獣王貴族の姉が怖すぎる

笹井ひなか

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鳥だ、女神だ、悪魔だ、いや姉だな

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姉と私は婚約準備にあけくれていたはずだった。ちなみに我が国での結婚手順はこうだ。書類を交わしたあと挨拶回りで関係各所に顔合わせをする。衣装も探したり式場手配に招待状準備と配布。

さらに獣王家の場合は聖約として血液で聖約紋を取る。聖約紋はどこに現れるか分からないが、体のどこかに必ず現れる獣王家の人間で既婚の証だ。

結婚相手が人間の場合、聖約紋は獣王とは違うものが現れる。そして獣王の加護の証でもある。更に厄介なことに聖約紋をつけたあと人間側から離婚は出来ない。加護と言う名の呪いなのだ。だからフレド様は先に婚約破棄をした。

そして私は今、空を眺めている。

そう、姉に羽が生えたのだ。

何を言ってるか分からないだろうが風魔法ではなく羽根で飛んでいる。バッサバッサと羽ばたいている。

「……うーん……なんか苦しんでたけどまさか羽根が生えるとは」

数ヶ月前から姉は苦しんでいたのでアルバート様が看病していた。姉の悲鳴を始めて聞いたときは流石に怖くなった。そしたら、羽根が生えた。

バッサーと黒い羽が生えたのだ。

「なんで黒い羽なんだろう…」

「イビルタイガーは黒い羽が生えてたらしいからね」

アルバート様が飛んでる姉をうっとりと見ている。

「美しいな…アリス……」

「美しい……?」

禍々しいの間違いでは?と、思ったがアルバート様には何も言わないでおく。姉が降りてきたと同時にたくさんの黒い羽根が舞う。

「アルバート様が見えたので降りましたわ」

「とても美しかったよ。その翼はそのままなのかい?」

「えぇ。ですが風魔法の透明化で翼を見えなくすることは出来ますし触れることもありません」

「そうなのか。まるで女神のようだった」

いやいやいや、アルバート様の目に姉はどう映るんだ?女神?まさか?私は落ちていた一枚の黒い羽根を拾う。かすかに光を放っている。もしかしたら何かに使えたりするのか?

「姉さん、この羽根が光ってるのは何?」

「それは羽根の所有者がわかるらしいわ。今私の中にセリーヌの反応があって光る糸のようなものが見えますわ。私と繋がってますわね。光ってるのは中々ないから貴重かしらね」

それは便利そうだ。まぁ、そんな貴重なものは。

「フレド様に持たせますか?」

「おや、セリーヌ?そしたらフレド君に何かあったとき彼を助けるのはアリスになるよ?」

「私はフレド様が無事ならそれで構いませんよ。それに姉なら信頼してますから」

魔王だけど。

「私がフレド様を助けたとしてもフレド様とは正式に婚約破棄しましたし私の婚約者はアルバート様ですし。それともやはり私ではお嫌なのでしょうか?」

「そんなことないよ!アリスにはずっと憧れていたんだ!」

ぎゅっと姉さんの手を握るアルバート様。まぁこの方は虐げられるの好きだけど身分のせいで叶わないから姉に憧れていたと知ったときの私の気持ちはどこかに放り投げたい。

この2人はある意味相性がいいのだろうな。


光る羽根はとても綺麗だ。























    
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