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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
238 あっちと、こっち
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結局のところオレ達以外は受け入れた現実にルイは溜め息を吐いた。確かに魔法大臣が言っていることも理解できるし。
たださ、一つだけ疑問だったのがクレハさんとカエデさん。実はカエデさんの実家の屋敷に住むってことをオレ達は知らなかったんだ。当然、ルイは本人達に訊いた。
「耳に入ったのか?」
「大臣が」
「前から考えていたんだ。この屋敷はルイに継いでもらいたいが、ツバキが孵化した頃にカエデと話したんだよ」
ルイの他に子供を得られるとは考えていなかったクレハさんとカエデさん。ツバキが卵の中で順調に育ち始めて、考えたんだと。
「あの場所は特殊な場所だ。結界もツバキが初等部に入ってから張るだろう? そうなると、ツバキは自由に自宅に帰れなくなる」
「そうだね。ここに住む誰かに連れて来てもらわないと帰ってこれないよ。もしくは、印なりを刻むことになるけど」
「そうだ。ツバキはルイとサクヤに会いたがるだろうが、居を移した方が良いだろうということになったんだ」
ただ、魔法大臣からオレ達が育てる人がいなくなった子達を育てることを聞いた二人。結界を張るときにはこの屋敷の中にいることにしたそうだ。手が空いた時に、いつでも手伝いに訪れるように。
「それを魔法大臣には?」
「話してはいない。できればもう、魔法省とは本当の意味で関わり合いたくないからな。手伝うことを話せば、魔法省はオレとカエデにも給金を払うように手配する。それは勘弁してもらいたい。あくまで、手伝いだからな」
「……そう」
ルイの表情が少しだけ曇った。そうだよな。やっと普通に接することができるようになったんだ。それなのに、離れて暮らすことになる。
「何が言いたいのかは分かるが、ツバキが帰ってくる長期休暇はあちらの屋敷で生活する。学校にツバキが戻れば俺達はこっちの屋敷で生活することになる。行ったり来たりだが、この方がツバキが成人した後、住む場所を奪わないで済むからな」
クレハさんの言葉にルイは思いっきり目を見開いた。オレも驚いたけど。
「こっちにもいてくれるの?」
「当たり前だ。まず、カエデがな、ツバキよりルイなんだ。どうしてか分かるか?」
ルイが緩く首を横に振る。
「あの子はたくさんの愛情の中で育った。友達だと言える同年代の子もいる。でもな、その姿を見ているルイがなぜか寂しそうに映る。カエデはそう言うんだ」
そうか。ルイは無意識に比べてるんだ。自分とツバキの境遇を。片や隔離され、片や多くの大人達の中で育った。その両極端とも言える境遇の違い。
「ルイは成人して大人だ。自活もできてる。それでも、俺達にしたら子供であることに変わりはないんだ」
クレハさんはおもむろに、身長の変わらないルイの頭を撫でた。ルイもその手を払い除けたりはしなかった。
「それに、持ってる仕事量が半端じゃないだろう? 大臣も何を考えてるのか。ただでさえ、厄介な面倒ごとを押し付けるだけ押し付けときながら、更に押し付ける神経が分からん」
あ……、それ、オレ達も思ってるから。
「なんにしても、これからのことはこれからの話だ。ツバキは?」
「部屋で寝てると思う。父さんが帰ってくるまで起きてるって我が儘言ってたけど、母さんが寝かしつけに行ったから」
「俺の帰ってくる時間が遅いからな。小さいうちは寝てもらわないと」
そう言ったクレハさんの顔が少しだけ寂しそうだった。そうだよな。いつも寝顔とか、頭ボサボサな起き顏だし。それ以前に、先に寝たツバキよりクレハさんの方が起きるの早いんだよな。ただ単に、ツバキが寝坊助なだけなのか?
たださ、一つだけ疑問だったのがクレハさんとカエデさん。実はカエデさんの実家の屋敷に住むってことをオレ達は知らなかったんだ。当然、ルイは本人達に訊いた。
「耳に入ったのか?」
「大臣が」
「前から考えていたんだ。この屋敷はルイに継いでもらいたいが、ツバキが孵化した頃にカエデと話したんだよ」
ルイの他に子供を得られるとは考えていなかったクレハさんとカエデさん。ツバキが卵の中で順調に育ち始めて、考えたんだと。
「あの場所は特殊な場所だ。結界もツバキが初等部に入ってから張るだろう? そうなると、ツバキは自由に自宅に帰れなくなる」
「そうだね。ここに住む誰かに連れて来てもらわないと帰ってこれないよ。もしくは、印なりを刻むことになるけど」
「そうだ。ツバキはルイとサクヤに会いたがるだろうが、居を移した方が良いだろうということになったんだ」
ただ、魔法大臣からオレ達が育てる人がいなくなった子達を育てることを聞いた二人。結界を張るときにはこの屋敷の中にいることにしたそうだ。手が空いた時に、いつでも手伝いに訪れるように。
「それを魔法大臣には?」
「話してはいない。できればもう、魔法省とは本当の意味で関わり合いたくないからな。手伝うことを話せば、魔法省はオレとカエデにも給金を払うように手配する。それは勘弁してもらいたい。あくまで、手伝いだからな」
「……そう」
ルイの表情が少しだけ曇った。そうだよな。やっと普通に接することができるようになったんだ。それなのに、離れて暮らすことになる。
「何が言いたいのかは分かるが、ツバキが帰ってくる長期休暇はあちらの屋敷で生活する。学校にツバキが戻れば俺達はこっちの屋敷で生活することになる。行ったり来たりだが、この方がツバキが成人した後、住む場所を奪わないで済むからな」
クレハさんの言葉にルイは思いっきり目を見開いた。オレも驚いたけど。
「こっちにもいてくれるの?」
「当たり前だ。まず、カエデがな、ツバキよりルイなんだ。どうしてか分かるか?」
ルイが緩く首を横に振る。
「あの子はたくさんの愛情の中で育った。友達だと言える同年代の子もいる。でもな、その姿を見ているルイがなぜか寂しそうに映る。カエデはそう言うんだ」
そうか。ルイは無意識に比べてるんだ。自分とツバキの境遇を。片や隔離され、片や多くの大人達の中で育った。その両極端とも言える境遇の違い。
「ルイは成人して大人だ。自活もできてる。それでも、俺達にしたら子供であることに変わりはないんだ」
クレハさんはおもむろに、身長の変わらないルイの頭を撫でた。ルイもその手を払い除けたりはしなかった。
「それに、持ってる仕事量が半端じゃないだろう? 大臣も何を考えてるのか。ただでさえ、厄介な面倒ごとを押し付けるだけ押し付けときながら、更に押し付ける神経が分からん」
あ……、それ、オレ達も思ってるから。
「なんにしても、これからのことはこれからの話だ。ツバキは?」
「部屋で寝てると思う。父さんが帰ってくるまで起きてるって我が儘言ってたけど、母さんが寝かしつけに行ったから」
「俺の帰ってくる時間が遅いからな。小さいうちは寝てもらわないと」
そう言ったクレハさんの顔が少しだけ寂しそうだった。そうだよな。いつも寝顔とか、頭ボサボサな起き顏だし。それ以前に、先に寝たツバキよりクレハさんの方が起きるの早いんだよな。ただ単に、ツバキが寝坊助なだけなのか?
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