婚約破棄されましたが、無駄に戦闘能力があるせいで王太子の婚約者になりました。そのせいで厄介事が更に羽根を生やしてやって来ました。

善奈美

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一章 とある令嬢の本音と誤算

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 彼女は今、多くの視線に晒されていた。癖のない流れるような黒髪と薄い水の瞳。シミ一つない肌は透明感のある白。まだ、あどけなさの残る顔は美しさと可愛らしさを併せ持っていた。ほっそりとした立ち姿は儚くさえ見える。はっきり言おう。彼女に全く非はない。彼女の父は国の中で重要な役職に就いている。そして、兄は王族、しかも王太子の近衛騎士を務めている。
 
「婚約の解消を」
 
 そう切り出したのはこの国の第三王子。彼女の婚約者だ。
 
 彼女の名前はリラ。リラ・クラリエス=リストル。リストル公爵の息女だ。果たして、こんな事が許されるのか。本来なら、父であるリストル公爵が黙ってはいないだろう。しかし、父はこの婚約解消をある意味、容認していた。理由はただ一つ。第三王子の能力があまりに残念なのだ。そして、リラの年の離れた兄も、この婚約には大反対だった。何より王子はかなりの遊び人でまた、抑えの効かない我が儘な性格をしていた。取り柄といえば容姿だけなのである。何より王子は別の令嬢を婚約者にと望み、リラを平気で傷物にしたのである。公爵令嬢が婚約を一方的に解消されるなど、本来ならあってはならないのだ。
 
「よろしいですわよ。私、この婚約に未練はこれっぽっちもありませんわ。何より、今までどれだけ我慢していたか。お分かりになるかしら。どれ程、ご注意申し上げても、理解なさらない。少なくとも、王家の方でいらっしゃるのですから、それなりに、ご身分とご自身が発する言葉の影響力を考えて頂きたかったですわ」
 
 痛烈に言い放ったリラ。周りの大人達は騒めく。王子から婚約を解消される。それは、将来、嫁の貰い手がないという事だ。
 
「私、結婚に夢は持っておりませんもの。この婚約にしても、周りが勝手にお決めになったと両親が申しておりました。私、領地に帰りますわ。勿論、社交の場には金輪際参加はいたしません。だって、王族から切られたのですもの」
 
 そうでしょう? と、小首を傾げリラは周りに問い掛ける。この場に国王も参加しているが、無表情でただ、話しを聞いているだけだ。リラはその国王の表情に、この虚しいだけの茶番劇に嫌気がさしているとはっきり読み取れた。分かっていないのは当の本人。第三王子だけである。
 
「リラよ。本当に良いのか?」
 
 国王は疲れたようにリラに問い掛けた。
 
「勿論ですわ。ああ、でも、お兄様の婚礼の儀には参加出来ませんのね。それが残念ですわ。遠い領地で恙無く幸せになられる事を祈るしかありませんのね」
「其方は何も悪くはないだろう。悪いのは第三王子ボンクラだ」
「陛下も心労でお倒れにならないでくださいませ。それに王太子殿下はまだ、お妃様を選ばれてはいないですが、素晴らしい方だと思いますわ。文武に秀でられ、市井の者とも分け隔てなく交流出来る。どこかの第三王子ボンクラとは大違いですわ。それに第二王子殿下も王太子殿下の役に立とうと必死で勉強されていますし、本当にご兄弟とは思えませんわ」
 
 そうなのだ。上の二人の王子は優秀で有能。見目も麗しく、ついでに頭まで良い。普通なら武は苦手と思いきや、護衛など必要ない程に素晴らしい腕前なのである。リラにコテンパンに言われている第三王子だが、上の二人が優秀であり正妃の産んだ王子である。だが、第三王子は側妃の産んだ王子。つまり、重要視されなかったせいで、甘やかされまくったのである。
 
 何故、リストル公爵令嬢を婚約者に据えたのか。その理由を第三王子は考えなかったのだ。つまり、リストル公爵を後ろ盾にする予定であったのだろう。しかし、第三王子が婚約者にと望んだのは男爵令嬢。身分的には釣り合わないのである。まさしく、己の立ち位置を全く理解していない愚か者なのである。
 
 この場にいる大人はこの国の重臣である。つまり、リラを断罪しているようで、その実、断罪されているのは第三王子なのだ。周りはそれを理解している。晴れ晴れとしたリラの表情に、第三王子の将来は詰んだと思った者は一人や二人では無い筈である。
 
「そうですわ。一つ、ご忠告申し上げてもよろしいでしょうか?」
 
 リラはこれまで以上に晴れやかな微笑みを浮かべる。
 
「申してみよ」
「殿下が望まれてる方ですが、既にご結婚されていましてよ。確かに男爵令嬢ですが、あそこの領地は気候にも恵まれず、かなり経営が厳しいのです。そのせいだとは思いますが、確か大商人の嫡男に嫁がれた筈ですわ。少し調べれば分かりますわよね?」
 
 リラの落とした爆弾に過剰に反応したのは第三王子だけだった。つまりは、きっちりと調べはついていた、という事になる。
 
「流石ですわね。陛下は知っていらしたのですね」
「そうだ。既婚者に熱を上げるなど以ての外。愚かであると知ってはいたが、まさか、人妻に入れ込むとは。流石の側妃も嘆いていた。甘やかしすぎたとな」
「まあ、やっと学習されたのですね。ご自分の息子がお馬鹿だと、やっと納得なさったのですね」
 
 リラは更に弾んだ声で楽しげに言い切った。これには流石のリストル公爵も右手で顔を覆い、あからさまに溜め息を吐いてみせた。周りはそんな公爵に同情の視線を投げかける。
 
「後、もう一つ。これは完全に私の我が儘なのですが」
 
 リラは満面の笑みを見せる。事前に第三王子との婚約解消は知らされていた。その時、父と兄に告げたのだが却下されてしまった。リラとしてはどうしても認めてもらいたかったのだ。王族から婚約を破棄されるのは、貴族の令嬢にしてみれば致命的な瑕疵になる。当然、それ以上の地位にいる者との婚約以外では払拭されない。つまり、王族であり、かつ、第三王子より上の身分の者。そんな者からの求婚など受けられる筈もない。かといって、実家で燻っているのも性に合わない。領地に引き篭もるとは言ったが本心ではないのだ。
 
「私、騎士になりとうございます!」
 
 両手を組み、これ以上ない笑みを向ける。流石の国王も何より、周りにいる重臣達も唖然である。武器一つ持ったことのないご令嬢が騎士になりたいなどと、無理に決まっている。
 
「あら、何か勘違いされてませんこと。私これでも、お父様、いいえ、父上と兄上を負かす腕くらい持ってる」
 
 いきなり変わった言葉遣いと気配。それにあからさまに表情を変えたのはリストル公爵と、妹であるリラの審問という事で参加を許された兄だった。
 
 リラははっきり言うと野生児だ。れっきとしたリストル公爵令嬢ではあるが、彼女の母、リストル公爵夫人が身を守るためとリラに剣術を習わせたのだ。それが何故だか、兄よりもすざましい腕なのである。
 
「面白い」
 
 静まり返った場内に響いたのは一つの声。その声は国王の隣。リラは鋭い視線をその声の主に向ける。
 
「では、そこまで言うのなら見せてもらいましょう。その腕とやらを」
「殿下! お戯れは! それに妹は令嬢です!」
 
 鋭い悲鳴に近い声を上げたのはリラの兄だった。
 
「確かに、普通ならあり得ないだろう。だが、彼女が何故、その結論に達した? 原因は第三王子ボンクラ、つまりは私の弟の浅はかさだ。何故、リストル公爵があの無能者に大切な娘を差し出した? その理由を考えず勝手に婚約解消。彼女にもそれなりの我が儘を通す権利があるではないか」
 
 王太子が言っているのは正論だろうが、その声音は完全に面白がっていた。リラは令嬢らしからぬ表情を王太子に向ける。つまりは不敵に笑ってみせたのだ。
 
「ならば、お相手を。王太子殿下におかれましては、この国でトップの腕を持つと伺っています」
「いいだろう」
 
 周りは騒めきに包まれる。王太子は立ち上がると、リラを伴い騎士の訓練場に足を向けた。当然、周りは止めたのだが、二人はどこ吹く風だ。
 
 いきなり現れた王太子と令嬢に訓練をしていた騎士達が色めき立つ。
 
「剣は訓練用の刃を潰したものを使う。それで、そのドレス姿でやり合うのか?」
「ご冗談を。私はこうなる予定でいたから、ドレスの下に動きやすい服を着ている。少しドレス姿と言うには違和感があるとは思いませんでしたか?」
「確かに。では、用意を」
 
 王太子が促すと、リラは最初に頭に手をかけた、ズルリと髪が外れる。騎士達は少し引き攣った表情を見せたが、それが鬘だと気が付くとあからさまに息を吐き出した。そこから現れたのは、男性よりも短く切りそろえられた頭髪。躊躇いなく脱ぎ捨てたドレスの下には男性が着るズボンとシャツ姿。靴は元々、ブーツを履いていたようだ。
 
 王太子は不敵に笑い、リラに模擬戦用の剣を投げてきた。それを難なく受け取り、リラはただ、ゆったりと立つ。
 
「魔法を使っても?」
 
 リラは一言、王太子に告げる。王太子は少し目を見開いた。まさか、剣技だけではなく魔法にも長けているのか。その思いが大きかったからだ。
 
「必要か?」
「どんなに頑張っても、筋力では男には敵わない」
「では、許可しよう」
 
 二人は互いに向かい合う。王太子もジャケットを脱ぎ捨てた。リラの兄は諦めたように二人の間に立つ。騎士達は何が起こっているのか分かっていない。何故なら、この場に国王だけではなく、主だった重臣が集まっているからだ。
 
「リラ。分かっているな。この方はこの国の王太子殿下だ。傷一つ付けるなよ」
「それは命令?」
「当たり前だ。お前はやると言ったら、手加減なくやるからな。うちの領地の騎士達がどれだけ大変な目にあってると思ってる」
「分かった」
 
 兄妹のやり取りに王太子は好奇心に瞳を輝かせた。
 
「殿下。そこは喜ぶところではありませんよ」
 
 リラの兄はあからさまに溜め息を吐き、真剣を抜いた。
 
「勝負がついたと私が判断したらそこで終わりだ。始め!」
 
 リラの兄が剣を掲げると二人は動いた。リラは王太子に力と体力で勝てないことをすぐに見破っていた。勝てるのは素早さくらいだろう。王太子の剣を難なく受け止め、受け止めると同時に魔法を唱える。王太子は剣と同時に繰り出された魔法に一瞬、表情を変えたが直ぐに対応し、軽いステップでリラの一撃を避けてみせた。
 
「とんでもない戦法で来るな」
「領地の騎士達に鍛えられましたから」
「それはそれは」
「女が非力である事くらい理解してる」
 
 リラは言うなり、自身に結界を張った。魔法無効。攻撃無効。盾を持たないからこその魔法防御だ。大地を蹴ると王太子に襲いかかる。何度となく撃ち合い、王太子は眉間に皺を寄せた。リラの攻撃は確かに、一、二度ならばあしらうのも簡単だろう。しかし、魔法攻撃に加え、自身に掛けられた防御系の魔法。何より、その速さについていけなくなるのだ。
 
「……参った。下手な騎士より厄介だな」
「やめ!」
 
 王太子のその言葉に、リラの兄は二人に剣を下げるように言った。リラは少し不服ではあったが、素直に剣を下げる。同時に王太子に掛けていた防御の魔法を解いた。王太子はいきなりきた感覚の違いに目を見開く。まさか、リラが自分自身だけではなく、王太子にも結界を張っていたと気がついていなかったのだ。
 
 王太子は息が上がっていたにも関わらず喉の奥で笑う。まさか、兄の言い付けを守っていたとは。
 
「完全に私の負けだな。守られていては完全に完敗だ」
 
 王太子の言葉に周りは騒めく。
 
「何をしたんだ?」
 
 リラの兄は訝し気にリラを見下ろす。
 
「傷一つ付けるなと命令したのは兄上。だから、私に結界を張ると同時に、殿下にも掛けた」
 
 事もなげに言ってのけたリラに誰もが驚愕に目を見開く。リラの言葉に脱力したのは父と兄くらいだ。規格外の妹を持つ家族の苦労は如何許りか。
 
「優秀な魔法騎士だな。それに、型に色々なものが混ざっている。リストル公爵家の騎士のものだけではないな?」
「母の実家の騎士にも楯突いていましたから」
「敵はどこから攻めてくるかわからない。流儀などに拘って命を落とす方が愚かだろう?」
 
 リラの言葉遣いに兄は諦めたのか軽く頭を振った。その様子に笑い声を上げたのは王太子だ。それを見ていた重臣と騎士達は開いた口が塞がらない様子だが、国王は違った。
 
「面白い。よし、決めた。リラよ。今日をもって、王太子の婚約者とする」
 
 リラはその宣言に目を見開く。
 
「待ってください! 私は騎士になりたいと申しましたが?!」
「婚約者で護衛騎士だ。これ程適任の者はおるまい?」
「大ありです! 完全に殿下ばかりではなく、その他派閥の貴族から、殿下に憧れている令嬢達の矢面になど立ちたくありません!」
 
 リラのキッパリとした物言いに、誰もが唖然だ。本来なら異議申し立てをしてもおかしくない王太子はただ笑うだけ。自身の婚約者を今の模擬試合で決めるなどあり得ないではないか。
 
「そんなに私が嫌いか?」
 
 リラはそんな言葉を漏らした王太子を下から睨み付けた。
 
「好き嫌いの問題ではないでしょう?! 本来、王太子妃は厳選に厳選を重ね、尚且つ、教養や作法。社交術からそれらをあしらう能力が求められます!」
「これだけ私を簡単にあしらうのだから、合格でしょう。何せ、私の妃が決まらないのは正に、命を狙われる立場だからですよ。勿論、外だけではなく内も入りますよ。普通の令嬢には耐えられませんね」
 
 まさか、王太子の妃が決まらない理由が命の危機だとは。リラはぎこちない動きで国王に視線を向ける。国王が正妃を決めたのは王位を継いでからだ。何人か候補が居たが、その候補が悉く儚くなった話しは有名である。つまり、嫁ぐ前に消されたのだろう。
 
第三王子ボンクラのせいで一令嬢の人生を狂わせたと心痛みましたが、ある意味、あれのおかげで私の婚約者が決まりましたね。良かった」
「良くない!!!」
 
 リラがまさか、婚約を解消されたその数時間、いや、一時間たっているのかも謎だ。規格外故に再婚約が決まるとは何事だ。
 
「リストル公爵。大変申し訳ないが、今日からご息女は王宮にて教育をおこなうからな」
 
 リストル公爵は顔色を無くしている娘に視線を向け、ついで息子に視線を向ける。息子はただ肩を竦めるだけだ。王太子が何時如何なる時も命を狙われているのを知っているためか反対も出来ないようだ。
 
「御心のままに」
「父上! おかしい! 絶対におかしいから!」
「黙れ! 己のお転婆が招いた事だろう! あれ程、あれ程、口が酸っぱくなる程言い含めていたと言うのに! 何故、あの第三王子ボンクラの婚約者にしたと思う! 少しでも命の危険が少ない場所を選んだのだ! それを、自分のその無駄に磨き上げた戦闘能力で駄目にしたのではないか!」
 
 リストル公爵の魂の叫びに、反対派閥の貴族すら同情の視線を向けた。それ程、悲痛な叫びだったのだ。本来なら第三王子になど、大切な娘を嫁がせたくはなかった。息子に反対もされた。だが、娘を可愛く大切に思うからこそ選んだのだ。それを第三王子は台無しにし、更にリラがその戦闘能力を見せ付けてしまった。
 
「だから、その戦闘能力を遺憾無く発揮出来る場所に就職したいと陛下に進言しました!」
「馬鹿者! 殿下は最初からこれが狙いだったのだぞ! じゃなければ、誰がホイホイ、お前と模擬試合などするか?! 少し考えれば分かりそうなものだろう?!」
 
 リラは父親の叫びに疑問を持つ。王太子が最初から狙っていた。リラは再び王太子に視線を向ける。
 
「調査済みだったからな。まさか、これ程の腕であったとは誤算だった。精々、自分の身を守れれば上々だったのだが」
 
 リラは王太子の言葉に崩れ落ちる。完全に手のひらで踊らされていただけなのだ。そして、兄はおそらく知っていた筈である。近衛騎士である兄は第二小隊。王太子付き筆頭近衛騎士。
 
「兄上は知っていたな……」
 
 リラの唸るような言葉に兄はただ苦笑いだ。妹の睨みに怯む事はないが、これからが思いやられると表情が語っていた。
 
「やっと、何処にも嫁に行かなくてもいいと思ってたのに!!!!」
 
 リラの絶叫が訓練場に木霊する。それは間違いなく、リラの落ち度であったと言い切れる結末である。しかしながら、国王の決定は絶対的実行力を持ち、しかも王太子が異議申し立てをしていない。つまり、リラは完全な墓穴を掘り、逃げ道を完全に塞がれたのである。そう、まさかの無駄に優秀な戦闘能力のお陰で。
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