26 / 84
第2章
25話 エミリアの怒り
しおりを挟む
エミリアの怒り
エミリアは、今冒険者ギルドに来ていた。
「ギルドマスターに合わせてもらえるかしら。」
「しょ、少々お待ちください。」
威圧的な態度に、受付嬢はビクビクしながら対応している。いそいで、ギルドマスターのいる2階に行きギルドマスターに確認をとる。
「すみません。面会したいと...」
受付嬢は、焦りのあまり肝心な部分を伝えていなかった。
「今は忙しい。後にしてくれ!!」
ギルドマスターの怒った声に受付嬢はまたビクッとして急いで一階に戻った。
「す、すみません。今は、忙しくて面会できな...ひっ!?」
断られたことにさらに機嫌を悪くしたエミリアは無言で二階へつながる階段に向かって歩き出した。
受付嬢は、慌ててそれを止めようとする。周りの、職員たちも一緒に止めようとするがエミリアが止まる気配はない。
「どいて頂戴。」
周りの人間をすべてふりほどき、二階のギルドマスターの部屋の前まで着いた。
「入ってもいいかしら?」
エミリアの問いに対し、ギルドマスターの答えは先ほどと一緒であった。
「忙しいと言っているだろう。後にしてくれ。」
エミリアの機嫌は最高に悪くなった。
「あら、リカルド。あなたいつから私に指図できる立場になったのかしら?」
ドアが吹き飛んだ。ギルドマスターであるリカルドはドアの前に立っている人物を見て顔を青くさせた。
「エミリアさん!?」
「今のギルドはどうなっているのかしら。王都の近くに魔物が100体以上もあらわれたらしいじゃない。ギルドとして情報はしっかり持っておくべきだと思うのだけど違うかしら?」
エミリアの目は冷酷で何も言えなくなるほどのものであった。何も発することの出来ないリカルドに対しさらに追い打ちをかける。
「私の息子にも被害が出たのだけど...」
それを聞いた瞬間息が止まるかと思った。否、息が止まった。SSランク冒険者であるリカルドだがエミリアとの差は物凄いものであった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
何とか息をすることが出来たのは数秒後だった。
「一刻も早く、息子のもとに戻りたいの。魔物についての情報を教えて頂戴。」
エミリアの周りに魔力の渦が出来ているようだ。それも、物凄く濃い魔力である。
「す、すみません。今調査している最中でして...」
「はぁ、役立たずね。良いわ。3日だけあげる。それまでに調べ上げなさい。それともう1つ、下の子たちの教育ぐらいしっかりして頂戴。時間の無駄になるわ。」
それだけ言うとエミリアは、部屋から出ていった。それと同時に部屋の空気も軽くなる。
「おい、誰かいないか!!」
リカルドは、慌てて職員を呼び調査の増員を指示し、最重要案件として全職員に通達するよう言った。職員が、下に行くのを見届けリカルド自身も急いで調査の準備をするのだった。
########
お気に入り登録等ありがとうございます。
ご感想、ご指摘などもお待ちしております。
平日1話、土日祝2話を目指して投稿頑張ります。
エミリアは、今冒険者ギルドに来ていた。
「ギルドマスターに合わせてもらえるかしら。」
「しょ、少々お待ちください。」
威圧的な態度に、受付嬢はビクビクしながら対応している。いそいで、ギルドマスターのいる2階に行きギルドマスターに確認をとる。
「すみません。面会したいと...」
受付嬢は、焦りのあまり肝心な部分を伝えていなかった。
「今は忙しい。後にしてくれ!!」
ギルドマスターの怒った声に受付嬢はまたビクッとして急いで一階に戻った。
「す、すみません。今は、忙しくて面会できな...ひっ!?」
断られたことにさらに機嫌を悪くしたエミリアは無言で二階へつながる階段に向かって歩き出した。
受付嬢は、慌ててそれを止めようとする。周りの、職員たちも一緒に止めようとするがエミリアが止まる気配はない。
「どいて頂戴。」
周りの人間をすべてふりほどき、二階のギルドマスターの部屋の前まで着いた。
「入ってもいいかしら?」
エミリアの問いに対し、ギルドマスターの答えは先ほどと一緒であった。
「忙しいと言っているだろう。後にしてくれ。」
エミリアの機嫌は最高に悪くなった。
「あら、リカルド。あなたいつから私に指図できる立場になったのかしら?」
ドアが吹き飛んだ。ギルドマスターであるリカルドはドアの前に立っている人物を見て顔を青くさせた。
「エミリアさん!?」
「今のギルドはどうなっているのかしら。王都の近くに魔物が100体以上もあらわれたらしいじゃない。ギルドとして情報はしっかり持っておくべきだと思うのだけど違うかしら?」
エミリアの目は冷酷で何も言えなくなるほどのものであった。何も発することの出来ないリカルドに対しさらに追い打ちをかける。
「私の息子にも被害が出たのだけど...」
それを聞いた瞬間息が止まるかと思った。否、息が止まった。SSランク冒険者であるリカルドだがエミリアとの差は物凄いものであった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
何とか息をすることが出来たのは数秒後だった。
「一刻も早く、息子のもとに戻りたいの。魔物についての情報を教えて頂戴。」
エミリアの周りに魔力の渦が出来ているようだ。それも、物凄く濃い魔力である。
「す、すみません。今調査している最中でして...」
「はぁ、役立たずね。良いわ。3日だけあげる。それまでに調べ上げなさい。それともう1つ、下の子たちの教育ぐらいしっかりして頂戴。時間の無駄になるわ。」
それだけ言うとエミリアは、部屋から出ていった。それと同時に部屋の空気も軽くなる。
「おい、誰かいないか!!」
リカルドは、慌てて職員を呼び調査の増員を指示し、最重要案件として全職員に通達するよう言った。職員が、下に行くのを見届けリカルド自身も急いで調査の準備をするのだった。
########
お気に入り登録等ありがとうございます。
ご感想、ご指摘などもお待ちしております。
平日1話、土日祝2話を目指して投稿頑張ります。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
4,128
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる