15 / 17
(15)籠
しおりを挟む切り絵を捨てた紫之は両親を失ったときのように無気力になった。
一日中うとうととベッドで過ごし、夜中は眠れずぼんやり過ごしているようだ。
光は定期的に濃密な口づけと、紫之を手淫と口淫でいかせ、快楽を仕込んでいった。
今夜もローションを指に絡め、後孔に挿入しようとする。だがまだ簡単には紫之は受け入れてくれない。
「大丈夫だよ。もっと気持ちよくなれるようになるだけだ」
「こわい」
「痛くしないよ。ゆっくり体の力を抜いて」堅いつぼみのような体に何とか指を差し入れたものの、そこを探るのは手間がかかった。すっかり馴らした佐藤の体とは大違いだ。
「ああっ」
紫之の胸が跳ね上がった。体ががくがくと震えだした。
「ほら。感じるだろう。これがしののイイところだよ。無理はしないよ。一本ずつ指を増やしていこう。そうしたらもっといい気持ちになれるから」
紫之は光のパジャマにかじりついて、光の指に支配され身を震わせる。
「光も、よく、あ、なる?、ん……」
「ああ、しのも俺もよくなるよ。もっともっと楽しめるよ」
「抱き、しめて。ひっ、そうしたら……」
細い紫之の体を抱きしめると、紫之が光のパジャマの中に手を差し入れた。
「大きい……」
ぎこちなく下着の上からさすってくれる紫之の顔を愛おしげにのぞきこむ。
衝動に任せて抱くことはできるが、光はそれをしなかった。紫之の怖がりな心を傷つけたら、せっかく時間をかけて慣らしてきたのが元も子もない。
ドーベルマンをわざと放したのは光だ。先に追いつかれるのは紫之だとわかっていた。
犬に抑え込まれ、噛みつかれた紫之の姿にぞくぞくしたのが初めての性的な快感だった。股間に確かな欲望の兆しを得た。
ケルベロスが天使を組み敷き、翼を折ったのだ。神聖な存在を蹂躙する悦楽に恍惚としたのだと今はわかる。
同時にあの瞬間から、紫之を自分のものにすると光は決めていた。
十六年。
十六年かけてやっと紫之を自分だけのものに囲い込むことができた。もう放さない。一生、紫之を閉じ込め、愛し続ける。
そもそも自分たちの名は紫式部と光源氏から取ったと祖父から言われたが、光は信じていない。
(紫之の名はおそらく紫の上――いや、まだ無垢な若紫か)
これからじっくり時間をかけて光好みに育てていく。
10
あなたにおすすめの小説
ブラコンネガティブ弟とポジティブ(?)兄
むすめっすめ
BL
「だーかーらっ!皆お前に魅力があるから周りにいるんだろーがっ!」
兄、四宮陽太はブサイク
「でも!それって本当の僕じゃないし!やっぱみんなこんな僕みたら引いちゃうよねぇ〜
!?」
で弟、四宮日向はイケメン
「やっぱり受け入れてくれるのは兄さんしかいないよぉー!!」
弟は涙目になりながら俺に抱きついてくる。
「いや、泣きたいの俺だから!!」
弟はドのつくブラコンネガティブ野郎だ。
ーーーーーーーーーー
兄弟のコンプレックスの話。
今後どうなるか分からないので一応Rつけてます。
1話そんな生々しく無いですが流血表現ありです(※)
【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』
バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。 そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。 最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる