死神と僕と

笹井ひなか

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第一章

正体2

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影に連れられ向かった先には空気も影も重く歩いてるだけで頭が痛くなる。部屋の一部で立ち止まる。

「ここ?」

キュッと影が手を掴んでくる。するとバタバタと走る音がした。

「何をしているんだ!?」

「ちょ、ユーリエフ様!!走っては体に悪いですよ~」

クレイとユーリエフと呼ばれた男が向かってくる。

「そこはダメだ!!勝手をするな!!」

僕は紙を取り出し扉に向ける。鍵を解錠して中に入る。

「あああああっ!!?貴様!!!!」

中には7人の子ども。痩せてはいないし身なりも綺麗だ。だが……至る所に血の痕がある。

「大丈夫だよ…」

僕を掴む影が力を込めた。

「………」

「これは……ユーリエフ様?どういう事ですか…」

クレイの声に怒りが混ざる。ユーリエフはガタガタと震えながら入ってくる。

「その子達は私が保護したのだ!」

「アリア様…!?」

クレイが近づいた少女は虚ろだ。年は僕と変わらないくらいだろうか。僕の隣りにいた影が消えると少女の瞳に光が戻りクレイに手を伸ばした。

「クレイ……?」

「アリア様…アリア様!!………ユーリエフ…これはどういう事ですか?」

「どうもこうもない私が保護したんだ!!」

「我が国の姫殿下を…貴様……」

「お前、シュトラーセの者か……!?」

「だったらどうした……?」

僕は影の記憶を読む。ここであったことはとても口にはできない。身なりが綺麗なのはそのためだろう。

「クレイ、他の子達も見てほしい。僕はこいつをなんとかする」

紙を1枚放つとユーリエフが膝をついた。

「お前はここで何をしていた?」

「シュトラーセの子どもを集めていた」

「何故?」

「滅んだ国なら子どもを保護して恩を与えようと」

機械のように淡々と話すユーリエフ。クレイは怒りをにじませているがユーリエフの罪はこれだけではないはずだ。

「子どもを欲しいと言われた。大金とともに子どもを売ってくれと言われた」

「だから売るために子どもの身なりだけは綺麗にしたのか?」

「奴隷でもそういう奴隷として育て売っていた」

クレイの怒りが爆発する。ユーリエフに殴りかかるのを姫が止めた。

「ダメ、クレイ…!」

「姫殿下…!!」

「そうだよクレイ。これは自白。でもそれじゃ弱いから証拠と証言が必要じゃないかな?」

「証言なら私達ができます。クレイは証拠を探して。部屋に売買リストとかあるはず」

「…承知しました」

クレイの手が震えている。怒りに耐えてるんだ。クレイは姫の行方を探しにここに来ていたのか。
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