悪役令嬢の舞台裏 ~悪役令嬢と十三霊の神々~

冴條玲

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悪役令嬢の舞台裏

命名の舞台裏

 神に選ばれし闇主はガゼル。
 サクリファイスにふさわしい、容姿端麗、頭脳明晰、誠実で優しい人間として、神々の祝福のもとに創造されました。

 名前はガゼル。
 エレガントに優美にしなやかに。
 生贄のヤギ的なナニカ。

デゼル「何の話!? サクリファイスって何の話!?」
エリス「あんたもそうよ。神々のための見世物ショー『一人の少女を徹底的に破壊し尽くす残酷物語』のヒロインに選ばれて、この世界に転生させられたのよ」
主神「え、違うんだけど。なんかそれ違うんだけど」

 悪役令嬢に選ばれし闇主はサイファ。
 単なる町人Sとして、神様がサイコロふってテキトーに、庶民パーツで創造しました。

 名前はサイファ。
 あれ。
 サイコロによって決まった名前ですが、サクリファイスから三文字取って並べ替えたやつですね。
 あれ。
 たいへんに心が強く素直で、まっすぐで、澄み渡る空のよう。

 サイコロの神様、恐るべし。
 そのために創造されたガゼルより、町人Sの方がサクリファイスに向いてる感じ。

デゼル「だからそれ何の話!? 聞いてないよ!」


 そこまで考えて決めた設定じゃなかったんだけど。
 この作品、割とザツな構想で書き始めていて、デゼルもサイファも思いつきで直感的に命名しました。
 時間をかけて丁寧に書くつもりじゃなかったんです。

 直感、恐るべし。

 構想がかたまって、思いがけず感動の物語として仕上がった頃、ふと登場人物の名前を見たら。
 すごい。
 直感でこれしかない名前を選んでました。
 絵も文章も、直感で書く時が一番すごいんだ私。
 何かが降臨してないと直感では書けないんだけど。

 デゼルはジゼルから。
 薄幸の美少女。裏切られる者。死装束で踊る儚く優しい妖精。

 読んだ人ならご承知の通り、甘く切ない恋物語で、悲劇でもなんでもないんですけれども。デゼルがサイファに裏切られる物語じゃないよ。
 デゼルを裏切るのは主神。
 サイコロの神様が最強だから、きっと、ハッピーエンド。


 というわけで、ガゼルとデゼルは一文字違いだけど、その名前に込められた意味は、メタ的には結構、違うのでした。
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