二十二年前の君にも、愛していると伝えたい

朝顔

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後編

後編⑧

 躊躇いなくソレをパクりと口に頬張ったので、ジェレミーはまた、あぁと声を上げた。根本から舐めて大胆に頭を上下に揺らして扱くと、口の中に懐かしい苦味が広がった。
「んっ、ジェレミーのもう出てきたよ」
 調子に乗ったヨランは、先端をペロペロと舐めて我慢汁を堪能する。可愛らしく感じていたジェレミーが起き上がり、ガシッと肩を掴まれた。
「何でそんなに上手いんだ!」
「え……? そうかな? 本で調べただけだ」
「ほ……本でって……この間のパーティーの時だって、エロすぎて……」
「それは嬉しい。ジェレミーに好きになってもらいたくて、頑張ったんだ」
 そう言って笑ったヨランだったが、ジェレミーの上にいたはずなのに、気づいたらベッドに押し倒されていた。
 あれ? と思ったのも束の間、ギラリと目を光らせたジェレミーはヨランの足を持ち上げ、後ろの蕾に指を這わせる。
「そんなこと……言われたらたまらないだろう! 早く繋がりたいけど、ここはちゃんと……」
 指を口に入れ、唾液を絡めたジェレミーは、ヨランの蕾に触れ、ゆっくりと指を挿入してきた。恐る恐るといった指使いが何とも嬉しい。
 初々しいなと思わずヨランの口元が綻ぶと、ジェレミーは片眉を上げる。
「柔らかい……奥の方も……」
「んんっ、だって……」
 ジェレミーと愛し合うため、ヨランは夜な夜な自己開発に勤しんだ。何しろ過去戻り前、初めての時は、なかなか挿入できずに大変だった。あの苦労を味わうのもまた愛おしいが、久々のジェレミーを前にして、ヨランはこれ以上耐えられなかった。
「毎晩ジェレミーのことを思って……一人でソコを……ダメ、だったかな?」
 指を噛んで目を潤ませれば、ジェレミーは火がついたように真っ赤になった。童貞ジェレミーの可愛さに卒倒しそうになる。
「だ……ダメなわけない! 俺だって……毎晩ヨランのことを思い出して……何度も……」
「嬉しい。何度もどうしたの?」
「それは……」
 ヨランは足でガッチリとジェレミーの腰を捕まえ、踵で尻を揉み、グイグイと引き寄せた。
「はやく、きて。ジェレミー」
「うぅ……ヨラン!」
 ハァハァと興奮の息を漏らしながら、ジェレミーはいよいよ蕾を広げ、自身を挿入してきた。予め慣らしておいたが、やはりジェレミーのソコは太くて大きい。
「あ……あ……あっ……あつい、う……んんっ……」
 一気にナカが満たされていく感覚に、ヨランは頭を振って快感に悶える。力の抜きどころは分かっている。だが、奥の方が押し広げられ、痛みを感じると、ギュッと力が入ってしまった。
「ヨラン、大丈夫か?」
「ん……だいじょ、ぶ。もっと……深く……」
 心配そうな顔になったジェレミーが愛おしいが、もっと激しく、獣のように求めてくれて構わない。
 ヨランは自らも足に力を入れて、腰を揺らした。
「うぅ、ヨラン……待ってくれ、それは……」
「気持ちい……い? ジェレミー、すごく熱いよ」
「はぁはぁ、おかしく、なりそうだ。抑えが効かな……うぅ、はぁ……」
 ヨランは手を伸ばして、ジェレミーの首の後ろへ腕を巻き付ける。もっともっと、深く繋がりたくて、ジェレミーの顔を引き寄せて唇に吸い付いた。
「あっ……ん……あっ……あ……んふ……」
 無茶苦茶に煽ってやると、ジェレミーの拙い腰使いは何かがプチンと切れたように激しくなる。
 ヨランの手をベッドに縫い付け、引き抜いてから激しく打ちつけてきた。
「ああっ、い……いた……ジェレミー」
 一気に深く貫かれたので、痛いといってみたが、もう飢えた獣に変わったジェレミーに声は届かない。
 デカイ体で押しつぶし、激しく腰を振り、奥の方までぐちゃぐちゃにされる。痛いくらいの快感に、意識を飛ばしながら、喘ぎ続ける。快感の涙がこぼれ落ちるが、ジェレミーは舌を出してそれを全部舐め取ってしまう。
 まるで一粒残らず喰らい尽くすような勢いに、ゾクゾクと快感に震え、ヨランのソコは爆ぜた。
「あ……あ……イッて……あっ、でちゃっ……た、うう、あっ、くくっ……あっううっ」
 ヨランが達してもジェレミーは激しく攻め続ける。性技に慣れた巧みな攻めも好きだったが、若さ溢れる激しさに目が眩むほど感じてしまう。
「くくっ……ヨラン」
 ピタリと腰を止めたジェレミーが、ドクドクと奥に放っているのを感じ、ヨランは歓喜に震える。種付けされるように奥に出されるのが、一番好きだった。
 一滴たりとも逃したくないと、ジェレミーの腰に足をしっかりと絡めた。
「ハァハァ、はぁ……んっ……はぁ……ジェレミー、良かった……気持ち良かったよ」
「ヨラン……あぁ……愛している、ヨラン」
 二人で達した後、口付けるのも好きだった。唾液を舌の上にたっぷりと乗せ、音を立ててキスをする。
 すると、ジェレミーが出ていくのを待っていたが、奥に再び膨らみを感じ、びっちりと満たされたのが分かる。
「え……まさか……抜かずの……」
「仕方ないだろう。ヨランがエロすぎる」
 さすが若いと口にしそうになり、何とか堪える。さすがにその発言は年齢を疑われてしまう。
「いい……だろう?」
 デカい男に上目遣いで甘く見つめられて、落ちないヤツがいるだろうか。ヨランは頭がトロトロになって、うんと頷いた。
 真っ昼間のベッドの上で、激しく愛し合う二人。
 何度果てても足りないと求められて、ヨランは喜びの声を上げ続けた。
 
 
 
 すっかり辺りが暗くなってから、軽く食事を摂り、二人で並びベッドに転がった。
激しい交わりの連続で、もう、指一本動かすのも重くて、ヨランはぐったりとしていたが、ジェレミーの方は元気そうだ。ヨランの頭を撫で、髪を指に絡ませ楽しそうにしている。
「あのさ、サイラスのこと。ジェレミーの口からちゃんと聞かせてほしい」
 お互いに恋愛感情はなかったと聞いたが、どうしても気になってヨランは問いかける。ジェレミーは寝転がったまま、体をこちらに傾けた。
「子供の頃は、サイラスを助けないといけないという思いでいっぱいで……兄のような気持ちでいた。実際にサイラスに本当の兄ができて、寂しいと感じた時もある。この感情が恋なのかと悩んだが、サイラスの恋を素直に応援することができたんだ。自分は恋愛ができないのかと考えていた時、ヨランに出会った」
「初めはずいぶんと警戒していたけど?」
「ああ、警戒しようとした。だけど、ヨランはあまりにも……その……可愛くて……、言葉遣いも、仕草も、キリッとした視線も……ぐいぐい惹かれて、頭から離れなかった。警戒しないといけないのに、こんな感情はおかしいって、何度も押し込めようとして、生意気な態度をとってみたが、ヨランの反応はもう……本当に……」
 話しながら口に手を当てたジェレミーは、苦しそうに目を閉じた。何かマズいことでもあったのかと、顔を覗き込もうとすると、突然目をカッと開いたジェレミーは、ヨランを抱きしめてきた。
「好きだぁぁぁぁ————!!」
「わっ、ええ?」
「一緒にいるだけでドキドキして、サイラスを間に挟んで何とか気持ちを抑えるので精一杯だった。もう頭の中が、ヨランでいっぱいで……パーティーであんなことになって……否定されてショックだったし、好きな人がいるって聞いていたけど、絶対諦めたくなくて……今はもう……どんなに嬉しいか……」
 三人でいる時は不機嫌そうな顔をしていたが、あれは何とか本心を隠すためだったのだと知り、あまりに可愛く思えて、ヨランはクスクスと笑ってしまった。
「ヨラン、俺が卒業して騎士になったら、すぐに結婚しよう」
「え………」
「アーデルハイド家の連中には怒りしかない。遺産を渡したくないからってヨランを追い出すなんて……。ヨランは一人じゃない。俺と一緒になってほしい」
「ジェレミー……」
 プロポーズは十年早いんじゃないかと思うが、ジェレミーの優しさに涙が溢れてくる。
 前は下手なプライドが邪魔をして、ジェレミーを待たせてしまった。今度は後悔しない人生を生きると決めた。
 もちろん、ジェレミーと二人で……。
「ありがとう……嬉しい。俺もジェレミーと結婚したい。教会で式を挙げて、その時に祝福を受けるよ」
「それって……」
「家族になろう。ジェレミーに似た、可愛い子ができるといいな」
「それは……気が早いけど……、ヤバい、最高に嬉しい……どうにかなりそうだ」
 ジェレミーが嬉しそうに笑うので、ヨランの胸も熱くなる。
 その顔を見たら、自分の選択は正しかったと改めて思う。
 ジェレミーのために、時戻りをしたことに後悔はない。こうやって再び出会い、愛し合うことができたのだから。
 たとえ、時戻りの代償に二十二年分の命を失ったとしても……。
 禁術書には、時戻りをした分、寿命を失うと書かれていた。ヨランはそれを見ても迷うことなんてなかった。むしろ、その程度で済むならありがたいと思ったほどだ。
「俺の両親はね、事故で亡くなったけど、うちの家系はすごく長寿なんだ。みんな百歳以上生きている」
「そんなに……! これは……頑張らないと、け……健康に気をつけて。いつまでもヨランと一緒にいられるように……」
「ふふふっ、まだ若いくせに、何言ってんの」
 真剣に健康的な生活について考え始めたジェレミーを見て、クスッと笑ったヨランは、彼の頬にキスをした。
「……ジェレミー。夕方の空を赤く染めたのは俺だよ。ジェレミーの瞳の色にしたんだ」
 分かっている。これは、今のジェレミーの知らない言葉遊びだ。だけど、大好きなジェレミーの顔を見ていたら、つい口がいつものように動いていた。
「そうか。それなら、空を青く塗ったのは俺だ。ヨランの瞳の色にした。いつでも近くでヨランを感じていたいから」
 にっこりと笑ったジェレミーが言葉遊びを返してくれた。変わらない愛を感じて、ヨランの目から涙がこぼれ落ちる。
「な、なんだ……、泣くほど俺の返しが上手かったのか?」
 溢れ出る涙を拭ったヨランは、ジェレミーの頭を包み込むように抱きしめた。
「ジェレミー、やっぱり、ジェレミーだ。世界で一番、君が好きだ。もうどこにも行かないで。ずっと側にいて」
「ああ、ずっと一緒だ。怪我と健康には気をつける」
 ジェレミーの答えに、ヨランは泣きながら笑った。

 違う選択をしても変わらないもの、それは二人が愛し合っていて、一緒に生きていくこと。
 
 これから先、何が起きてもずっと、
 飽きるくらい、たくさんの幸せを二人で感じて生きていきたい。
 
「ジェレミー、愛している」
 二十二年前の君にも、やっと伝えることができた。



 
【終わり】
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