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欠損少女と三流道化
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…おなか空いたなぁ
ゲームが始まって二日目、一日目のあの立方体は解除される兆候も見せなかったので結局その場から離れてしまったのがいけなかった。
わたしには腕がない、当然配布されたスマホも持てないので開始地点に置いてきちゃったし、誰かがいなければまともに食事にもありつけない、そもそも地図となるスマホがないから食料のある所にたどり着けない。
そしてわたしは生まれてこの方体の事情ゆえにほぼ外に出たことがない箱入り?娘だ。当然方向感覚などあるわけがない。
幸か不幸かあの坊主頭の三人組以来誰にも会っていない、このままだと…
誰にも会わなかったとき→餓死
誰かに出会ったとき→ひゃっはー雑魚だぁ!
ううう、どっち道わたしの命は危ない、とりあえずご飯のためにショッピングモールを目指しているが、私はたどり着けるのだろうか?
さらに言えばわたしの能力は全く役に立たない、空腹は『殺せ』ない、ないものは否定できないのだ。
…それに誰かに出会ったとき、はたしてわたしはこの能力で相手を害することなどできるのだろうか?
途中の公園で水は飲むことができたがそれだけだ、おなかは空腹を訴えている…
「コフッ…」
また喀血…時々来る発作も風前の灯のわたしの命をどんどん蝕んでいる。
かみさま、希望はないのですか?
そんな時だった、突然道が開けて前に大きな建物が見えた…ショッピングモールだ。
どうやらご飯にありつけそうだ、ありがとうかみさま。
でもどうしよう、やっぱり犬食いかなぁ…はぁ…
◇
「チッ…やっぱ不幸だな」
「グルルルルル…」
駐車場から一階食料品売り場に入ったが、そこにも問題はあった、筋肉とオオカミが戦闘を繰り広げていたのだ。
ちなみに決着はすぐについた、というか俺が原因なのだが…ちなみにこんな感じ
~回想~
「くっ、この犬っころめ!なかなかやりおる!」
「グルルルルルルル!」
はい、ここでオオカミの背後から俺登場
「フッ雑魚がのこのこでてきおt「ガウッ!」ぐああああああ!!!」
俺の能力、どうやら俺が視界に入れば自動発動のようだ、しかも俺をあざ笑う心はずっと変わらないらしい。つらい。
ごめんマッチョさん、でも初対面のマッチョに嗤われる俺の心のことも考えてください。
この能力からして、俺はこのゲームで仲間などできることはないだろう、悲しい、やっぱ不幸だ。
「グルルルル…」
オオカミがこちらへ向いた、このオオカミ、人が化けたか、能力の一部か、大穴でゲーム参加者のひとりってとこだろうか。
しかし、オオカミだ人とは違う、仲良くなれるかもしれない。そんな淡い期待を持ってみるが…
「グルル…ハンッ…」
オオカミにまで嘲笑われた、不幸だ。…よし、殺そう、笑ったやつは死刑だ。
~回想終了~
「グゥアアアアア!!」
「なんだ?」
突如オオカミが苦しみ始める、あのマッチョの呪いか何かだろうか、様子見のため俺は距離を取った。
「アアああああ…ふう…」
なんということだろうか、オオカミは人間に変わってしまった。いや戻ったということか、だが気は抜けない。
…いやしかし、人形態なら友好的に
「ハッ!正直今の俺でも負ける気はしないが、念には念だ!」
狼男は小麦粉の棚を蹴り飛ばし、粉まみれになりつつ粉に紛れて逃げていった。そして人形態でも無理でした(´・ω・`)ショボン
「ん?」
俺が少し目を離した時だった。散らばった小麦粉はそのままだったが、棚には新しい小麦粉が並んでいた。
「…試してみるか」
俺は適当にレタスをとってみた、少し待つ、するとどうだろう、1分ほどでそこには新しいレタスが現れた。
「食料が尽きることは無いってか…こりゃ建物とかも直ってるかもしれねえな」
仮説を確かめるため、俺はさっきドリル女がいた駐車場へ向かった。
そこで俺は、天使と出会った。
◇
ショッピングモールに着いたわたしは一階の食料売り場に向かって歩いていた。
みんなおなかはすくから誰かと出会うかもしれません、どう転ぶかはわからないけど、ここで怯えていても餓死するだけ、勇気をもって前へ進まないと…
「はぁ不幸だ、ちくしょうあの駄犬次遭ったら必ずぶっ殺してやる…」
「!」
だれか人がいる、逃げ出そうにもわたしの身体能力では無理だろう、隠れようにも道は一本、何もできやしない
「ん?」
声の主がわたしの前に現れる、がたいのいいぼさぼさの短髪の男性だった。もちろん私に戦う気はないが彼の前のセリフからして襲われるかもしれない。
なんにせよ、話しかけなければ始まらない、私は普通に声をかけようとするが、何故かこの男性を蔑む感情が湧いてくる。
「ッ!!」
まずい、こんな気持ちで話しかけたら印象最悪、戦闘待ったなしだ。わたしは慌ててこの沸き起こる感情を押し『殺す』。
醜い感情は消え、男性をまっすぐ見つめるが今度は恐怖が湧いてきた。足が震え、寒気がするが自分の体を抱きしめる腕はわたしにはない、だけど挨拶はちゃんとしなさいってお母さんが言っていた。
お母さんのいう通り、はっきりした声で微笑んで
「あ、あのっ…こ、こんにちは…」
かすれた声でぎこちない笑顔の挨拶でした。
…お母様、そもそも普段から話す人が家族か病院関係者くらいしかいないわたしにとって、いきなり年上の男性に話しかけるというのはハードルが高すぎたようです。
あああ、男性もきょとんとした顔でこちらを見つめています。ううう。
嘲笑されなかった…だと…?
◇
「「「芥子川部長!」」」
「お前ら!」
無事に野球部の仲間たちと合流できた、スマホで参加者の名前を見てまさかとは思っていたが、そのまさかだったようだ。
「いやあよかった無事だったんですね」
「部長なら生きてると思ってました」
「そんなことより食料探そうぜ」
「「賛成」」
「お前らぁ!!」
合流できてよかったのだろうか?
「ふっふっふ、お前らこいつを見な」
「なっ」
「部長、まさかそれは」
「で、伝説の…」
「ああ、伝説でも何でもないが、食料と水だ!」
「「「流石ッス部長!」」」
おにぎりを食べながらこいつらと現状把握をする
「なるほど、目の前で女の子が死んだと」
「美人でした?」
「叢雨…お前死者になんていう」
「かわいかった」
「部長!」
基本バカばっかりだが、なんていうか安心感がある、合流できてよかった
「これは!」
「どうした風霧」
「ハーレム作ってるクソ野郎の匂いがする!」
「「「なにぃ!」」」
ほんとバカばっかだ、もちろん俺も
◇
それは、私がA級ターゲット「回避者」を母親から奪った瞬間だった。
背中から生えた羽による最高速度で突っ込み、私に赤ん坊を取られ呆気にとられる母親、傑作すぎてその顔をしばらく眺めていたかったが、そんな暇はすぐになくなった。
刹那の瞬間、母親は触手で私を捕らえようとして…
「かえしなさっあっ」
流星にミンチにされた
今度は私が呆気にとられる、流星が来た方向を見る、私が見たのはまっすぐ落ちるように飛んでくる10円玉の群れだった
「うわああああ!!!」
赤ん坊の能力のことも忘れて叫んでしまった、でも仕方ないことだと思う、これは怖い。
それに…
「いったいどこから?」
敵が見えない
ゲームが始まって二日目、一日目のあの立方体は解除される兆候も見せなかったので結局その場から離れてしまったのがいけなかった。
わたしには腕がない、当然配布されたスマホも持てないので開始地点に置いてきちゃったし、誰かがいなければまともに食事にもありつけない、そもそも地図となるスマホがないから食料のある所にたどり着けない。
そしてわたしは生まれてこの方体の事情ゆえにほぼ外に出たことがない箱入り?娘だ。当然方向感覚などあるわけがない。
幸か不幸かあの坊主頭の三人組以来誰にも会っていない、このままだと…
誰にも会わなかったとき→餓死
誰かに出会ったとき→ひゃっはー雑魚だぁ!
ううう、どっち道わたしの命は危ない、とりあえずご飯のためにショッピングモールを目指しているが、私はたどり着けるのだろうか?
さらに言えばわたしの能力は全く役に立たない、空腹は『殺せ』ない、ないものは否定できないのだ。
…それに誰かに出会ったとき、はたしてわたしはこの能力で相手を害することなどできるのだろうか?
途中の公園で水は飲むことができたがそれだけだ、おなかは空腹を訴えている…
「コフッ…」
また喀血…時々来る発作も風前の灯のわたしの命をどんどん蝕んでいる。
かみさま、希望はないのですか?
そんな時だった、突然道が開けて前に大きな建物が見えた…ショッピングモールだ。
どうやらご飯にありつけそうだ、ありがとうかみさま。
でもどうしよう、やっぱり犬食いかなぁ…はぁ…
◇
「チッ…やっぱ不幸だな」
「グルルルルル…」
駐車場から一階食料品売り場に入ったが、そこにも問題はあった、筋肉とオオカミが戦闘を繰り広げていたのだ。
ちなみに決着はすぐについた、というか俺が原因なのだが…ちなみにこんな感じ
~回想~
「くっ、この犬っころめ!なかなかやりおる!」
「グルルルルルルル!」
はい、ここでオオカミの背後から俺登場
「フッ雑魚がのこのこでてきおt「ガウッ!」ぐああああああ!!!」
俺の能力、どうやら俺が視界に入れば自動発動のようだ、しかも俺をあざ笑う心はずっと変わらないらしい。つらい。
ごめんマッチョさん、でも初対面のマッチョに嗤われる俺の心のことも考えてください。
この能力からして、俺はこのゲームで仲間などできることはないだろう、悲しい、やっぱ不幸だ。
「グルルルル…」
オオカミがこちらへ向いた、このオオカミ、人が化けたか、能力の一部か、大穴でゲーム参加者のひとりってとこだろうか。
しかし、オオカミだ人とは違う、仲良くなれるかもしれない。そんな淡い期待を持ってみるが…
「グルル…ハンッ…」
オオカミにまで嘲笑われた、不幸だ。…よし、殺そう、笑ったやつは死刑だ。
~回想終了~
「グゥアアアアア!!」
「なんだ?」
突如オオカミが苦しみ始める、あのマッチョの呪いか何かだろうか、様子見のため俺は距離を取った。
「アアああああ…ふう…」
なんということだろうか、オオカミは人間に変わってしまった。いや戻ったということか、だが気は抜けない。
…いやしかし、人形態なら友好的に
「ハッ!正直今の俺でも負ける気はしないが、念には念だ!」
狼男は小麦粉の棚を蹴り飛ばし、粉まみれになりつつ粉に紛れて逃げていった。そして人形態でも無理でした(´・ω・`)ショボン
「ん?」
俺が少し目を離した時だった。散らばった小麦粉はそのままだったが、棚には新しい小麦粉が並んでいた。
「…試してみるか」
俺は適当にレタスをとってみた、少し待つ、するとどうだろう、1分ほどでそこには新しいレタスが現れた。
「食料が尽きることは無いってか…こりゃ建物とかも直ってるかもしれねえな」
仮説を確かめるため、俺はさっきドリル女がいた駐車場へ向かった。
そこで俺は、天使と出会った。
◇
ショッピングモールに着いたわたしは一階の食料売り場に向かって歩いていた。
みんなおなかはすくから誰かと出会うかもしれません、どう転ぶかはわからないけど、ここで怯えていても餓死するだけ、勇気をもって前へ進まないと…
「はぁ不幸だ、ちくしょうあの駄犬次遭ったら必ずぶっ殺してやる…」
「!」
だれか人がいる、逃げ出そうにもわたしの身体能力では無理だろう、隠れようにも道は一本、何もできやしない
「ん?」
声の主がわたしの前に現れる、がたいのいいぼさぼさの短髪の男性だった。もちろん私に戦う気はないが彼の前のセリフからして襲われるかもしれない。
なんにせよ、話しかけなければ始まらない、私は普通に声をかけようとするが、何故かこの男性を蔑む感情が湧いてくる。
「ッ!!」
まずい、こんな気持ちで話しかけたら印象最悪、戦闘待ったなしだ。わたしは慌ててこの沸き起こる感情を押し『殺す』。
醜い感情は消え、男性をまっすぐ見つめるが今度は恐怖が湧いてきた。足が震え、寒気がするが自分の体を抱きしめる腕はわたしにはない、だけど挨拶はちゃんとしなさいってお母さんが言っていた。
お母さんのいう通り、はっきりした声で微笑んで
「あ、あのっ…こ、こんにちは…」
かすれた声でぎこちない笑顔の挨拶でした。
…お母様、そもそも普段から話す人が家族か病院関係者くらいしかいないわたしにとって、いきなり年上の男性に話しかけるというのはハードルが高すぎたようです。
あああ、男性もきょとんとした顔でこちらを見つめています。ううう。
嘲笑されなかった…だと…?
◇
「「「芥子川部長!」」」
「お前ら!」
無事に野球部の仲間たちと合流できた、スマホで参加者の名前を見てまさかとは思っていたが、そのまさかだったようだ。
「いやあよかった無事だったんですね」
「部長なら生きてると思ってました」
「そんなことより食料探そうぜ」
「「賛成」」
「お前らぁ!!」
合流できてよかったのだろうか?
「ふっふっふ、お前らこいつを見な」
「なっ」
「部長、まさかそれは」
「で、伝説の…」
「ああ、伝説でも何でもないが、食料と水だ!」
「「「流石ッス部長!」」」
おにぎりを食べながらこいつらと現状把握をする
「なるほど、目の前で女の子が死んだと」
「美人でした?」
「叢雨…お前死者になんていう」
「かわいかった」
「部長!」
基本バカばっかりだが、なんていうか安心感がある、合流できてよかった
「これは!」
「どうした風霧」
「ハーレム作ってるクソ野郎の匂いがする!」
「「「なにぃ!」」」
ほんとバカばっかだ、もちろん俺も
◇
それは、私がA級ターゲット「回避者」を母親から奪った瞬間だった。
背中から生えた羽による最高速度で突っ込み、私に赤ん坊を取られ呆気にとられる母親、傑作すぎてその顔をしばらく眺めていたかったが、そんな暇はすぐになくなった。
刹那の瞬間、母親は触手で私を捕らえようとして…
「かえしなさっあっ」
流星にミンチにされた
今度は私が呆気にとられる、流星が来た方向を見る、私が見たのはまっすぐ落ちるように飛んでくる10円玉の群れだった
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