20 / 44
第一章
⑳心に咲いた花
しおりを挟む
始まりは一人の生徒が、教師に放った一言だった。
「先生、どうしてそんなつまらない授業しか出来ないんですか?」
すると、何人かの生徒がそれに賛同した。
「全くだ。私は公爵令息だ。もっとまともな授業が出来なければ、訴えるぞ」
「どうして、男爵家の人間と同じ扱いを受けなければならないんだ!配慮出来ないなら、授業を出来ないようにしてやる!」
次々と教師を叱責し、暴言をはき、授業を妨害し始めた。
それが、一つのクラスではなく、全ての学年のクラスに波及し、女子のクラスも例外なく、授業を妨害する者が出てきた。
教師達は慌てた。彼らも貴族出身であるが、ほとんどが下級貴族の爵位が継げなかった者が多いので、権力を持ち出されると、怯えて従う者も出てきた。
しかし、ここで動くべき学園の法である生徒会には、新たな問題が出てきてしまったのだ。
「運営資金の不正使用!?」
「しぃーーー!!!声が大きいわ。どこで誰が聞いているかもう分からないのよ」
まともな授業にならず、教師達は対応に追われ、教室は自習扱いで、残った生徒達が適当に勉強をしている状態だった。
ボイコットした生徒達は、ジェイドを真の王として、学園の統治権を譲るように訴えて、二年の校舎に集まっている。
残っている生徒の中に、ジェイドの信者が紛れ込んでいる可能性は高い。
リリアンヌとローリエは教室の後ろに集まり、状況を確認していた。
「まずい事になっているわ。生徒会の人間が運営費を横流しして、自分の懐に入れたとか、特定の業者から、金銭をもらって、生徒会事業に優遇して採用されたとか。もう次々と証言者や証拠が出てきて、ボロボロよ」
ローリエは周りを窺いながら、声をひそめて話した。
「急にそんな話?このタイミングで仕掛けてくるのは、ジェイドの仕業ってこと?」
生徒会の方が騒がしくなってから、危険なので近づかないように言われていて、ここ数日、フェルナンドとは会えていない。
「殿下がそんなお粗末な会計に気付かない訳がない。証言や証拠は間違いなくデタラメ。しかし、作られた物でも、それを証明していくには、それなりに時間と手間がかかるのよ。そのうちに、ジェイドの信者は増え続けている。やつの狙いはそれね」
二人して頭を抱えた。助けようにも、どう手を出していいのか分からない。
「ここまで、ジェイドの筋書き通りだとして、次はどう出ると思う?」
「アルフレッド様よ」
「え!?不仲だから?」
「二人の間には因縁があるの。王族と一部の貴族しか知らないけれど、目的はそれでもあるはず」
ローリエに手招きされて、リリアンヌは顔を寄せた。ローリエは耳元でそっと話した。
「お二人はご兄弟なの」
□□□
「母はサファイアの王女で、クラフトに嫁いだが、国内の紛争に巻き込まれた。命の危機を感じ、クラフトを脱出した。その際、俺は母のお腹にいて、ジェイドはクラフトに残された」
談話室に集まったのは、アルフレッド、ルカリオ、フレイム、エリザベス、エリーナ、ローリエ、リリアンヌ、ユージーン。
知らない者もいるだろうからと、アルフレッドが、ジェイドとの因縁を話し始めた。
「サファイアは母の兄が継いでいたが、兄夫婦には女子しか生まれず、伯父は落馬をして子供を成す事が出来ぬ体になってしまった。そのため、王位は今のところ、俺が継ぐ事になっている」
そういうところも気に入らないんだろうな、アイツはと、アルフレッドはため息をついた。
「向こうは、着実に信者が増えてきている。やつが表舞台に出てくるのも時間の問題だろう。我々に出来ることは、失踪した生徒会の会計係を探すことだ」
それは、私がとルカリオが手を挙げた。
「会計係はアレックス・グリーンと言って私の国の子爵令息だ。真面目な男でフェルナンド様の信頼も厚かった。アレックスが帳簿とともに失踪してしまった事で、事態は難しくなっているんだ」
幼い頃からの遊び相手で、アレックスが不正などをするはずがないとルカリオが悔しそうに言った。
「失踪と言うと、外部に出てしまった可能性はないですか?」
ローリエが言うと、ルカリオは首を振って否定した。
「知っての通り、学園は高い塀に囲まれて周りは切り立った崖、出入口は正門しかない。正門は騎士団によって厳重に管理されている。人の出入りや、荷物まで点検される。アレックスが出ていった記録はない」
「となると、二年の校舎にいる可能性が高いのでは…」
ユージーンも恐る恐る意見を述べた。
「二年の校舎は、明らかに危険だから俺とルカリオで探る。ローリエ、リリアンヌ、ユージーンはこちらの校舎で怪しそうな所を探してくれ、エリザベスはエリーナと一緒にいて欲しい」
皆それで納得して、それぞれ動き出すこととなった。
□□□
(なんだろう、もやもやする)
心に灯った火が、ユラユラと揺れ続けている。不安定な道を歩きながら、その火を消さないように必死でもがいているような感覚だ。
(なんなんだよ、これ)
「リリアンヌ」
部屋を出ていこうとしたところを、アルフレッドに呼び止められた。
「いや、その、フェル兄がさ、お前のこと心配していてな」
心臓がトクンとなった。
「フェルナンドは元気ですか?体調など大丈夫ですか?」
「あぁ、とにかく次々と問題が起こるから、頭から火を出して走り回っているよ」
アルフレッドは、大袈裟に言って和まそうとしてくれているらしい。
「そうですか…少し安心しました」
「…そんな顔して笑うなよ」
「え…」
突然投げかけられた言葉の意味が分からず、自分の言葉は喉の奥で止まってしまった。
「突然会えなくなってしまったんだ。そりゃ不安になるだろう」
アルフレッドに慰められるように頭を撫でられた。
「無茶はしないように。早く片付けて、会えるように頑張るからって、伝言だ」
何かが頬をつたっていく、真っ直ぐに流れて、胸の上にポタリと落ちた。
(なにか…なにか言わないと、分かりましたとか、頑張ってくださいとか……私は…)
「私は…寂しいですとお伝えください」
アルフレッドが驚きで目を見開いた。
「ちょっ、おまっ、それ言ったら、フェル兄、学園全部燃やしちまうよ」
なんて事を言ってしまったのか。自分で自分の発言に驚いてしまった。
「でも、まぁー、うん。今は良い薬になるかもしれない」
アルフレッドにワシャワシャと髪をかき混ぜられた。
「リリアンヌ?まだー?って!?ええ!?」
リリアンヌが遅かったので、探しに戻ってきたローリエが二人を見て驚きの声を上げる。
「ちょっと!!どういう事でしょうか!!アルフレッド様!よくもリリアンヌを泣かせてくれましたね!」
「んあ!?違うって!これは!えー…とこれは」
「ローリエ、ちょっとフェルナンドの事を教えてもらっていたの、大丈夫よ」
さすがにアルフレッドが可哀想なので、フォローしておいた。
「ははーん。なるほどねぇ…理解したわ」
「ゴボンっ…とにかく、二人とも無茶はしないように、危ないと思ったら、深追いせずに伝えてくれ」
「ええ」
「分かりました」
(まさか、アルフレッドに励まされるとは…、でも心のもやもやの正体が分かって、少しスッキリした)
(寂しいって…こんな気持ちなんだな)
アレックス・グリーンの捜索は速やかに行われた。
全ての部屋を確認したが、リリアンヌ達のグループは、やはりアレックスを発見できなかった。
「私がジェイドなら、アレックスは、二年の校舎で手足を縛って幽閉しておくわ」
ローリエの意見に、リリアンヌもユージーンも同感だった。
アルフレッド達の調査に期待するしかなかった。
空振りに終った悔しさを抱えながら、リリアンヌは一人教室に残っていた。
ローリエは調べることがあると行ってしまったし、エリーナとエリザベスはすでに宿舎へ戻っている。
「リリアンヌ・ロロルコット様」
知らない生徒だった。
見たことのない男子生徒。
いつの間にか後ろに佇んでいた。
こちらが、声を出す前に、懐から紙を取り出した。
「真の王より招待状です」
金の花の文様でデザインされた、美しい便箋だった。
「え?これ?私に…?」
手渡されたものを確認して、顔を上げると、すでにその生徒は消えていて、教室には、リリアンヌだけが残っていた。
「真の王からの手紙……、まるで主人公のルートだわ」
誰もいない教室に、リリアンヌの声がそっと響いた。
□□□
「先生、どうしてそんなつまらない授業しか出来ないんですか?」
すると、何人かの生徒がそれに賛同した。
「全くだ。私は公爵令息だ。もっとまともな授業が出来なければ、訴えるぞ」
「どうして、男爵家の人間と同じ扱いを受けなければならないんだ!配慮出来ないなら、授業を出来ないようにしてやる!」
次々と教師を叱責し、暴言をはき、授業を妨害し始めた。
それが、一つのクラスではなく、全ての学年のクラスに波及し、女子のクラスも例外なく、授業を妨害する者が出てきた。
教師達は慌てた。彼らも貴族出身であるが、ほとんどが下級貴族の爵位が継げなかった者が多いので、権力を持ち出されると、怯えて従う者も出てきた。
しかし、ここで動くべき学園の法である生徒会には、新たな問題が出てきてしまったのだ。
「運営資金の不正使用!?」
「しぃーーー!!!声が大きいわ。どこで誰が聞いているかもう分からないのよ」
まともな授業にならず、教師達は対応に追われ、教室は自習扱いで、残った生徒達が適当に勉強をしている状態だった。
ボイコットした生徒達は、ジェイドを真の王として、学園の統治権を譲るように訴えて、二年の校舎に集まっている。
残っている生徒の中に、ジェイドの信者が紛れ込んでいる可能性は高い。
リリアンヌとローリエは教室の後ろに集まり、状況を確認していた。
「まずい事になっているわ。生徒会の人間が運営費を横流しして、自分の懐に入れたとか、特定の業者から、金銭をもらって、生徒会事業に優遇して採用されたとか。もう次々と証言者や証拠が出てきて、ボロボロよ」
ローリエは周りを窺いながら、声をひそめて話した。
「急にそんな話?このタイミングで仕掛けてくるのは、ジェイドの仕業ってこと?」
生徒会の方が騒がしくなってから、危険なので近づかないように言われていて、ここ数日、フェルナンドとは会えていない。
「殿下がそんなお粗末な会計に気付かない訳がない。証言や証拠は間違いなくデタラメ。しかし、作られた物でも、それを証明していくには、それなりに時間と手間がかかるのよ。そのうちに、ジェイドの信者は増え続けている。やつの狙いはそれね」
二人して頭を抱えた。助けようにも、どう手を出していいのか分からない。
「ここまで、ジェイドの筋書き通りだとして、次はどう出ると思う?」
「アルフレッド様よ」
「え!?不仲だから?」
「二人の間には因縁があるの。王族と一部の貴族しか知らないけれど、目的はそれでもあるはず」
ローリエに手招きされて、リリアンヌは顔を寄せた。ローリエは耳元でそっと話した。
「お二人はご兄弟なの」
□□□
「母はサファイアの王女で、クラフトに嫁いだが、国内の紛争に巻き込まれた。命の危機を感じ、クラフトを脱出した。その際、俺は母のお腹にいて、ジェイドはクラフトに残された」
談話室に集まったのは、アルフレッド、ルカリオ、フレイム、エリザベス、エリーナ、ローリエ、リリアンヌ、ユージーン。
知らない者もいるだろうからと、アルフレッドが、ジェイドとの因縁を話し始めた。
「サファイアは母の兄が継いでいたが、兄夫婦には女子しか生まれず、伯父は落馬をして子供を成す事が出来ぬ体になってしまった。そのため、王位は今のところ、俺が継ぐ事になっている」
そういうところも気に入らないんだろうな、アイツはと、アルフレッドはため息をついた。
「向こうは、着実に信者が増えてきている。やつが表舞台に出てくるのも時間の問題だろう。我々に出来ることは、失踪した生徒会の会計係を探すことだ」
それは、私がとルカリオが手を挙げた。
「会計係はアレックス・グリーンと言って私の国の子爵令息だ。真面目な男でフェルナンド様の信頼も厚かった。アレックスが帳簿とともに失踪してしまった事で、事態は難しくなっているんだ」
幼い頃からの遊び相手で、アレックスが不正などをするはずがないとルカリオが悔しそうに言った。
「失踪と言うと、外部に出てしまった可能性はないですか?」
ローリエが言うと、ルカリオは首を振って否定した。
「知っての通り、学園は高い塀に囲まれて周りは切り立った崖、出入口は正門しかない。正門は騎士団によって厳重に管理されている。人の出入りや、荷物まで点検される。アレックスが出ていった記録はない」
「となると、二年の校舎にいる可能性が高いのでは…」
ユージーンも恐る恐る意見を述べた。
「二年の校舎は、明らかに危険だから俺とルカリオで探る。ローリエ、リリアンヌ、ユージーンはこちらの校舎で怪しそうな所を探してくれ、エリザベスはエリーナと一緒にいて欲しい」
皆それで納得して、それぞれ動き出すこととなった。
□□□
(なんだろう、もやもやする)
心に灯った火が、ユラユラと揺れ続けている。不安定な道を歩きながら、その火を消さないように必死でもがいているような感覚だ。
(なんなんだよ、これ)
「リリアンヌ」
部屋を出ていこうとしたところを、アルフレッドに呼び止められた。
「いや、その、フェル兄がさ、お前のこと心配していてな」
心臓がトクンとなった。
「フェルナンドは元気ですか?体調など大丈夫ですか?」
「あぁ、とにかく次々と問題が起こるから、頭から火を出して走り回っているよ」
アルフレッドは、大袈裟に言って和まそうとしてくれているらしい。
「そうですか…少し安心しました」
「…そんな顔して笑うなよ」
「え…」
突然投げかけられた言葉の意味が分からず、自分の言葉は喉の奥で止まってしまった。
「突然会えなくなってしまったんだ。そりゃ不安になるだろう」
アルフレッドに慰められるように頭を撫でられた。
「無茶はしないように。早く片付けて、会えるように頑張るからって、伝言だ」
何かが頬をつたっていく、真っ直ぐに流れて、胸の上にポタリと落ちた。
(なにか…なにか言わないと、分かりましたとか、頑張ってくださいとか……私は…)
「私は…寂しいですとお伝えください」
アルフレッドが驚きで目を見開いた。
「ちょっ、おまっ、それ言ったら、フェル兄、学園全部燃やしちまうよ」
なんて事を言ってしまったのか。自分で自分の発言に驚いてしまった。
「でも、まぁー、うん。今は良い薬になるかもしれない」
アルフレッドにワシャワシャと髪をかき混ぜられた。
「リリアンヌ?まだー?って!?ええ!?」
リリアンヌが遅かったので、探しに戻ってきたローリエが二人を見て驚きの声を上げる。
「ちょっと!!どういう事でしょうか!!アルフレッド様!よくもリリアンヌを泣かせてくれましたね!」
「んあ!?違うって!これは!えー…とこれは」
「ローリエ、ちょっとフェルナンドの事を教えてもらっていたの、大丈夫よ」
さすがにアルフレッドが可哀想なので、フォローしておいた。
「ははーん。なるほどねぇ…理解したわ」
「ゴボンっ…とにかく、二人とも無茶はしないように、危ないと思ったら、深追いせずに伝えてくれ」
「ええ」
「分かりました」
(まさか、アルフレッドに励まされるとは…、でも心のもやもやの正体が分かって、少しスッキリした)
(寂しいって…こんな気持ちなんだな)
アレックス・グリーンの捜索は速やかに行われた。
全ての部屋を確認したが、リリアンヌ達のグループは、やはりアレックスを発見できなかった。
「私がジェイドなら、アレックスは、二年の校舎で手足を縛って幽閉しておくわ」
ローリエの意見に、リリアンヌもユージーンも同感だった。
アルフレッド達の調査に期待するしかなかった。
空振りに終った悔しさを抱えながら、リリアンヌは一人教室に残っていた。
ローリエは調べることがあると行ってしまったし、エリーナとエリザベスはすでに宿舎へ戻っている。
「リリアンヌ・ロロルコット様」
知らない生徒だった。
見たことのない男子生徒。
いつの間にか後ろに佇んでいた。
こちらが、声を出す前に、懐から紙を取り出した。
「真の王より招待状です」
金の花の文様でデザインされた、美しい便箋だった。
「え?これ?私に…?」
手渡されたものを確認して、顔を上げると、すでにその生徒は消えていて、教室には、リリアンヌだけが残っていた。
「真の王からの手紙……、まるで主人公のルートだわ」
誰もいない教室に、リリアンヌの声がそっと響いた。
□□□
28
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる