銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

237 首は突っ込まない

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 あの後、ルイは慌ててライカに連絡を取った。たまたま、採集に出かけていなかったライカ。直ぐに魔法省に足を運んでくれた。
 
 オレとルイの立場は確かに魔法省の職員ではあるけど、少しばかり特殊な立ち位置だ。これは、家業が魔法省管轄だとそうらしい。が、家業持ちの魔法使いとオレ達の違いは、家業に振り分けられたとしても、初代だってことだ。それと、魔法大臣がやたらと直接関わりを持ってくる点。要は振り回されているってことなんだけど。
 
「どうして、許可するかな?」
 
 ルイが腕を組み半眼でライカを睨み付ける。
 
「良い申し出だと思ってね」
「誰かが認めれば、私達も認めざる得なくなるんだけど」
「ルイが納得しなくても、大臣は突き通すと思うけどね」
 
 確かにその通りだとは思うけどさ。
 
「それと、ユエが一人になる確率が高いのは事実だし。子供ができれば母が手を貸してはくれるだろうけど、不安だと思うんだ」
 
 どう言うことだよ?
 
「この前のパーティで思ったよ。ルイの妹とクチバさんの子が自然に遊んでたでしょう? 担任の子とコウガの弟は引き摺られたんだとは思うけど楽しそうだった。あの姿は今の魔法使いの子達にはあり得ない姿だよ」
 
 オレの感覚的にはあれが普通なんだけどな。そうか、魔法使いの中では普通じゃないのか。
 
「それで?」
「できれば俺達の子もその中で育てたいんだよ。結局、性別は別にしても特Aの子達でしょう?」
「絶対ではないだろうけど、強い魔力は持つと思うよ。サクヤのご両親の例もあるしね」
 
 そうなんだよ。祖先は確かに魔力が強かったはずなのに、オレの両親に宿る魔力は極々微量。それも、強い魔力を持つ魔法使いがやっと分かるレベルだ。
 
「それも理解してる。俺の両親にも相談したんだ。パーティの時の状況も話して。一人で育つより、魔力の扱いを自然に覚えてると思う。教えているわけではないんでしょう?」
「そうだね。教えてはいないと思うよ。母さんもそんなことはしてなかったしね」
 
 どう言うことだ? オレ、さっきから疑問ばっかりだよ。
 
「俺は親から魔力の扱いの大切さを嫌ってほど叩き込まれたんだ。自然に身に付けてるわけじゃないしね。苦痛だった。確かに自分の中にある力に違いはなくても、自然に学ぶことと強制では感じ方も違うんだ」
「そうなの?」
「ルイは違うの?」
「私の場合、魔力が勝手に従ってくれた感じだからね」
 
 ルイはどこまでいっても特殊なんだな。まあ、オレは両親の話で立派に暴走してたみてぇだけど。それもルイの魔力が押さえ込んでたしさ。努力のどの字もしたことねぇよ。
 
「やっぱり珍獣だね」
「はっきり失礼だね」
「そう言うことで、大臣の申し出を受けたんだよ。ユエも気心の知れた人といる方が気も楽で楽しいだろうし」
「そうなると、ライカの仕事が増えるんだけどね」
 
 ライカがスッと目を細めた。
 
「分かってるよ。水晶でしょう?」
 
 ルイが頷いた。
 
「ドラゴンの心臓があるけど、それと今まで用意してくれた水晶はあくまで封印の館で使用するんだよ。今回は魔法大臣が勝手に決めたわけだし、代金は魔法省の方から払ってもらうから。手当たり次第に集めてくれる? 住む魔法使いのいなくなった屋敷を持ってくるみたいでね」
「屋敷が納得するの?」
「させるんでしょう? 私達もそこまで面倒は見切れないからね」
 
 やっぱり屋敷が生きてるんだな。納得って、どうやって説得すんだろう? ん?
 
「疑問を持ってるみたいだけど、首を突っ込まないでよ。仕事を増やしたくないからね」
 
 あ……、心読まれてた。
 
 
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