月光の道標

笹井ひなか

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二章

必ず変化は訪れる

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ヴランは尻尾を振りながらケビンを見ている。この城がお客様で沢山になれば、綺麗になれば王様も喜んでくれるだろうか?

民を愛した王様だ。きっと喜んでくれるに違いない。

「ここが皆の憩いの場になれば僕も嬉しいです」

ケビンはニッコリ笑うとスコップを手にしゃがむ。

「花植えてみますか?」

「いいんですか?」

「はい、これはトルコキキョウって花らしいですよ。異国の花なのでここで育つか難しいですが」

一株ケビンに手渡される。小さな苗が確かに芽を出していた。ケビンは地面に大雑把にスコップで線を引いていく。そこに植えろということだろう。そして地面を耕して苗を植えていく。


いつか沢山の花が咲きますように。










トルコキキョウは毎年咲くようになった。風と光の下で毎年様々な色のトルコキキョウが咲いていた。

「ケビン……ありがとう。ここは今年も綺麗な花が咲いているよ」

中庭の墓石に話しかける。戦死者の墓石の隣にケビンの墓石を隣に置かせてもらった。中庭管理の感謝を込めて。ケビンの亡くなった日は雨が振りしばらくすると輝くような太陽が現れた。ケビンは神様の元へ逝ったのだろう。

僕の心はざわついていた。

そして言いようのない孤独感に押し潰されそうになった。

「大丈夫だよ、ヴラン。ありがとう」

隣に座るヴランを抱き締める。寂しい。

寂しい。

寂しい。




どれだけ長い間生きていても誰かの死には慣れることはない。親しければ親しいほど寂しい、怖い。

もう1人でいた方がいいのではないか……。僕が親しい人を作らなければ。


「私との話を忘れたのかい?」

「ノーブル……」

何百年ぶりかのノーブルは変わらない。あの日のまま。

「ずいぶん情けない顔だな。ははは!」

ノーブルはヴランに近づくとヴランはノーブルを威嚇した。毛を逆立てる。

「おやおや、お前は私の眷属なのに?アレク君、君はこの眷属をどう思うんだ?眷属は君を主だと認めたようだぞ?」

「ヴランは…大切な相棒だ…ヴランが唯一なんだ…」

「ふむふむ。カグヤの国で縁、絆といったことか?ならば!カグヤの誕生を待つがいい。私は…カグヤを失いたくない。神を引きずり出せ!大きな顔したものに目にもの見せるのだ!」

カグヤの誕生………

「ヴラン、まだそばにいてくれる?」

「ワンッ」

一声吠えるとヴランは僕の顔を舐めた。





神様は勝手すぎる……。










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