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身体
第六話【お母さんの手】
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僕のお母さんは、僕がまだ小さい頃に交通事故で亡くなった。
享年二十八歳。
まだまだ若く、これからという時に。
まだ三歳だった僕は、車の怖さなんて知らなかったのだろう。
道路にフラフラと出てしまい、それを、お母さんが庇って……
母というものは、とても子供を大切に想うものだと、僕は思う。
死んでも尚、僕の事が心配なんだ。
何故なら、僕はずっと、お母さんの“手”に助けられ、守られている。
例えば、僕が歩いている時。
突然、真っ白な手が目の前に現れ、“STOP!”とでも言うかのように、掌をこちらに向けて、僕の歩みを止める。
すると、僕の目の前に、お店の看板が落ちて来て、一歩でも進んでいたら、大怪我どころか命も危なかったという事があったり。
山にハイキングに行き、一人逸れ、道に迷った時、白い手が現れ、進むべき方向を指差し、それに従うと、大きな道に出て皆と合流出来たり。
その“白い手”は、まさしく“お母さんの手”だと、お母さんが助けてくれているんだと、思わざる得なかった。
そして、それが“お母さんの手”だという事が決定的になった理由は、僕は占いなんて信用しないんだけれど、付き合っている彼女が占い好きで。
二人でよく当たる占い師のところに行ったんだ。
そこで、占い師が僕の顔を見て、「あなた……家族の霊に守られているわね」と言ったんだ。
勿論、僕はお母さんが亡くなっている事なんて、一言も言っていない。
なのに、占い師はそう言ったんだ。
僕はその言葉を聞いて、今迄、僕を危険から回避させてくれ、守ってくれていたのは“お母さんの手”だったんだと確信したんだ。
それからも、何度も助けられながら年月を重ね。
僕もとうとう、お母さんと“同じ年齢”になった。
明日は、そんな僕の新しい門出。
そう。
僕は結婚するんだ。
今日は、お母さんに、その報告をする為、花束を買い、お墓へと足を向ける。
何度目かの交差点に差し掛かった時、目の前に“手”が現れ、“右側へ行け“と、示すように指を指している。
あぁ。
きっと、お母さんがまた、危険を回避させてくれようとしているんだな。
そう思い、僕は右手へと足を進めると頭上から切羽詰まったような声が響いた。
「危ない!」
何のことだと思い、ビクリと肩を震わせ立ち止まると同時に、ガン! という強い衝撃と、大きな音が。
あぁ。
僕の頭に何かが落ちて来たらしい。
でも……
なんで……?
なんで……お母さん……
消えていく意識の中、僕はある事に気が付いた。
あの時の手。
あれは、いつものような……
“白い手”ではなく“赤い手”だった事に。
そして、あの手は一度見たことがある。
そうだ。
僕を庇って死んだ時の、血まみれになった“お母さんの手”と同じだ……った……ん……だ……
享年二十八歳。
まだまだ若く、これからという時に。
まだ三歳だった僕は、車の怖さなんて知らなかったのだろう。
道路にフラフラと出てしまい、それを、お母さんが庇って……
母というものは、とても子供を大切に想うものだと、僕は思う。
死んでも尚、僕の事が心配なんだ。
何故なら、僕はずっと、お母さんの“手”に助けられ、守られている。
例えば、僕が歩いている時。
突然、真っ白な手が目の前に現れ、“STOP!”とでも言うかのように、掌をこちらに向けて、僕の歩みを止める。
すると、僕の目の前に、お店の看板が落ちて来て、一歩でも進んでいたら、大怪我どころか命も危なかったという事があったり。
山にハイキングに行き、一人逸れ、道に迷った時、白い手が現れ、進むべき方向を指差し、それに従うと、大きな道に出て皆と合流出来たり。
その“白い手”は、まさしく“お母さんの手”だと、お母さんが助けてくれているんだと、思わざる得なかった。
そして、それが“お母さんの手”だという事が決定的になった理由は、僕は占いなんて信用しないんだけれど、付き合っている彼女が占い好きで。
二人でよく当たる占い師のところに行ったんだ。
そこで、占い師が僕の顔を見て、「あなた……家族の霊に守られているわね」と言ったんだ。
勿論、僕はお母さんが亡くなっている事なんて、一言も言っていない。
なのに、占い師はそう言ったんだ。
僕はその言葉を聞いて、今迄、僕を危険から回避させてくれ、守ってくれていたのは“お母さんの手”だったんだと確信したんだ。
それからも、何度も助けられながら年月を重ね。
僕もとうとう、お母さんと“同じ年齢”になった。
明日は、そんな僕の新しい門出。
そう。
僕は結婚するんだ。
今日は、お母さんに、その報告をする為、花束を買い、お墓へと足を向ける。
何度目かの交差点に差し掛かった時、目の前に“手”が現れ、“右側へ行け“と、示すように指を指している。
あぁ。
きっと、お母さんがまた、危険を回避させてくれようとしているんだな。
そう思い、僕は右手へと足を進めると頭上から切羽詰まったような声が響いた。
「危ない!」
何のことだと思い、ビクリと肩を震わせ立ち止まると同時に、ガン! という強い衝撃と、大きな音が。
あぁ。
僕の頭に何かが落ちて来たらしい。
でも……
なんで……?
なんで……お母さん……
消えていく意識の中、僕はある事に気が付いた。
あの時の手。
あれは、いつものような……
“白い手”ではなく“赤い手”だった事に。
そして、あの手は一度見たことがある。
そうだ。
僕を庇って死んだ時の、血まみれになった“お母さんの手”と同じだ……った……ん……だ……
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