月光の道標

笹井ひなか

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一章

王城と王の秘密

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僕が半吸血鬼になってしばらくたった。僕は城を探索していた。王様に仕えたかったのは本心だ。その理由は父は戦士したと母から聞いていたが実際は違うのだと知った。数年前に偶然母の机の引き出しに入っていた手紙を見つけた。父から母に宛てた手紙に書かれていたのは王様の話。

【王は民に嫌われたことに怯え絶望している。そうだ、王は優しいからこそ臆病なのだ。だからこそあのようなことをしてしまったに違いない。まだ幼いアレクを抱えて君1人に任せるのは申し訳ないが王のそばにいないといけない気がするんだ】


【王は食事を取らない。民が作った野菜でスープを作ったが召し上がらないんだ。何故か分からないが、私の食事が不味いのだろうか?】


そんな何気ない手紙に僕は父の温かさを感じた。


【王は私が戦死したと思っていたらしい。無理もないが王自身が私のような事情があるものに暇を与えたことすら忘れている。いや、記憶が混乱しているといったほうが正しいかもしれない】

だから僕を見て怯えてたのか。僕は父と瓜二つらしい。じゃあ父は何故死んだんだろう?僕は城で王に仕えて父の痕跡を探すことにした。もう、仕えるべき王はいないけど。薄暗い城内を歩き回る。誰もいない埃被った城内。

小さな小窓から中庭が見えたので中庭に移動する。そこには石碑があった。石が削られ文字が書かれているが読むことは出来ない。鉱山で採れた鉱石が乱雑に置かれている。中庭は陽の光が眩しいが半吸血鬼の僕でも滞在出来た。そこまで広くなくすぐに屋内に入れるようになっているのだ。墓石の傍らに大きな木が生えていて木陰が出来ているせいもあるだろう。不思議な空間だった。この墓石は誰のだろうと詳しく調べてみる。

「…駄目だな…読めない…」

城内は埃被っていたが中庭と墓石だけは綺麗に手入れされていた。ふと隣を見ると小さな仔犬がいた。こちらを見上げている。だが消えてしまった。

「…王様…」

綺麗な中庭で鉱石が気になる。乱雑に置かれている鉱石を1つ手に取ってみると痛みが走った。ビリっとした肌が焼けるような痛み。そうか、半吸血鬼はこれに触れることが出来なかったんだ。
だから乱雑に置かれているのか…。

僕は調査を続けることにした。
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