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家具
第二話【お前じゃねぇ】
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独り暮らしをすることになったら、姉が、ソファをくれた。
しかも……イタリア製の一品ものだとか。
高級革張りソファは誰がどう見ても、かなり値打ちのある品なのが分かる。
“こんな立派なソファを、姉が何故?”と思いつつも、くれるもんなら貰うのが私。
早速、引っ越しの時に、そのソファも搬入して貰った。
引っ越しって、結構疲れるもので、終わって一息つこうと、私はソファの背もたれに、右腕をかけ、顔を左側に向けて、うつ伏せになって寝転がった。
睡魔が襲い、少しうつらうつらしていると、なんだか体を触られる感触がした。
サワサワ……
サワサワ……
サワサワ……
右側から撫でられているような感覚に、一瞬で目が覚めた。
右側。
そう……背もたれ側から体を撫でられている。
徐々に、体温を感じる背中。
薄ら目を開けると、そこには、部屋の景色が広がるだけで、当たり前だが誰もいない。
私は、江戸川乱歩の「人間椅子」を思い出した。
もしかして、このソファ……
ジットリとした汗が額に流れる。
“背中に居るであろう者”を考えると、後ろを振り向くことが出来ず、心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
サワサワサワ
サワサワサワ……
ピタリ。
私の体を撫でまわしていた手が胸元で止まる。
そして……
「お前じゃぁねぇ。」
ガッカリしたような溜息のようなものと共に、吐き出された声。
すると、スッと背中から気配が消えた。
ガタン!
ドタン!
慌てて、ソファから転げ落ちると、床に這いつくばりながらソファを見上げたが、そこには、何も……誰もいない。
“え?”
その様子に拍子抜けしたものの……
さっきの声。
どこかで……あの、低く、少し、掠れた特徴的な声。
“あっ!”
私は、すぐさま姉に電話した。
そして、先程の出来事を話した。
すると……
「あ! やっぱり来たぁ?」
あっけらかんと答える姉。
「やっぱりって、何なのよ! こうなる事を知ってたって事?」と、問い詰めると、どうやら、このソファ。
同棲するつもりだった“元カレ”から貰ったものだとか。
でも、嫉妬深く、ねちっこい性格だった彼は、本人にも自覚が無いようなのだが、『生霊』となって、付き合っている時から、姉が合コンに行ったり、会社で同僚と話している時に、ちょこちょこ現れていたそうで。
あまりに、気持ちの悪い特技のある彼がうざくなって、別れたのだとか。
しかも、別れた後でも、彼からプレゼントされた物を身に着けていたり、近くに置いていると、何故か、未だに現れるので、鞄やアクセサリー、洋服等は質屋に売ったものの、ソファみたいな大きなものだと中々売れない。
粗大ごみに出そうとすれば、引き取り料を取られるし……と悩んでいた時。
『あ! そうだ! 一人暮らしをする妹にくれてやれ!』
(あ! そうだ! 〇都へ行こう! By:〇R東海のCM)←知らない人はすみません
と、いうノリで、私にくれたのだとか。
姉はケラケラ笑いながら、そう答える姉に軽い殺意を覚えつつも、私は、二つ、気になる事がある。
一つは、質屋流れで姉が貰った、鞄やアクセサリーを身に着けている人の所にも、その“生霊”は現れているんじゃないか?
そして……もう一つは……
あの時の「お前じゃぁねぇ」と、淋しそうに言ったアイツの言葉。
そう……アイツ。
私の胸を触った瞬間……
姉は、ボン・キュッ・ボンの憧れDカップ。
私は……ふと、自分の胸へと視線を下げる。
そこには、普通に足の先までが見える。
そう……ただ、真っ平な……いや。
凹凸の少ない胸が、そこにはあった。
“アイツ……!”
姉の元カレへの、ある種、殺意が芽生えた事は言うまでもない。
しかも……イタリア製の一品ものだとか。
高級革張りソファは誰がどう見ても、かなり値打ちのある品なのが分かる。
“こんな立派なソファを、姉が何故?”と思いつつも、くれるもんなら貰うのが私。
早速、引っ越しの時に、そのソファも搬入して貰った。
引っ越しって、結構疲れるもので、終わって一息つこうと、私はソファの背もたれに、右腕をかけ、顔を左側に向けて、うつ伏せになって寝転がった。
睡魔が襲い、少しうつらうつらしていると、なんだか体を触られる感触がした。
サワサワ……
サワサワ……
サワサワ……
右側から撫でられているような感覚に、一瞬で目が覚めた。
右側。
そう……背もたれ側から体を撫でられている。
徐々に、体温を感じる背中。
薄ら目を開けると、そこには、部屋の景色が広がるだけで、当たり前だが誰もいない。
私は、江戸川乱歩の「人間椅子」を思い出した。
もしかして、このソファ……
ジットリとした汗が額に流れる。
“背中に居るであろう者”を考えると、後ろを振り向くことが出来ず、心臓がバクバクと嫌な音を立てる。
サワサワサワ
サワサワサワ……
ピタリ。
私の体を撫でまわしていた手が胸元で止まる。
そして……
「お前じゃぁねぇ。」
ガッカリしたような溜息のようなものと共に、吐き出された声。
すると、スッと背中から気配が消えた。
ガタン!
ドタン!
慌てて、ソファから転げ落ちると、床に這いつくばりながらソファを見上げたが、そこには、何も……誰もいない。
“え?”
その様子に拍子抜けしたものの……
さっきの声。
どこかで……あの、低く、少し、掠れた特徴的な声。
“あっ!”
私は、すぐさま姉に電話した。
そして、先程の出来事を話した。
すると……
「あ! やっぱり来たぁ?」
あっけらかんと答える姉。
「やっぱりって、何なのよ! こうなる事を知ってたって事?」と、問い詰めると、どうやら、このソファ。
同棲するつもりだった“元カレ”から貰ったものだとか。
でも、嫉妬深く、ねちっこい性格だった彼は、本人にも自覚が無いようなのだが、『生霊』となって、付き合っている時から、姉が合コンに行ったり、会社で同僚と話している時に、ちょこちょこ現れていたそうで。
あまりに、気持ちの悪い特技のある彼がうざくなって、別れたのだとか。
しかも、別れた後でも、彼からプレゼントされた物を身に着けていたり、近くに置いていると、何故か、未だに現れるので、鞄やアクセサリー、洋服等は質屋に売ったものの、ソファみたいな大きなものだと中々売れない。
粗大ごみに出そうとすれば、引き取り料を取られるし……と悩んでいた時。
『あ! そうだ! 一人暮らしをする妹にくれてやれ!』
(あ! そうだ! 〇都へ行こう! By:〇R東海のCM)←知らない人はすみません
と、いうノリで、私にくれたのだとか。
姉はケラケラ笑いながら、そう答える姉に軽い殺意を覚えつつも、私は、二つ、気になる事がある。
一つは、質屋流れで姉が貰った、鞄やアクセサリーを身に着けている人の所にも、その“生霊”は現れているんじゃないか?
そして……もう一つは……
あの時の「お前じゃぁねぇ」と、淋しそうに言ったアイツの言葉。
そう……アイツ。
私の胸を触った瞬間……
姉は、ボン・キュッ・ボンの憧れDカップ。
私は……ふと、自分の胸へと視線を下げる。
そこには、普通に足の先までが見える。
そう……ただ、真っ平な……いや。
凹凸の少ない胸が、そこにはあった。
“アイツ……!”
姉の元カレへの、ある種、殺意が芽生えた事は言うまでもない。
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