家族もチート！？な貴族に転生しました。

第2章

24話 親の怒り

親の怒り


アルフレッドは書斎で資料に目を通しているときだった。
「旦那様。シオン様が倒れられたそうです」
メイドが慌ててそう報告してきた。
「何があった！」
シオンが倒れたと聞いて何があったのかをメイドに聞く。メイドも詳しいことは聞いておらずシオンが今部屋に運ばれたことしか知らなかった。
アルフレッドは、急いで部屋へと向かった。
「シオンは、大丈夫なのか？」
ドアを開け、部屋にいるだろう、メイドたちにそう聞く。すると、答えたのはエミリアであった。エミリアにも報告がいっておりアリティアとお茶をしていたが急いで2人とも来たみたいだ。
「ＭＰが切れたのと疲労だと思うわ。息も安定しているし今のところ大丈夫だわ。それよりも、何があったのかしら。」
エミリアは、シオンを連れてきた張本人を射るように見た。

「本当にすまない。」
そう謝ったのは、ブレイブ本人である。
「ブレイブ、私は何があったか聞いているの。早く答えてくれないかしら。」
エミリアは、ブレイブが国王という地位についてからブレイブと呼び捨てにすることは無く敬語で話していた。しかし、今のエミリアは国王としてではなく、ブレイブという一人の人間にそう問いかけていた。
「実は...」
ブレイブは、事の経緯を話した。

「そう。それならブレイブを怒るのは間違っているわね。ごめんなさい。アリティア、申し訳ないんだけどちょっと私急用ができたからシオンのことを頼んでもいいかしら。」
そういうとエミリアは部屋を出ていった。
「ブレイブ、騎士の質が低いんじゃないか？それと、これは偶然起きたことじゃないと思うがどうだ？さっさと調べ上げてこっちに報告しろ。」
アルフレッドも相当、キレており態度が軟化することは無い。
「アルフレッド様、申し訳ないのだけど私も王宮に行ってきます。」
アリティアもそう言って部屋を出ていった。アルフレッドは、2人が出ていった理由が何となくわかるものの止めようとは微塵も思わなかった。
「本当にすまなかった。」
ブレイブが、土下座しそうな勢いで謝る。
「ブレイブ、今やるべきことをやれ。早く、王宮へ帰らないとやばいことになっていると思うが。」
それだけ言うとアルフレッドはシオンの手を握りブレイブのことなど気にしていないようだった。
「シオン。早く起きて父さんたちに笑顔を見せてくれ。」

ガチャ
「父さん。シオンが倒れたって本当ですか？」
「どういうことですか？」
ブレイブが帰って少ししてからアリティアとの子どもであるグロスとグレンが部屋に入ってきた。息が切れていて制服が乱れている状態を見ると相当急いだのだろう。
「ああ、今は大丈夫みたいだから少し落ち着きなさい。」
2人の様子を見て、落ち着くように言う。そして、今日起こったことを話した。

「そんなことが...」
「シオン...」
2人は、話を聞いてそれだけしか発することが出来なかった。
「ん？でもシオンは4日後に祝福を受けるのではないのですか？魔法って祝福を受けた後でないと使えなかったはずでは？」
グロスは、おかしいことに気が付きアルフレッドに聞いた。本当のことを言えるはずもなく適当な嘘をつく。
「賢者と呼ばれているエミリアに、魔法を教えてもらっていたみたいでね。」
そういうと、納得した表情を見せた。
「それで、母さんたちは？」
今度は、2人がいないことを不思議に思ったグレンがきく。
「アリティアは王宮に、エミリアはきっと冒険者ギルドじゃないかな？」
そういうと、またも納得したような少し呆れたような顔をした。
「それは、ご愁傷様ですね。」
グロスとグレンも察したようだった。