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Vtuber邂逅編~その出会いは二度目の恋の始まり~

第十三話「入浴という行為そのものを楽しむならば、休憩を挟み複数回入るのも何らおかしいことではない」

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 読者の皆様方、毎度お世話になっております。
 前回より引き続き、七都巳大竜がお送り致します。

「っふー……さっきのとは別の入浴剤使ってるねこりゃ。
 白いしこの匂い……さしずめ乳成分ミルク系かねえ」
「先程のは緑色で植物系でしたな」

 乳白色の湯舟にて浮くパル殿の"御胸様"は、透き通る湯に浮いた際のそれとは違った"良さ"が御座いました。

(……圧倒的ボリュームを誇りつつも、決してアンバランスでないジャストなサイズ感……
 柔らかさとハリ、弾力により実現されし極上の感触……キメ細かくツヤのある美しい肌と洗練されたフォルム……どれをとっても素晴らしい……♥)

 そのため、思わず見惚れてしまうのも必然的に仕方ないワケで御座いまして……

「……ダ~イちゃんっ♥ そんなに熱心になっちゃって、ドコ見てんのかなぁ~?」
「ぅっ! し、失礼……視界に入ってしまったもので、本能に負けてついじっくりと……」
「なぁ~んで謝んのさ♥ 熱心に見ちゃうってことは、そんだけあたしを好きな証拠じゃん?
 それって誇りこそすれ恥ずべきことじゃないんじゃなーい?」
「そう、言われれば、そう、ですがっ」
「それにさぁ~? ぶっちゃけあたしの方も、直接は見てないにせよ君の陰毛もっさりなでっかいちんちんと迫力満点のタマタマが、この母乳と精液ザーメン溶いたような熱湯のナカでどうなってるのかな~とかって、ずっとそんな妄想ばっかしてたわけでさ……♥」
「……!」

 パル殿のカミングアウトはまさに衝撃……
 湯に浸かり温まるのとは別に、自分の体温が内側から上昇していくのを感じずには居れませんでした。

「だからまぁ~おっぱいガン見されてたって構わないし、何なら見せつけたいぐらいなんだよねぇ~♥
 ……てかダイちゃんさ、見るだけじゃ満足できないんじゃない?」

 明らかな誘惑……これはもう、照れている場合では御座いません。

「それはもう。叶うならば視覚以外でも堪能させて頂きたく」
「んふふ……そっかそっか♥ なら堪能しちゃいなよ、存分にさぁ♥」
「……では、失礼致します」
「その代わりと言っちゃなんだけど、あたしも堪能しちゃうからさぁ~♥」
「……ほう、何処をですかな?」
「んもう、言わなくてもわかってるクセに……♥ この流れであたしが堪能すると言ったら決まってんじゃん……!」

 何とも悩まし気に思わせぶりな様子で、幽かに息を荒げながら身を寄せて来たパル殿は、……自分めの耳元で、甘ったるく囁かれるので御座います。


「君の~……お、ち、ん、ち、んっ♥」
「……~~っっ♥」

 下品乍らそれ以上に妖艶かつ甘美な囁きは頭蓋内を駆け巡り、無色透明な脳脊髄液が滾っては鮮やかな桜色に染まるような感覚を覚えます。

「あと勿論、タマタマも可愛がらせてね~♥」
「……それはそれはっ。寧ろ此方からお願い申し上げたい所存に御座いますなッ♥」

 斯くして我々は暫くの間、白く濁った湯舟にて淫らな戯れに興じたので御座います……。



 (作)皿(者)<仕事場で世話になってる御老体の身に
  理不尽な迄の不幸が降りかかるかもってんでイライラして
  ついやり過ぎちゃったでござる。反省はそれほどしてねェ。

  気持ちはわからんでもないが何をやっとるか貴様は……>(‐甘‐;)

 (作)∀(者)<言うて楽しめたんだから結果オーライだべ?
 (作)皿(者)<さて、あとは読者様に満足して頂けりゃ文句はねぇんだが……

  ……まあ、それはその、なんというか……>(-甘-;)
  ……取り敢えず、否定はせんでおくぞ……>(=甘=///)


 そして、互いに満足して暫く後……

「よし、一旦煩悩が晴れた所で話を戻そうか」

 さて、地上げを決意なされた陛下はその後どのように動かれたので御座いましょうか。

「地上げを決意した陛下が連絡を入れたのは……
 概ねお察しだろうけど事もあろうにこのあたし、パルティータ・ピローペインだったのさ」
「なんと……!」
「っていうのも実はあたし、55世陛下とは少しばかり縁があってね。
 『知っている中で一番信用出来て腕の立つ魔術師』ってことで、陛下はあたしに白羽の矢を立てて下さったのさ」

 後日陛下と再会されたパル殿は、そのまま彼女から話を聞き二つ返事で依頼の受領を決定されたので御座います。

「やっぱ事情が事情だし、陛下からの申し出なら断る理由なんてありゃしなかったよ……
 けど彼女、性悪で荒っぽい癖して妙に繊細で優しい所があるから
 『違法だとか気にするな。何かあったら自分が責任を負う。遠慮なく地上げしてこい』
 って発破かけてくれてさ。
 ……そんなワケでまあ、今のあたしは政府公認の地上げ屋をやってるってワケ」
「……政府公認であれば、態々地上げ屋などと言い表さなくてもよい気がしますが」

 直ぐには思いつきませんが、もっと他に適切な呼び名は幾らでもあるでしょう。

「実際それはそうなんだよ。っていうかあたし自身そう思ったんだけどね、他ならぬクライアントの陛下が
 『あのクソどもの掃き溜めを地上げして来い。お前は政府公認の地上げ屋だ』なんて仰有るもんだからさー」
「それはまた……『良くも悪くも王族らしからぬ王』の名に偽り無し、と云った所でしょうか」

 『良くも悪くも王族らしからぬ王』とは、ベイレイン帝国を統治する歴代皇帝についた通り名であり、かのお歴々は何れも何かしら『王族らしからぬ特徴』を持ち合わせておられるので御座います。

「んで実際『地上げじゃオラァ~!』っと意気揚々と天女宮へ潜り込んだはいいものの、色々不運とか面倒が重なったもんで攻めあぐねちゃっててねー。
 地上げってったら普通は立ち退き勧告とかするんだろうけど、あいつらがそんなの聞き入れるわけもないし、と言って一人ずつ始末しようにも手間じゃん?
 それでなんとか纏めて一網打尽にできたら楽なのになーって思ってたら、奴ら丁度ダイちゃんを連れ込んでくれたから図らずも助かっちゃったよね」
「……であれば、その点に関してだけは新真玉の連中に感謝せねばならんやもしれませんな」

 何せあの後、漂着した自分が天女宮へ運び込まれておらねば、ここでこうしてパル殿と出会う事も叶わなかったとさえ言える訳で御座いますからして、ともすればその点だけは連中へ感謝しておかねば。
 と、自分なりには思ったので御座いますが、然しパル殿はというと……

「感謝、ねぇ~……別にしなくてよくない? 結局は奴らが自滅したってだけの話だし、地上げを手伝ってくれたのはあいつらじゃなくて君だもん。
 もし奴らに捧げる感謝があったとしたら、その分は全部ダイちゃんに回すよあたしは」
「では自分も、奴らの分までパル殿に感謝を捧げましょう……」

 その他、パル殿の趣味や特技、専門とする魔術の分野等について聞かせて頂いておりますと、キリのよい所で浴槽管理システムより警告が入ります。

 乳白色の湯から上がった我々はそのまま脱衣所へ向かい、浴衣を着用。
 そして自分めの自己紹介……の前に予定を変更し、施設内に新真玉の残党がいないか、また奪われた自分めの装備がどこかに残されていないかといった事柄を確認すべく、大聖麗天女宮内の探索へ赴く事と相成ったので御座います。

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