美少女アンドロイドが色じかけをしてくるので困っています~思春期のセイなる苦悩は終わらない~

根立真先

文字の大きさ
8 / 87

ep8 ナニ、イッテる?

しおりを挟む
 *

 午前十時過ぎ。
 
 俺は家近くの自販機まで来ていた。
 特に用があったわけではなかったが、頭を冷やしたかったから。

「や、ヤバいな......」

 寝起きから興奮の連続。
 中学二年生男子にとってはあまりにも刺激的すぎる。
 相手がアンドロイドというのがギリギリの救いではあるが、正直それも関係ない気がしてきた。

「だって、めちゃめちゃエロかわいいし......」
「誰がエロかわいいのですか?」
「!」

 一人言に反応されてビックリして振り向くと、
「どうも、フミヒロ様」
 袮絵子がひょっこり立っていた。

「お、お前!家にいろって言ったじゃんか!」

「お前じゃありません。ネーコです。今どきいきなり女の子をオマエ呼ばわりする男子はモテませんよ?」

「う、うるさいな。いいからネーコは帰っててくれよ」

「なぜ嫌がるのですか?」

「いや、だって、ネーコといると人目につくし。目立ちたくないんだよ、不登校だから......」

「それなら学校に行けば済むハナシでは?」

「それは......!もういいや。じゃあネーコの好きにしろって」

「フミヒロ様」

「な、なんだよ?」

「登校したらヤラしてあげるといったらどうしますか?」

「はっ、はあ!?」

「だから登校したらヤラして...」

「いや二回言わなくていいから!!てゆーかいきなりなに言い出してんだ!?」

「ナニを、だす?」

「変な切り取り方すんな!」

「フフフ、恥ずかしがっちゃって。少年時代のフミヒロ様は本当に可愛いですね」

「か、からかうなよ!」

「フミヒロ様。では一緒に用を済ませて帰りましょう。私はフミヒロ様のためのアンドロイドですから」

「国のためじゃないのか?」

「もちろんそうですよ。でも、目的は国家のためであっても、私の主人はフミヒロ様ですから。それは過去に来ても変わりません」

 ネーコは優しく微笑んだ。
 俺は少しドキッとして、
「わ、わかったよ」
 チャリン、ガコンと、ジュースを一本購入した。

 それから自販機を後にして、家までの道のりを歩きながら、横目でネーコを見ていた。
 こうやって外で改めて見るとネーコは本当に可愛かった。
 なんというか、人間離れしているというか......アンドロイドなんだから当然だけど。
 
(このコと、ヤる?)

 唐突にさっきのネーコの言葉が蘇り、あらぬ想像をもわ~んと掻き立てられた。

 だけど、そもそもアンドロイドとそういう行為ができるのか?
 どうなっているんだろう......どうなっているっていうのは、その、構造?というか、仕上がり?というか......。

 待て。
 それ以前に、俺は本物の人間の女性の身体のこともよく知らないじゃないか。
 まずはそっちを先に知るべきじゃないのか?
 でもどうやって?彼女を作るにしても、不登校の俺は出会いがゼロだ。
 いや、仮に登校できたとしても、根暗で人見知りの俺に彼女なんてとてもじゃないができる気がしない。
 てゆーか、そんな不純な目的のために付き合うなんてヒドイだろ!  
 相手の女の子に失礼だ!
 
 そう考えていくと、アンドロイドのネーコが相手なら問題ない?
 倫理的にはどうなんだろ?

 あれ?
 なんだか話がよくわからなくなってきたぞ......?
 なにが問題なんだっけ......。

「フミヒロ様。どうしたんですか?もう家に着きましたよ?」
「!!」

 思考の渦に呑み込まれていた俺は、ネーコに声をかけられてハッとした。
 すでに家の門前まで着いている。

「大丈夫ですか?」
「あ、ああ。うん」

「またエロい妄想でもしていたんですか?」
「ち、違うし!」

「なら、妄想じゃなく、現実にしますか?」
「えっ?」

「現実で、シますか?」
「な、ななななに言ってるんだー!」

「ナニ、イッテる?」
「もうやめろぉ!!」

 ダメだ。
 このままでは、やがて俺の理性が崩壊する......。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...