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第一章 悪役令嬢はナイトメアモードを選ぶ
【Side】 軍神マルス ~地雷みたいな祝福ですかね~
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「うわぁ、やらし~」
俺のやり方に、主神はご不満なようで。
「炎の力を得て、敵軍を焼き払ったらゲームオーバーなのに、そのための祝福だぞと言わんばかりに勧めるとか」
「クク、そうですかね。俺達、四元を司る神の力を得て、殺戮に使うなんてのはサルでも思いつく下策中の下策でしょーが。俺の偉大なる炎の力をそんなことにしか使えない人間になんざ、俺の承認は与えていられない。即刻、承認を取り消しますがナニカ?」
その美しく豊かな髪に指を絡ませながら、アフロディーテが肩をすくめた。
「承認も取消も軽すぎるマルスの祝福は地雷みたいなものよ、あの子、よく、かわしたじゃない?」
「承認条件は祝福を受けること、取消条件は炎の力によって生命を一つ奪うこと。言うほど軽いかねぇ? 生命を奪っても、炎の力によらなければいいんだから、ユースティティアより緩いと思うがな」
ふふんと、主神が優越感たっぷり、得意げに片手を上げた。
「うん、いいね。雪乃の『正しい願い』が強くなった。そう、私の偉大さを、もっとみんな思い知るべきだよ」
どうもなぁ。
この人が唯一無二の全能神だっていうんだから、なんだかなぁ。
「そういえば、私はてっきり、雪乃を最初に承認したのはアフロディーテだと思っていたんだけど。メティスだったのか」
「究極の知恵とは『正しい願い』を持つこと、知恵の女神の承認は『正しい願い』を持つ者に与えられるべきだと、主神が仰られたような……」
「え? ああ、もちろんだよ。それが究極の知恵というものだ」
「どうしてなのかしら。メティスの祝福を授かった者は、ひきこもりになりやすいのよね」
「隠棲と言ってくれないかな」
メティスの祝福を授かり、山奥に隠棲しちまった歴史に名を残す賢者や哲人は、マジで多いんだよな。
雪乃もメティスの祝福を授かる前は、ひきこもりじゃなかったんだぜ?
「しかし、水神ねぇ。ウンディーネは承認条件が厳しくねぇか?」
水神の承認条件は千の命を救うこと。
なかなか骨だぜ、これは。
非業の死を遂げる予定の千の命が、そこらに転がってないと始まらない。
「ゲームオーバーの条件が承認取消である以上、承認条件が厳しい神の承認から得てゆくは賢明なやり方じゃのう。雪乃は承認条件を知っていて選んだわけではないようじゃが?」
真っ先に雪乃を承認したメティスが、心地好さげに微笑んだ。
俺のやり方に、主神はご不満なようで。
「炎の力を得て、敵軍を焼き払ったらゲームオーバーなのに、そのための祝福だぞと言わんばかりに勧めるとか」
「クク、そうですかね。俺達、四元を司る神の力を得て、殺戮に使うなんてのはサルでも思いつく下策中の下策でしょーが。俺の偉大なる炎の力をそんなことにしか使えない人間になんざ、俺の承認は与えていられない。即刻、承認を取り消しますがナニカ?」
その美しく豊かな髪に指を絡ませながら、アフロディーテが肩をすくめた。
「承認も取消も軽すぎるマルスの祝福は地雷みたいなものよ、あの子、よく、かわしたじゃない?」
「承認条件は祝福を受けること、取消条件は炎の力によって生命を一つ奪うこと。言うほど軽いかねぇ? 生命を奪っても、炎の力によらなければいいんだから、ユースティティアより緩いと思うがな」
ふふんと、主神が優越感たっぷり、得意げに片手を上げた。
「うん、いいね。雪乃の『正しい願い』が強くなった。そう、私の偉大さを、もっとみんな思い知るべきだよ」
どうもなぁ。
この人が唯一無二の全能神だっていうんだから、なんだかなぁ。
「そういえば、私はてっきり、雪乃を最初に承認したのはアフロディーテだと思っていたんだけど。メティスだったのか」
「究極の知恵とは『正しい願い』を持つこと、知恵の女神の承認は『正しい願い』を持つ者に与えられるべきだと、主神が仰られたような……」
「え? ああ、もちろんだよ。それが究極の知恵というものだ」
「どうしてなのかしら。メティスの祝福を授かった者は、ひきこもりになりやすいのよね」
「隠棲と言ってくれないかな」
メティスの祝福を授かり、山奥に隠棲しちまった歴史に名を残す賢者や哲人は、マジで多いんだよな。
雪乃もメティスの祝福を授かる前は、ひきこもりじゃなかったんだぜ?
「しかし、水神ねぇ。ウンディーネは承認条件が厳しくねぇか?」
水神の承認条件は千の命を救うこと。
なかなか骨だぜ、これは。
非業の死を遂げる予定の千の命が、そこらに転がってないと始まらない。
「ゲームオーバーの条件が承認取消である以上、承認条件が厳しい神の承認から得てゆくは賢明なやり方じゃのう。雪乃は承認条件を知っていて選んだわけではないようじゃが?」
真っ先に雪乃を承認したメティスが、心地好さげに微笑んだ。
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