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地下編開幕
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―話はこのゲームが始まった初日に遡る―
それは私がこのゲームに巻き込まれてすぐのことだった、商店街を目指していたが、いきなり景色が変わり、この薄暗い洞窟に連れてこられた。もう昨日のことだが今考えれば誰かの能力だったのだろう、有名なミノタウロスの洞窟のような能力かもしれない、怪物には気を付けよう…
No.59 加賀 晴那
―上昇地流―
自身から半径15メートルまでの地面を隆起させることができる、あくまで上にしか動かすことはできない
幸い食料はなぜか落ちている、なんでかはわからないが食べても昨日は無事だったからきっと大丈夫だろう、水もこの洞窟の深いところに溜まっていたから確保できた、しかしそれでも問題というものはある。
「人か…済まないな、俺はやりたいことがある、やらなければならないんだ、本当に済まない」
そう、他の参加者だ、向こうは申し訳なさそうな顔で謝りながらも距離をじりじりと詰めてくる。
整った顔の男性だがその顔は暗い、真っ暗な顔のままゆったりと歩いてくる、私だって黙ってやられるわけにはいかない身構えるが
「消えた!?」
突如男性が消える、いったいどこに、私はすぐ後ろを振り向く、しかしそこには誰もいない
「うっ…」
背後からうめき声がした、また振り向くとそこには…
「…何やってんのアンタ」
「…すいません、助けて…」
倒れた男性がいた、どうやら姿が消えたのでなく倒れたのを見逃しただけのようだ、薄暗い洞窟だから気づかなかった。というか暗い顔は体調が悪いせいか!
「はぁ…」
「あはははは…やっぱだめですか?」
「別にいいわよ、びっくりしたけど害はなかったし、悪い奴にも見えないしね、終わり良ければすべて良し、ほら手貸しなさい」
「すいません」
仕方なくうつ伏せに倒れた男性に手を伸ばす、が男性は全然動かない
「どうしたのよアンタ」
「いや本当にすみません、体が動かなくて…痺れが…」
「ああもうめんどくさいわねえ!」
私は能力を発動しちょうど椅子のような形に地面を隆起させ男を起き上がらせる、とその時だった小さい子供が泣き叫びながら突撃してきたのだ
「にいちゃんにてをだすなああああうわああああああ!」
「新手!?」
「あっ違います」
男の言葉は遅すぎた、私は地面に小さな突起を作り子供を転ばせる
「ふぎゅっ!」
「「あっ」」
子供は気絶した。
◇
「いやアンタね、あんな言い方で近づいて倒れるなんて私じゃなかったら殺されてるわよ、あと戦う気もないのに何であんなこと言ったの?」
「いやあ~ノリで、本当にすいませんでした。ほら廉渡も」
「ごめんなさい」
目の前に正座する二人の前で私はため息をついた。まあ過ぎたことだしこの目の前のバカはともかく子供は叱る気になれない
「で、私は加賀晴那」
「へぇー奇遇ですね、俺のおばあちゃんもハルナなんです」
「はるちゃんだね!」
二人の発言に額に青筋が走る、っといけない押さえろ私、今切れたらこの子供が泣く
「アンタ人の名前聞いておばあちゃんと同じって言うのはどうよ?というかそんなことよりもこっちが名乗ったんだから名前言いなさい!名前!」
「こばやしれんと5才です!」
No.95 小林 廉渡こばやしれんと
ー雷神ー
指定した一人の相手、場所の真上に雷を落とす。
雷は標的の頭上1メートルから突然発生し、落とされる。
「そう、廉渡君ねそっちのアンタは?」
「ええ~言わなきゃダメ?」
「死ね!」
「えぇ~」
しぶしぶといった様子で男が「仕方ないなぁハル太君は」などと言い自己紹介する、すっごい殴りたい
「逆鐘輝政22歳児です」
No.21 逆鐘 輝政さかがね てるまさ
―闘神の人差し指―
人差し指でのデコピンの威力が100倍になる、威力が100倍になるだけで指の耐久力は変化しない。
「逆鐘ね、って22歳児って何よ22歳児ってぇ!」
「そんなキレなくても…ふざけただけじゃん」
「アンタそれで死にかけたんでしょうがあ!」
はあはあと息を切らす、ダメだ突っ込みが追い付かない
「はるちゃんだいじょうぶ?」
「ああうん大丈夫よ、ちょっとこの馬鹿殴りたいだけだから」
ありがとう廉渡君、ちょっと落ち着いた、小さい子は癒しね
「そういえば廉渡、ちゃんと雷使わなかったな、えらいぞ」
「えへへへへへ」
「アンタは人の話を聞けえええええ!」
マジでこいつは人の話を聞かない、本当に聞かない、こいつは社会で生きていけるのだろうか、いや憎まれっ子世に憚るとも言うし、実力だけはあるのかもしれない
「まあ、そう怒るんじゃないはるにゃん」
「はるにゃん!?」
「はるにゃんってなまえかわいいね~」
「ね~」
「うっせえええええええ!」
うん、こいつ人をおちょくる実力だけはあるわ、ますますこいつがまともに社会で生きて行けるのかわからなくなったが
「話を聞くといい、出会った当初俺は痺れで倒れただろう?」
「うん、ああそうね、なんでなの?」
「水飲むときに廉渡の能力で誤爆していた、思えばそれが廉渡との出会いだったな」
「アンタやっぱバカでしょ?」
「だから話を聞けと…俺の時は水から感電したから威力が落ちていたが、あの時はるにゃんに当たっていれば今頃はるにゃんの丸焼きの出来上がりだったんだぞ、これは廉渡をほめてやるべきだ」
「えへへー」
「だからはるにゃん呼ぶなと、って丸焼き!?」
「「うん」」
気づかぬうちに私はデッドオアアライブしていたらしい、こんな小さい子が…能力おそるべしだわ
「というかそんなに強い能力ならすぐに誰か倒して脱出できるんじゃないの?」
私の質問に廉渡君は暗い顔を逆鐘のゴミはやれやれこれだからはるにゃんは…などと言いたそうな顔をしている
「これだからはるにゃんは…」
「マジで言いやがったこいつ」
「とにかくな、人の丸焼きだぞ、廉渡がそんな怖いことできると思うか?というかトラウマになるまで俺が人が焼けていく過程をえぐく語った」
「何やってんのアンタ!ああごめんね廉渡君、考えが足りなかったよ」
「ううん、だいじょうぶ」
「ほら、はるにゃんよ、廉渡様の靴を舐めて許しを請うがいい」
「ねえ廉渡君、こいつぶん殴っていいかしら」
「ころさないでね」
「もちろんよ」
「ちょっと待て廉渡貴様裏切っ…ぐはっ」
とりあえず一発腹にぶちかました。
それは私がこのゲームに巻き込まれてすぐのことだった、商店街を目指していたが、いきなり景色が変わり、この薄暗い洞窟に連れてこられた。もう昨日のことだが今考えれば誰かの能力だったのだろう、有名なミノタウロスの洞窟のような能力かもしれない、怪物には気を付けよう…
No.59 加賀 晴那
―上昇地流―
自身から半径15メートルまでの地面を隆起させることができる、あくまで上にしか動かすことはできない
幸い食料はなぜか落ちている、なんでかはわからないが食べても昨日は無事だったからきっと大丈夫だろう、水もこの洞窟の深いところに溜まっていたから確保できた、しかしそれでも問題というものはある。
「人か…済まないな、俺はやりたいことがある、やらなければならないんだ、本当に済まない」
そう、他の参加者だ、向こうは申し訳なさそうな顔で謝りながらも距離をじりじりと詰めてくる。
整った顔の男性だがその顔は暗い、真っ暗な顔のままゆったりと歩いてくる、私だって黙ってやられるわけにはいかない身構えるが
「消えた!?」
突如男性が消える、いったいどこに、私はすぐ後ろを振り向く、しかしそこには誰もいない
「うっ…」
背後からうめき声がした、また振り向くとそこには…
「…何やってんのアンタ」
「…すいません、助けて…」
倒れた男性がいた、どうやら姿が消えたのでなく倒れたのを見逃しただけのようだ、薄暗い洞窟だから気づかなかった。というか暗い顔は体調が悪いせいか!
「はぁ…」
「あはははは…やっぱだめですか?」
「別にいいわよ、びっくりしたけど害はなかったし、悪い奴にも見えないしね、終わり良ければすべて良し、ほら手貸しなさい」
「すいません」
仕方なくうつ伏せに倒れた男性に手を伸ばす、が男性は全然動かない
「どうしたのよアンタ」
「いや本当にすみません、体が動かなくて…痺れが…」
「ああもうめんどくさいわねえ!」
私は能力を発動しちょうど椅子のような形に地面を隆起させ男を起き上がらせる、とその時だった小さい子供が泣き叫びながら突撃してきたのだ
「にいちゃんにてをだすなああああうわああああああ!」
「新手!?」
「あっ違います」
男の言葉は遅すぎた、私は地面に小さな突起を作り子供を転ばせる
「ふぎゅっ!」
「「あっ」」
子供は気絶した。
◇
「いやアンタね、あんな言い方で近づいて倒れるなんて私じゃなかったら殺されてるわよ、あと戦う気もないのに何であんなこと言ったの?」
「いやあ~ノリで、本当にすいませんでした。ほら廉渡も」
「ごめんなさい」
目の前に正座する二人の前で私はため息をついた。まあ過ぎたことだしこの目の前のバカはともかく子供は叱る気になれない
「で、私は加賀晴那」
「へぇー奇遇ですね、俺のおばあちゃんもハルナなんです」
「はるちゃんだね!」
二人の発言に額に青筋が走る、っといけない押さえろ私、今切れたらこの子供が泣く
「アンタ人の名前聞いておばあちゃんと同じって言うのはどうよ?というかそんなことよりもこっちが名乗ったんだから名前言いなさい!名前!」
「こばやしれんと5才です!」
No.95 小林 廉渡こばやしれんと
ー雷神ー
指定した一人の相手、場所の真上に雷を落とす。
雷は標的の頭上1メートルから突然発生し、落とされる。
「そう、廉渡君ねそっちのアンタは?」
「ええ~言わなきゃダメ?」
「死ね!」
「えぇ~」
しぶしぶといった様子で男が「仕方ないなぁハル太君は」などと言い自己紹介する、すっごい殴りたい
「逆鐘輝政22歳児です」
No.21 逆鐘 輝政さかがね てるまさ
―闘神の人差し指―
人差し指でのデコピンの威力が100倍になる、威力が100倍になるだけで指の耐久力は変化しない。
「逆鐘ね、って22歳児って何よ22歳児ってぇ!」
「そんなキレなくても…ふざけただけじゃん」
「アンタそれで死にかけたんでしょうがあ!」
はあはあと息を切らす、ダメだ突っ込みが追い付かない
「はるちゃんだいじょうぶ?」
「ああうん大丈夫よ、ちょっとこの馬鹿殴りたいだけだから」
ありがとう廉渡君、ちょっと落ち着いた、小さい子は癒しね
「そういえば廉渡、ちゃんと雷使わなかったな、えらいぞ」
「えへへへへへ」
「アンタは人の話を聞けえええええ!」
マジでこいつは人の話を聞かない、本当に聞かない、こいつは社会で生きていけるのだろうか、いや憎まれっ子世に憚るとも言うし、実力だけはあるのかもしれない
「まあ、そう怒るんじゃないはるにゃん」
「はるにゃん!?」
「はるにゃんってなまえかわいいね~」
「ね~」
「うっせえええええええ!」
うん、こいつ人をおちょくる実力だけはあるわ、ますますこいつがまともに社会で生きて行けるのかわからなくなったが
「話を聞くといい、出会った当初俺は痺れで倒れただろう?」
「うん、ああそうね、なんでなの?」
「水飲むときに廉渡の能力で誤爆していた、思えばそれが廉渡との出会いだったな」
「アンタやっぱバカでしょ?」
「だから話を聞けと…俺の時は水から感電したから威力が落ちていたが、あの時はるにゃんに当たっていれば今頃はるにゃんの丸焼きの出来上がりだったんだぞ、これは廉渡をほめてやるべきだ」
「えへへー」
「だからはるにゃん呼ぶなと、って丸焼き!?」
「「うん」」
気づかぬうちに私はデッドオアアライブしていたらしい、こんな小さい子が…能力おそるべしだわ
「というかそんなに強い能力ならすぐに誰か倒して脱出できるんじゃないの?」
私の質問に廉渡君は暗い顔を逆鐘のゴミはやれやれこれだからはるにゃんは…などと言いたそうな顔をしている
「これだからはるにゃんは…」
「マジで言いやがったこいつ」
「とにかくな、人の丸焼きだぞ、廉渡がそんな怖いことできると思うか?というかトラウマになるまで俺が人が焼けていく過程をえぐく語った」
「何やってんのアンタ!ああごめんね廉渡君、考えが足りなかったよ」
「ううん、だいじょうぶ」
「ほら、はるにゃんよ、廉渡様の靴を舐めて許しを請うがいい」
「ねえ廉渡君、こいつぶん殴っていいかしら」
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