家族もチート！？な貴族に転生しました。

第2章

23話 展開と発展

展開と発展


シオンが見たものそれはたくさんの魔物に襲われているブレイブ一行だった。
慌てて助太刀に向かった。

「お手伝いします。」
出来るだけ早く片付ける必要があると考えたシオンはそれだけ言って魔物の殲滅を開始した。
今日は、剣を持っていたためその剣で一匹ずつ葬っていく。
「シオン君、ありがたいが大丈夫かい？」
ブレイブは、関係ないシオンを巻き込んでしまい申し訳なさそうにそういう。
「えぇ、気にしないでください。それより、騎士達を後ろに下がらせることは出来ますか？幸い、誰一人死者は出ていないようなので全員一気に回復させます。」
「そんなことが出来るのかい？」
シオンの提案にブレイブは驚きの声を上げる。
「はい。でも急がないと今にも死にそうな人が何人かいます。」
「わかった。騎士達よ。負傷者を連れて一度後ろに下がってくれ。前線のことは気にしなくていい。」
国王にそう言われ、戸惑ってしまう騎士達。しかし、ブレイブの威圧のおかげもあるのだろう負傷者を連れ後ろに下がり始めた。
「シオン君も、すまないが騎士達に回復をしてきてくれ。」
「わかりました。でもその前に...」
そういうと、シオンは自分の持っている魔法の1つ重力魔法でたくさんの魔物を押しつぶした。そのまま、いったん後ろに下がり一気に回復させられるエリアハイヒールを使った。さすがに、ＭＰが限界に至ったようで体が重くなる。
しかし、ブレイブがSSランク冒険者であっても前線に残したままにするわけにもいかず、急いで前線に復帰した。
ブレイブとシオンそして動ける騎士たちの死闘ともいえる戦いが1時間にも及んだ。
その間に誰一人として通らなかったのは幸いなのかどうか。

最後の一体を倒し終わり、安どするとともにシオンは闇の中へと落ちていった。




それから、シオンが起きたのは2日後のことだった。
「ん、、」
起きて、あたりを見回した。そこは、1日だけ寝た王都の屋敷だった。

「シオン！！」
エミリアはずっと看病していたのだろう。目の下にクマが出来ていた。椅子に座って少しウトウトしていたもののシオンが体を起こしたことに気づき抱き着いた。
「エミリア母様？」
急に抱き着かれたことに一瞬戸惑ったものの何となく倒れてしまったことは覚えていたためきっと心配をかけたのだろうと“ごめんなさい”と謝った。
エミリアは、泣き声に気づき入ってきたアルフレッドが止めるまでずっと抱き着いたまま泣いていた。

「ブレイブから、話は聞いている。正直、父としては怒りたいし、貴族の当主としては褒めてやりたい。」
アルフレッドは、とても複雑そうな顔をしていた。それもそうだろう。自分の子どもが100体と戦い倒れてしまっているのだから。
「御心配をおかけしました。陛下たちはご無事ですか？」
シオンは、ブレイブや騎士たちが心配で仕方なかった。
「あ、ああ。命に別状はないよ。」
少し、何かを隠すようにそう言った。その答え方にシオンは顔を歪めた。
「いや、シオン。違うんだ。みんな、助かっているんだがエミリアとアリティアが...」
そこまで言われて何となく理解した。
「そ、それはあなたも一緒じゃない。」
「ま、まあな。」
バツの悪そうな顔をした。