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体験談
第九話【記憶がない】
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これもまた。
姉との謎の繋がりのある話。
当時、小学生の低学年だった時の事。
わしの家は学校から徒歩三分。
めちゃめちゃ近い場所にある。
勿論、学校が終わって、帰宅するのなんてすぐ。
姉もまだ、高学年ではなかったので、クラブ活動もなく。
夕方四時には、どんなに遅くても帰ってきていました。
しかし、ある日。
五時になっても6時になっても帰ってこず。
真面目な姉に限って、寄り道なんてする訳がないので、祖父母も両親も人さらいか何かではないかと、大騒ぎをしていた事を覚えています。
皆、夕飯も食べず、探したり電話かけたり。
色々バタバタしていると。
「ただいま」と、呑気な声が玄関から聞こえてきます。
勿論。
それは姉。
その時の父親の怒鳴り声(心配しずぎた反動で)、祖父母の安心した顔。
母の涙ぐんだ顔。
これは今でも覚えています。
それくらい、我が家では大きな事件だったんです。
しかし。
話はただ“姉が遅く帰って来た”事では終わらなかったのです。
両親も祖父母も。
姉にどこに行っていたのか問い詰めました。
しかし、姉は「分らない」の一点張り。
どんなに聞いても、どんなに叱っても「分らない」と、言うものですから、何かのショックで記憶を失くしているのかと心配したものの、外傷も何もなく。
そして、怯える事も暴れる事もなく。
普段と変わらない落ち着いた表情で「ただ。学校から帰って来たら、何故か、家についたらこんな時間だった」としか言わない。
とりあえず、祖父母も母も。
無事に帰ってきたことを喜び、父もこれ以上何を聞いても、本人に「記憶」がないのでは仕方ないといった雰囲気で、渋々、この件はうやむやに終わったのですが……
その夜。
姉がわしの部屋に来て、こんな事を言いました。
「前にさ。テレビで宇宙人の話やってたじゃん? 姉ちゃんさ。今日、宇宙人に遭った!」
目を輝かせて、嬉々とした声をあげるんです。
「姉は何を言っているんだろう?」「夢でも見たのかな?」と思って、「そうなんだぁ」と適当に相槌をうちました。
すると、姉はニヤリと笑って、自分の膝小僧を曝け出したんです。
「そのテレビで言ってたでしょ? 宇宙人にさらわれた人間には、体の中にガラスみたいな変なものを入れたりするって」
いつもは穏やかな性格の姉の顔が、どこか狂気に満ちて、目が血走っていたので、私は頷くしか出来ませんでした。
すると、姉は満足そうに頷き、「ココにね。ガラス。入ってるんだよ?」と、指をさしたんです。
勿論、私に「触れ」と無言の圧力をかけてきます。
恐る恐る触ると……小さなコブが出来ていて。
「ここ、固いでしょ?」と、私の手首を持って、さらにしっかり触るように促すんです。
すると、確かに、膝に出来た、小さな小さな爪先程度のコブはコリッとしていて。
「固い……」
そう、わしが呟くと、姉はニヤァっと笑って。
いきなり、そのコブを両手で力強く摘まんだのです。
すると、傷も何も出来ないのに。
そこから、グニャァ……と。
徐々に透明なものが出てきて、コロリッと床に落ちた。
「ね? 出て来たでしょ?」
そう言うと。
今度はいきなり、人の腕を掴んで。
「あんたのも出してあげるね」
そう言って、肘をギュッと摘み上げる。
「いたぁぁい!」
あまりに力強く摘まむもんだから、思わず大きな声を上げると、階下から「ケンカしないの!」と、母の声。
そしてコロリッ……
床に、小さな透明のガラスのような小さな石ころみたいなものが……
「ね、ねぇちゃん。これ……なに?」
腕を見ても、傷一つない。
姉はニヤニヤしながら。
「あんたも、この間、近くの川でザリガニ獲りに行った時。いきなり消えたんだよ。姉ちゃん、びっくりしてさ。あんた、いっつもフラフラどっか行っちゃうから、また、一人で、そこら辺フラフラしてるんじゃないかって思って、あちこち探して。でもね。元の場所に戻ったら、あんた、いきなり、フワァッて出て来たの」
「え?」
「で、『どこ行ってたの?』って聞いても、ここにずっと居た。姉ちゃんとザリガニを獲っていたっていう一点張りでさ。覚えてない?」
「全然」
「多分ね。あの時、あんたも宇宙人に連れ去らわれていたんだよ」
「嘘だぁ!」
「ほんとだって! このガラスみたいなのが証拠じゃん!」
「手品でしょ?」
「ばぁか! 姉ちゃん、手品なんかできないよ! 大人がするもんじゃん」
「宇宙人に逢ってたら、そんなん、ソッコーで自慢してるもん」
「記憶ないんだから仕方ないじゃん」
「じゃぁ、姉ちゃんはなんで、記憶に残ってるんだよ?」
「さぁ? でも、何時間も何してたかは、記憶にないもん」
「ふーん」
話半分に聞いて、適当に相槌打って。
まぁ、これは姉の冗談なんだと思って、その日は寝たものの。
翌日、姉にその話をすると「は? 宇宙人? 何それ? バカなの? 居る訳ないじゃん」と、昨夜の態度とは全く違い。
ガラスの石ころを見せても「はいはい。こんなのそこら辺で拾って来たんでしょう? この間のテレビに影響されすぎ!」と言って、全く相手にされず。
一体どういう事なのかサッパリ分らず。
結局。
まぁ「夢だったのかな?」という事で、自分なりに納得して過ごす事にし
ました。
でも。
何故か。
私の肘に……
怪我なんてした事のない。
私の肘に。
丁度、姉がガラスの石ころを取り出した場所に。
何故か。
大人になってから、いきなり、一センチ程度の縫った後のような、傷跡のようなものが浮かび上がってきたんですよね……
それは、姉の膝にも、あるんです。
これは、一体……?
姉はその当時の出来事をスッカリ忘れているのですが。
結局、あの時の出来事と、この「傷跡」のような物は、一体、何だったのでしょうか?
姉との謎の繋がりのある話。
当時、小学生の低学年だった時の事。
わしの家は学校から徒歩三分。
めちゃめちゃ近い場所にある。
勿論、学校が終わって、帰宅するのなんてすぐ。
姉もまだ、高学年ではなかったので、クラブ活動もなく。
夕方四時には、どんなに遅くても帰ってきていました。
しかし、ある日。
五時になっても6時になっても帰ってこず。
真面目な姉に限って、寄り道なんてする訳がないので、祖父母も両親も人さらいか何かではないかと、大騒ぎをしていた事を覚えています。
皆、夕飯も食べず、探したり電話かけたり。
色々バタバタしていると。
「ただいま」と、呑気な声が玄関から聞こえてきます。
勿論。
それは姉。
その時の父親の怒鳴り声(心配しずぎた反動で)、祖父母の安心した顔。
母の涙ぐんだ顔。
これは今でも覚えています。
それくらい、我が家では大きな事件だったんです。
しかし。
話はただ“姉が遅く帰って来た”事では終わらなかったのです。
両親も祖父母も。
姉にどこに行っていたのか問い詰めました。
しかし、姉は「分らない」の一点張り。
どんなに聞いても、どんなに叱っても「分らない」と、言うものですから、何かのショックで記憶を失くしているのかと心配したものの、外傷も何もなく。
そして、怯える事も暴れる事もなく。
普段と変わらない落ち着いた表情で「ただ。学校から帰って来たら、何故か、家についたらこんな時間だった」としか言わない。
とりあえず、祖父母も母も。
無事に帰ってきたことを喜び、父もこれ以上何を聞いても、本人に「記憶」がないのでは仕方ないといった雰囲気で、渋々、この件はうやむやに終わったのですが……
その夜。
姉がわしの部屋に来て、こんな事を言いました。
「前にさ。テレビで宇宙人の話やってたじゃん? 姉ちゃんさ。今日、宇宙人に遭った!」
目を輝かせて、嬉々とした声をあげるんです。
「姉は何を言っているんだろう?」「夢でも見たのかな?」と思って、「そうなんだぁ」と適当に相槌をうちました。
すると、姉はニヤリと笑って、自分の膝小僧を曝け出したんです。
「そのテレビで言ってたでしょ? 宇宙人にさらわれた人間には、体の中にガラスみたいな変なものを入れたりするって」
いつもは穏やかな性格の姉の顔が、どこか狂気に満ちて、目が血走っていたので、私は頷くしか出来ませんでした。
すると、姉は満足そうに頷き、「ココにね。ガラス。入ってるんだよ?」と、指をさしたんです。
勿論、私に「触れ」と無言の圧力をかけてきます。
恐る恐る触ると……小さなコブが出来ていて。
「ここ、固いでしょ?」と、私の手首を持って、さらにしっかり触るように促すんです。
すると、確かに、膝に出来た、小さな小さな爪先程度のコブはコリッとしていて。
「固い……」
そう、わしが呟くと、姉はニヤァっと笑って。
いきなり、そのコブを両手で力強く摘まんだのです。
すると、傷も何も出来ないのに。
そこから、グニャァ……と。
徐々に透明なものが出てきて、コロリッと床に落ちた。
「ね? 出て来たでしょ?」
そう言うと。
今度はいきなり、人の腕を掴んで。
「あんたのも出してあげるね」
そう言って、肘をギュッと摘み上げる。
「いたぁぁい!」
あまりに力強く摘まむもんだから、思わず大きな声を上げると、階下から「ケンカしないの!」と、母の声。
そしてコロリッ……
床に、小さな透明のガラスのような小さな石ころみたいなものが……
「ね、ねぇちゃん。これ……なに?」
腕を見ても、傷一つない。
姉はニヤニヤしながら。
「あんたも、この間、近くの川でザリガニ獲りに行った時。いきなり消えたんだよ。姉ちゃん、びっくりしてさ。あんた、いっつもフラフラどっか行っちゃうから、また、一人で、そこら辺フラフラしてるんじゃないかって思って、あちこち探して。でもね。元の場所に戻ったら、あんた、いきなり、フワァッて出て来たの」
「え?」
「で、『どこ行ってたの?』って聞いても、ここにずっと居た。姉ちゃんとザリガニを獲っていたっていう一点張りでさ。覚えてない?」
「全然」
「多分ね。あの時、あんたも宇宙人に連れ去らわれていたんだよ」
「嘘だぁ!」
「ほんとだって! このガラスみたいなのが証拠じゃん!」
「手品でしょ?」
「ばぁか! 姉ちゃん、手品なんかできないよ! 大人がするもんじゃん」
「宇宙人に逢ってたら、そんなん、ソッコーで自慢してるもん」
「記憶ないんだから仕方ないじゃん」
「じゃぁ、姉ちゃんはなんで、記憶に残ってるんだよ?」
「さぁ? でも、何時間も何してたかは、記憶にないもん」
「ふーん」
話半分に聞いて、適当に相槌打って。
まぁ、これは姉の冗談なんだと思って、その日は寝たものの。
翌日、姉にその話をすると「は? 宇宙人? 何それ? バカなの? 居る訳ないじゃん」と、昨夜の態度とは全く違い。
ガラスの石ころを見せても「はいはい。こんなのそこら辺で拾って来たんでしょう? この間のテレビに影響されすぎ!」と言って、全く相手にされず。
一体どういう事なのかサッパリ分らず。
結局。
まぁ「夢だったのかな?」という事で、自分なりに納得して過ごす事にし
ました。
でも。
何故か。
私の肘に……
怪我なんてした事のない。
私の肘に。
丁度、姉がガラスの石ころを取り出した場所に。
何故か。
大人になってから、いきなり、一センチ程度の縫った後のような、傷跡のようなものが浮かび上がってきたんですよね……
それは、姉の膝にも、あるんです。
これは、一体……?
姉はその当時の出来事をスッカリ忘れているのですが。
結局、あの時の出来事と、この「傷跡」のような物は、一体、何だったのでしょうか?
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