死神と僕と

笹井ひなか

文字の大きさ
2 / 9
第一章

霊感

しおりを挟む
霊感、幽霊と話したり触れたりすることで癒やし天へ送る。

だが、それだけでなく悪意ある霊を退治するのも僕の仕事だ。死神を見たその日から僕には見えるものが増えた。

それは生きてる人間の悪意の影。見えなくていいものが見えるようになって僕は困惑していた。僕は眼帯をつけていたが周りは何も言わない。有り難いが不気味だった。

「アルソア!ご飯どうする?」

「あぁ、うん。自分で用意するから大丈夫だよ。ありがとう」

「そっか!じゃあまたね!」

濃ゆい青色の影がまとわりついた人間は何かしら悪意を持っている。わかりやすいのは人を見下していること。見下した相手と話している時は青い影がゆらめく。つまり彼女も僕を見下していた。

そういう人間は濃ゆい青色の影がまとわりついていた。

見えなければ好意として受け取れたのに…。

「…?あれは…」

貴族の屋敷に商人が出入りしている。その商人は青色の影に赤い影が混ざっていた。初めて見る影だ。青だけなら見下されてるが赤は?

気になった僕は少し調べてみることにした。

商人の見た目しか情報はなくそこから名前を探す。商人が入っていった屋敷の貴族の名前も。調べてみるととんでもないことに気づいた。

「これは…」

調べて行くうちに一人僕の後ろにいた。泣いているそれは声にならない声を上げる。それは僕には聞こえない。

「大丈夫、安心して?僕が見つけるから」

小さく頷いたそれは姿を消した。僕は翌日、貴族の屋敷を訪れることにした。犠牲者を増やす前に。



だけど商人の名前、情報はいくら探しても出てこなかった。







ー俺が渡した力を有効活用してくれよ?アルソア。お前にしかできないんだ。ハッハッハ!あぁ、楽しみだなぁ…楽しいなぁ…なぁ!アルソア?ー





数日後


「すみません!失礼します」

屋敷の入口にいた門番に話しかけると門番はこちらを見た。何故屋敷に門番?王城じゃあるまいし。それはあの不可解な悪意が示している。

「誰だ貴様は?」

「僕はマクロ・アルミナと言います。最近この街に来て勝手が分からず、どう進めば良いものか?案内をお願いしたいのですが…?」

見た目をいじった僕は前髪で目元が全部隠れるようにして服装も少し派手にした。装飾品もそれなりの物をつけた。いかにも金持ちだと言わんばかりの服装だ。

「そうか、ここはユーリエフ様の屋敷だ。ユーリエフ様に話して呼んでくるから待ってろ」

「ありがとうございます!」

おかしな話だ。街を案内するだけなら主人を呼ぶ必要は無いはずだ。言付けでいいと思うが?やはり何かあるのか?門番がいなくなった隙に屋敷を見つめてみた。広い庭園だが一部淀んでいる。

「あの辺りに影がある…」

庭園の奥、屋敷の離れらしき場所に青色の影がチラチラ見えていた。多分あそこなんだろう。注意して見ないと気づかないくらいのかすかな影が揺れている。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎ 倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。 栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。 「責任、取って?」 噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。 手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。 けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。 看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。 それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

初夜をすっぽかされた令嬢は夫を死亡扱いする

さんけい
恋愛
クズ夫の非常識を帳簿で粛々と清算!真実の愛?笑わせるわね! 全14話。予約投稿済みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...