
学校の門まで四人で歩いて移動して、それぞれ、移動魔法で目的地に向かう。ルイがお土産って言っていたのを思い出す。
「あら。いらっしゃい。待ってたわよ」
……この人はいつぞやの女言葉のルイの知り合い。見た目は立派な男。でも、女言葉。違和感がやっぱり、半端ない。
「頼んでいたものは?」
「もちろん、用意済みよ。嬉しいわ。私達の店を利用してくれて」
「美味しい店はここしか思いつかなかったから」
「もう、本当にいい子ね。で、その子のご両親にご挨拶なのかしら」
店の一室に案内されて、出された飲み物。爽やかな酸味が喉を潤す。これ、美味しい。
「魔法省から特例で正式に婚姻が認められたから。挨拶は必要だと思って」
「あらあら! 更におめでたいじゃない! そういうことは早く言ってくれないと」
そう言うと慌ただしく姿を消した女言葉の男の人。
「あのさ。あの人、どういう知り合い?」
「両親の友人」
「それは聞いて知ってるけどさ。あまりにもインパクトが」
「ああ。同性で婚姻してる話もしたよね。もともとの言葉使いについても」
「それも聞いたけどさ」
「学友だったみたいだよ。私が生まれたときに大騒ぎになって、そのときに両親を支えてくれた人みたいなんだ。二人には子供がいなくてね。私を子供のように可愛がってくれてるんだよ」
だから、ルイが来ると嬉しそうなのか。つまりさ、卵から子供が孵化しなかったんだな。やっぱり、そう言うこともあるんだな。
「……ルイはさ。もしかして両親より、あの人の方が会ってる回数多いんじゃねぇの?」
俺の言葉にルイは目を見開く。
「どうして?」
「なんとなく、自然な感じだから。両親の話をしてるよりもさ」
ルイは小さく息を吐き出した。
「変なとこばかり目聡いね」
困ったような顔がオレを見据えていた。
「本当に行く気かよ?」
「そのつもりだよ。でもその前にお土産を買わないと」
なんでこんなに楽しそうなんだよ。しかも、俺が着てる服は、いつぞやの買い物のときに、副会長と嬉々として選んでいたものだ。拒絶したんだけどさ、却下された! なんでだ?!
今日はルイの左肩にクレナイがいて、俺の頭の上にはベニが鎮座してる。荷物らしい荷物を持ってるように見えねぇんだけど、ルイ曰く、手に持っている小さめのトランクは見た目に反してかなりの収納能力があるらしい。つまりだ、魔法で拡張してあるんだよな。なんでもありすぎて、マジについていけねぇよ。
部屋を出て直ぐ顔を合わせたのはユエと副会長。若干、ユエが疲れた顔してるから、副会長と服で一戦交えたんだな。どう見ても、ユエの趣味じゃない感じだし。
「今日出発?」
ルイがユエと言うより、副会長に問い掛ける。
「そう。そっちも?」
「そうだよ。まあ、なるべく早く帰ってくる予定ではあるけど」
「どうして?」
「サクヤの勉強には寮の部屋が一番だからね。挨拶は必要だし、いい機会だから行くんだけど、勉強が最優先だしね」
オレ、ルイの言葉に吃驚だ。確かに勉強はしないとだけど。
「大変だな」
「そうでもないよ。教えること自体は苦痛じゃないし。サクヤ自身が覚えようとしてるから」
ルイって、根気強いんだなぁ、と最近思うんだよな。オレは基本的にお頭がよろしくない。莫迦ではないと思うけどさ。一回聞いたくらいでは理解できない。頓珍漢なことも絶対訊いてる筈なんだ。それなのに、丁寧に教えてくれる。
「そっちは夏休みはいっぱい?」
「そのつもりだよ。ユエはそれなりの成績だから問題ないしね」
そうなんだよな。ユエって何気に賢いんだよな。そのせいで、かなり呆れられたんだけどさ。
学校の門まで四人で歩いて移動して、それぞれ、移動魔法で目的地に向かう。ルイがお土産って言っていたのを思い出す。
「あら。いらっしゃい。待ってたわよ」
……この人はいつぞやの女言葉のルイの知り合い。見た目は立派な男。でも、女言葉。違和感がやっぱり、半端ない。
「頼んでいたものは?」
「もちろん、用意済みよ。嬉しいわ。私達の店を利用してくれて」
「美味しい店はここしか思いつかなかったから」
「もう、本当にいい子ね。で、その子のご両親にご挨拶なのかしら」
店の一室に案内されて、出された飲み物。爽やかな酸味が喉を潤す。これ、美味しい。
「魔法省から特例で正式に婚姻が認められたから。挨拶は必要だと思って」
「あらあら! 更におめでたいじゃない! そういうことは早く言ってくれないと」
そう言うと慌ただしく姿を消した女言葉の男の人。
「あのさ。あの人、どういう知り合い?」
「両親の友人」
「それは聞いて知ってるけどさ。あまりにもインパクトが」
「ああ。同性で婚姻してる話もしたよね。もともとの言葉使いについても」
「それも聞いたけどさ」
「学友だったみたいだよ。私が生まれたときに大騒ぎになって、そのときに両親を支えてくれた人みたいなんだ。二人には子供がいなくてね。私を子供のように可愛がってくれてるんだよ」
だから、ルイが来ると嬉しそうなのか。つまりさ、卵から子供が孵化しなかったんだな。やっぱり、そう言うこともあるんだな。
「……ルイはさ。もしかして両親より、あの人の方が会ってる回数多いんじゃねぇの?」
俺の言葉にルイは目を見開く。
「どうして?」
「なんとなく、自然な感じだから。両親の話をしてるよりもさ」
ルイは小さく息を吐き出した。
「変なとこばかり目聡いね」
困ったような顔がオレを見据えていた。
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