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Ending~ For the Sequel ?~
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突然始まったあの闘いが終わって早いもので1年になる。草元が居なくなった後、阿武隈さんが率先して動いてくれたお陰で生存者は特に揉めずにポイント移動で脱出できた。 だが、レンゴンから出て来たのは僅か14人。それぞれが元の生活に戻った今、他の奴らの動向はまるで分からない。
俺、天道守はというとこの1年間特に何もしなかった。いや、できなかった。何かを始めようとするとゲーム内での多くの失敗が頭を過ぎりどうしても実行に移せないのだ。
だが、変化は得てして突然捲き起こる。鬱々とした日常のある日の事、何時ものように部屋でぼうっとしていた俺の元にあいつはやってきた。
ピンポーン
「おい、天道!いるか?お前この赤ん坊どうにかしてくれよ。この1年間ずっと引き取り手が無いから世話してたんだ!まったくガキは嫌いだってのに……。」
よりにも寄ってあの煩い六軒島に捕まるとはな……。しばらく退屈しなさそうだ。俺は歓迎できない来客のため、また歩き出すため外へ続くドアを開けた。
◇
夏、学生は夏休みではしゃいでいるころだが、あいにく社会人である私にはそこまで長い休みは取れない。
あのゲームが終わって半年くらい経った、あの時の記憶は今でもしっかりと覚えているが、正直最後に遭ったいろんな人のインパクトが強すぎて忘れていることが一つあった
仕事も終わり、今日から1週間ほど休暇だと喜び、朝っぱらからビール片手にテレビを付け、ふと見知った顔が出ていることに気づく
“〇〇高校ピッチャーは芥子川君、キレのあるカーブが強みの選手です、対するは○×高校の強打者、常川君、彼は今まで全部の試合でホームランを打っています。どちらもプロ入りが予想されている選手ですが、この戦いどうなると思われますか?解説の阿武隈さん”
“そうですね、元ピッチャーの身としては常川君のような選手は敬遠したい選手です、彼のような選手はどんなに急速を上げても食らいついてきますから
しかし芥子川君は技巧派のピッチャー、相性としては芥子川君に分があるかと思います、それに彼は精神的にとてもタフです、たとえ打たれたとしても彼は決して調子を崩さない、この試合では常川君以外に点を取られることはないでしょう”
テレビに映るのはゲームの最後に助けてもらった彼、私が所属していたチームが仲間を殺した彼だ。そういえば彼は甲子園がどうのこうの言っていたっけ…
さりげなく解説を担当しているメイクなし、非オカマ口調の阿武隈さんにも驚いたがそれどころではない
私は急いで兵庫までの新幹線のチケットを取り、空いているホテルに1週間分予約を入れた。
栃木から兵庫までの交通費と1週間もの滞在費は馬鹿にならないが気にしない、私は急いで荷物をまとめ、部屋を出た
◇
あのゲームが終わり、儂の半身はどうなるのかと疑問に思っていたのじゃが、その答えは意外にも儂が持っていた
~回想~
「ふむ、どうやらここでお別れのようじゃの妾よ」
「なぬっ!てっきりこの街から出ようとも金魚のフンのようについてくると思っていたのじゃが違ったのか…」
「だぁれが金魚のフンじゃ!」
「そのままじゃあ!だいたい飯食う時も味がこっちに来るもんじゃから迂闊に違うものが食えんのじゃぞ!」
「それは妾とて同じことじゃあ!触覚を共有しとるから木乃香と思いっきりスキンシップが取れんのじゃぞ!」
「そこは遠慮なく取らんかい!」
「誰がとるか!お主の思惑なんぞわかっとるわあ!」
思えば最後の最後まで自分自身じゃというのに喧嘩ばかりしておったの…
「だいたい儂よ、お主は儂じゃろう、お別れではないぞ…」
「…そうじゃの、きっと妾はお主の一部であり、お主は妾の一部じゃ。言うならばただいまかの」
「うむ、おかえりなさいじゃ、儂よ」
「うむ、ただいまじゃの、妾よ」
そう言って門をくぐると同時、奴は儂の中に溶けるように・・・・・・消えた
~回想終了~
そして現実に返ってきた儂は売れない芸人としての生活を続けておったのじゃが…
最近、どうにも記憶が飛ぶ。
最初は土曜から日曜にかけての記憶がなくなり、楽しみにしていた高級和菓子が無くなっていた、金曜からいきなり月曜に飛んだ儂は発狂した
それから休日、平日問わず記憶が飛ぶことが多くなった
この前は見知らぬ女性に声をかけられた、見知らぬとは言っても同じ事務所の先輩で、売れっ子の先輩なのじゃが今まで儂はその先輩と縁などなかった、なのに向こうは儂がまるで知り合いかのように話しかけてくる、「メイクのコツを教えてくれ」とまで言われた、謎じゃ
日に日に記憶の飛ぶ日が増えるが、それでも週に三日は必ず儂が儂のままでいられた
儂の身に何が起きているのじゃろうか…怖い…。
そしてとうとう事務所の所長に呼び出された、何じゃろうか…もしや記憶のない間に儂は何かやらかしてしまったのじゃろうか…
「よくやった徳永!お前は芸人としては芽が出なかったが、俳優に向いているとはな…まさかあんなキャラで通るとは思っていなかったが、今度の大河ドラマの主役、お前に決まったぞ!」
訳が分からない、本当に何なのじゃ…
◇
レールが死んだ事を知らされ元レール組だった私と星野は取り敢えず話し合っタ。まぁ2人ともレールがかっこよかったから従っていただけで特に思い入れも無かったんだガ。
私は帰って来るとすぐにゲーム前からやってた放浪の旅を再開しタ。八極拳を鍛えながら全国のラーメン屋を練り歩く旅ネ。私の将来の夢は国に帰って最強のラーメン屋を旗揚げする事ネ!師匠の様に弟子を沢山とってそいつ等を店員として働かせれば一石二鳥、我ながら画期的アイディアだと思ってるヨ。
まぁでも、まだ私はあの師匠の弟子。モタモタしてたらあの鉄拳が飛んでくるネ……。
練は再び何処へともなく歩き出した。
◇
私の両親曰く、私は3才くらいの頃に1週間ほど行方不明になったことがあるらしい
当時まだ小さかった私は当然その時のことを覚えておらず、何があったのかはわからない、しかし誠実な両親のことだ嘘ということはないだろう
もう私も15になり高校生だが、いまだに3才のころの自分に何があったのか詳しくは思い出せない。微かに思い浮かぶのはお母さんみたいだけど低く野太い声と綺麗な演奏の音、あと3人の人の楽しそうな声。
まあ人間は4才のころに脳の構造が大きく変化し以前のことを忘れてしまうそうなので、これだけ思い出せるのはいい方だろう
でも…それでもどうにもこの記憶は私の手をつかんで離さない、なんだかもやもやする。
テレビを見るときにたまに何か手がかりがありそうな感じが脳に現れるのだが、今まで思い出せたためしがない
今日も晩御飯を食べながら家族とご飯を食べる
今日はお父さんが好きなお笑い番組が流れている、いつも通りやたら濃いメイクで異様な存在感のある司会、阿武隈 マコトさんの挨拶から始まり、芸人たちが次々と芸を披露していく。
今日は珍しいことに俳優の徳永 十衛門が出ている、彼はもともと芸人だったが全く芽が出ず、思い切って応募した大河ドラマのオーディションに受かり、初のテレビデビューが主役というすごい経歴を持つのだが彼のすごいところはそこではない
その年の大河ドラマの主役は何と女性の役だったのだ。しかし彼は男性とは思えない演技で主人公を演じ、お茶の間を魅了しブレイクした。
その後彼は男性役でも女性役でも両方こなす、訳の分からないが有名な俳優として活動している、なお本人はまだ芸人として活動したいらしい、今回の番組への出演も無理を言って出てきたようだ
「この度、無理を言ってこの番組に出していただき、誠にありがとうございまする、儂としては長年の夢が叶い」
「誰の夢じゃ!誰の!そもそも妾は女優が夢じゃ!」
「ちょっと待て儂よ!そもそも儂性別がおと…」
「立派にヒロインを務めた時点でもう終わっとると思うがの」
「がはっ!」
得意の女形と男形、両方を演じる演技力でコントを繰り広げていく、女と男の切り替えは凄まじいと思うが正直面白くない、やはり彼は芸人には向いていないのだろう
そんなことを思っているとふと記憶に引っかかるものを感じた、そうあの3才の時の記憶、こんなくだらないやり取りを見たことがあるような気が…
「あっ…とおねえととおにいだ」
すべて思い出す、オカンや若じいやみちまさ、それと目の前で面白くないコントを繰り広げる彼らのことを
どうやら私は昔、有名俳優に面倒を見て貰っていたようだ。
◇
「そんな顔しないでください、もともと寂しいままで終わってたはずのわたしを救ってくれたのはイブキですよ」
彼女はそう言って、目を閉じた。
彼女はまだ死んだわけではない、体調は良くも悪くもいつも通り、つまりいつ死んでもおかしくないってことだ。
しかし最近彼女の睡眠時間が増えてきている、今では一日の3分の2を眠ったまま過ごしているくらいだ
これは…そういうことなのだろう
生まれた時から病魔に侵されていた彼女は覚悟していたようだが、俺は覚悟なんてできてないし、彼女を助けられないなんて選択をするつもりも毛頭ない
しかし現実は非情だ、医者の話だと手の出しようがないらしい
「先生、柘榴はどうにかならないんですか…」
「すまない、我々は彼女が幼いころから診てきたが、手の出しようがないんだ…すまない」
「くそっ!」
「どこで知り合ったのかは知らないが、彼女に君のような存在が現れてくれて良かった、彼女の笑顔が増えた」
「そんなことを聞きたいんじゃないんです!彼女は助けられないんですか!」
『そんなに彼女を助けたいの?』
「なっ!?」
「誰だ!」
突如、辺りに声が響く、しかし声の主の姿は見えない、声は話を続ける
『アナタは彼女のために何ができる?アナタは何を捨ててでも彼女は助けたい?』
「助けられるなら俺はなんだってしてやる!」
『本当にそれでいいの?』
「…ああ」
『本当に?死んでも?』
「…いや、俺は死ぬわけにはいかない、うぬぼれかもしれないが彼女には俺が必要だ、彼女はあの時から隊長だけじゃなく、精神的にも不安定なんだ、俺がいなくなったら彼女は壊れる、だからお願いだ。もし叶うなら俺の命以外のすべてを持って行っていい、だから彼女を助けてくれ」
「それが聞きたかった」
「あ、アンタは…」
相馬が声のする方を見ると、そこには白と黒の髪をした白衣を着た阿武隈が立っていた
「もともとあのゲームで見かけた時からずっと助けようと思ってたのよ、ごめんなさいね、医師免許は持ってなかったから少し遅れたわ。安心して、虚弱なのは変わらなくても彼女の寿命は伸ばして見せるわ、神オカマに誓ってね」
◇
1年前のあのゲームの後から私は何とも言えない喪失感に囚われている。何故だろう、ずっと前から知っていた筈なのに全く記憶がない。
近藤 夏樹、21歳。彼女は元々の虚弱体質からゲーム帰還後すぐに倒れ現在は高原のペンションで療養生活を送っていた。
「夏樹お嬢様、失礼ですが最近草元さんの姿を見ませんが……。どうかなさったのですか?」
「なに言ってるの婆や?そんな方、私知らないわよ。そんな知らない人の事よりわたしの婚約者はいつ現れるのかしらねぇ。」
以前はどこへ行くにも草元さんの事を喋っておられたのに……。あの男、余程お嬢様に嫌われたのでしょうね。心優しいお嬢様が存在から否定するなど初めての事ですよまったく。
ペンションを風がサッと吹き抜けて周りの花畑を優しく撫でていった。
◇
「全く、次の出現場所は病院だと…この前はテレビに出てたし…いったいどこにいるんだ…」
大都会の雑踏の中、小柄な体にその半分もの長さの夜のような艶やかな髪を持つ女性が歩いていた
「もしもし、練?なに?そっちに来てる!?絶対に引き留めててくれよ!今すぐ向かうから!」
~
「了解アル!だけど私が師匠を引き留められるとは……」
完全に弱気の練。その視線の先には同じく電話中の阿武隈が居た。
「え、なんですって⁉次はスカイツリー?スケジュールの空き五時間しかないのよ、そこ」
ハァ~と盛大にため息を1つ。
「誰かさんは勝手にラーメン修行なんてやってるし、私の部下って何でこんなに自分勝手なのかしら……」
その言葉にビクッと肩を震わせる練。阿武隈の事になると少し怖くなってくる友達の月夜見、普通に恐い師匠。彼女は2者の板挟みで押しつぶされようとしていた。
「じゃ、ちょっと行ってくるわねバカ弟子、2時間で戻るわ」
「い、行かせないアルヨ師匠!」
練は震える足を気力で押さえつけ、阿武隈の前に立ちはだかる
己の敗北を知り、それでも猫に一矢報おうとするネズミの姿がそこにあった
「あら?いきなりどうしたの下剋上?…嬉しいわね最近部下は増えるばかりだけど、どの分野でもアタシに立ち向かってくる人なんてなかなかいなかったから…いいわ練 白、アタシも貴女に敬意を払い全力で相手するわね」
「ひいいいぃぃぃぃいいいいい!」
完全に戦意を無くす練。しかし、そこに現れる影が1つ。
「あれ?阿武隈さんじゃないですかお久しぶりです!TVでの活躍いつも見てますよ!」
「あら、あなたは……天道君ね、久しぶりじゃない!」
よ、良かったひとまず私からは意識外れたカ……。
ひとまず胸を撫で下ろした練は救世主、天道に感謝の合掌。立ち話を始める師匠を見ながら1つの作戦を思いついた。
そうネ!師匠の知り合いをどんどん呼べばしばらく時間稼ぎになるカモ……。
嬉々とした表情で星野に電話をかけ始めた。
天道守、彼はことごとく運がなかったため作中ではその力を発揮することはほぼなかったが、彼の死に設定として頭の良さがある、それこそ東大クラスのである
何が言いたいかというと
「いやぁ、あの時は本当にお世話になりました」(了解、なんだかわからねえが話を長引かせればいいんだろ?)
「あっもしもし六軒島カ」(ナイス天道、オマエ意外と察しがいいのナ)
練の目くばせ一つで事情を理解する程度の能力は持っているのである、そして彼持ち前のコミュニケーション能力をもって阿武隈と会話を続けていく
しかし時間が持つだろうカ…成功条件は月夜見がここにたどり着くまでダガ、あいつはここに来るまでに1時間以上はカカル、片っ端から電話を掛けたが一番近い徳永も20分くらいはカカル。それに…
「そうそう、そうなのよ、最近腑抜けた男子が多いんだからぁ」
今師匠が天道にばれないスピードで腕時計を確認した…マズイ、天道がどんなに頑張ってもそろそろ限界ダ…
「あら、ごめんなさいそろそろ時間だわ。また今度話しましょう。行くわよ練!」
くっ天道をもってしても10分が限界か……。こうなったら予定変更ネ、月夜見にはスカイツリーに先回りしてもらってみんなを街の途中に配置して時間を稼ぐカ……。
「はいネ!師匠。何やってんダ天道。ボサッとしてないでお前も来るネ」
「へ?何処行くんだよ」
「スカイツリーに決まってるヨ」
空いた口が塞がらない天道をズルズルと引きずっていく。練の作戦は始まった。
「六軒島!意外と早かったあるネ」
「早かった?あら、その赤ちゃん。アタシ心配してたのよぉ~。元気だった?」
ファインプレーネ六軒島!師匠は子供好きアル。これでしばらく足止めできるヨ。
練に半ば強制的に集められた元参加者たちは着々とスカイツリー並びにその周囲の街に集められていた。
「お嬢様!一体どちらへ⁉まだお身体が……」
「ちょっとスカイツリーまで♪大丈夫よすぐ近くですもの、無理はしないわ」
「はいもしもし…えっいきなりだな…まあ大丈夫だ」
「どうしたんですか?」
「柘榴、いきなりだけどスカイツリーまで行かないか?みんなが集まるらしい」
「はい…わかりました、ちょうどよかったです、俺今スカイツリーにいるんですよ、ちょっといろいろ考えたくて。そういえば俺、プロ入りが決まったんですよ」
「ぬわにぃ!?スカイツリーに変更じゃと!?妾、収録抜けて来たから結構ヤバいんじゃが…」
「ははははは!ざまを見ろ儂ィ!儂はヒロインなぞやりとうないんじゃあ!」
「だぁまれい!誰にも妾の夢の邪魔はさせんのじゃああああ!」
「あ、練ちゃん?久しぶり!ねぇ聞いて芥子川君、プロ入りまで決まったって。え、どうでもいいからスカイツリー来いって?
分かったわ。今度また一緒に美味しいラーメン屋行こうね」
「気持ち良いわね、あなた。景色もいいし」
「そうだなぁ。木乃香を連れてわざわざスカイツリーまで来た甲斐はあった」
「あっ!あそこに東京タワーがある~」
「あらあら。木乃香~、あんまり遠くに行っちゃダメよー」
結局来ちまった……。俺、何してんだろ。
練と供に阿武隈の荷物を持ちながら天道は東京の街を歩いていた。
「頑張るネ!天道。スカイツリーまでもう少しヨ」
「他県に行くなら車で行こうぜ」
お前らランク上位の体力と一緒にしないでくれ…。
暫く歩き続け、ようやく彼らはスカイツリーに集まった。
久々に出会った彼らはあの悪夢ともいえる約1週間のことを振り返っていた。
彼らは決してあのゲームのことを忘れることはないだろう、しかし彼らとて大多数は大人である、それでも前へ進み続けるだろう
暗い話も終わり、全員が最近の出来事を語り始めると途端に空気が明るくなった、そんな時、下の階から上がってきたエレベーターの扉が開く
「暇だったから来てみたけど、やっぱり景色良いなぁ…あれ?」
エレベーターから出ていた人物は目の前にいる10人程度の人間を見る。そして…
「そう…だね…私あの時正体不明だったもんね…ハブられても寂しくないよおばあちゃん…寂しくは…グスッ…」
◇
ある崩壊した街ー
「あれっ2人ともまだここから出てなかったんですか?もう前回のゲームは終わっちゃいましたよ……。まったく。」
男はキューブ内の廃人2人に向かいやれやれといったポーズ。2人は話を聞いているのかいないのかただぼーっと中空を見つめている。
「ん~どうやら「臆病な隔離城壁」を「若手作家の苦悩」で魔改造しちゃった感じですかね~。あの能力はもう少し期待してたんだけどな……。」
廃人の男の方はダラダラとヨダレまで垂れ流している、汚い。
「あっ‼それより今はあなた達の処理でしたね。ん~どうしようかなぁ?でもあれですよね。こんな所に入れられても自殺もせずに何とか生きているところを見ると……。このゲームが楽しくて仕方ないんですね‼しょうがないなぁもう。ちょっとサービスしてあげますよ。」
そう言うと男は去っていく。街はいつのまにか元通に修復されていた。
「レディースエ~ンジェントルメンッッッ!ようこそ、殺しの街レンゴンへ!私は皆様へ、ルール説明をいたします。山田太郎と言うものです。102名の皆様にはこれより殺し合いを行っていただきます」
俺、天道守はというとこの1年間特に何もしなかった。いや、できなかった。何かを始めようとするとゲーム内での多くの失敗が頭を過ぎりどうしても実行に移せないのだ。
だが、変化は得てして突然捲き起こる。鬱々とした日常のある日の事、何時ものように部屋でぼうっとしていた俺の元にあいつはやってきた。
ピンポーン
「おい、天道!いるか?お前この赤ん坊どうにかしてくれよ。この1年間ずっと引き取り手が無いから世話してたんだ!まったくガキは嫌いだってのに……。」
よりにも寄ってあの煩い六軒島に捕まるとはな……。しばらく退屈しなさそうだ。俺は歓迎できない来客のため、また歩き出すため外へ続くドアを開けた。
◇
夏、学生は夏休みではしゃいでいるころだが、あいにく社会人である私にはそこまで長い休みは取れない。
あのゲームが終わって半年くらい経った、あの時の記憶は今でもしっかりと覚えているが、正直最後に遭ったいろんな人のインパクトが強すぎて忘れていることが一つあった
仕事も終わり、今日から1週間ほど休暇だと喜び、朝っぱらからビール片手にテレビを付け、ふと見知った顔が出ていることに気づく
“〇〇高校ピッチャーは芥子川君、キレのあるカーブが強みの選手です、対するは○×高校の強打者、常川君、彼は今まで全部の試合でホームランを打っています。どちらもプロ入りが予想されている選手ですが、この戦いどうなると思われますか?解説の阿武隈さん”
“そうですね、元ピッチャーの身としては常川君のような選手は敬遠したい選手です、彼のような選手はどんなに急速を上げても食らいついてきますから
しかし芥子川君は技巧派のピッチャー、相性としては芥子川君に分があるかと思います、それに彼は精神的にとてもタフです、たとえ打たれたとしても彼は決して調子を崩さない、この試合では常川君以外に点を取られることはないでしょう”
テレビに映るのはゲームの最後に助けてもらった彼、私が所属していたチームが仲間を殺した彼だ。そういえば彼は甲子園がどうのこうの言っていたっけ…
さりげなく解説を担当しているメイクなし、非オカマ口調の阿武隈さんにも驚いたがそれどころではない
私は急いで兵庫までの新幹線のチケットを取り、空いているホテルに1週間分予約を入れた。
栃木から兵庫までの交通費と1週間もの滞在費は馬鹿にならないが気にしない、私は急いで荷物をまとめ、部屋を出た
◇
あのゲームが終わり、儂の半身はどうなるのかと疑問に思っていたのじゃが、その答えは意外にも儂が持っていた
~回想~
「ふむ、どうやらここでお別れのようじゃの妾よ」
「なぬっ!てっきりこの街から出ようとも金魚のフンのようについてくると思っていたのじゃが違ったのか…」
「だぁれが金魚のフンじゃ!」
「そのままじゃあ!だいたい飯食う時も味がこっちに来るもんじゃから迂闊に違うものが食えんのじゃぞ!」
「それは妾とて同じことじゃあ!触覚を共有しとるから木乃香と思いっきりスキンシップが取れんのじゃぞ!」
「そこは遠慮なく取らんかい!」
「誰がとるか!お主の思惑なんぞわかっとるわあ!」
思えば最後の最後まで自分自身じゃというのに喧嘩ばかりしておったの…
「だいたい儂よ、お主は儂じゃろう、お別れではないぞ…」
「…そうじゃの、きっと妾はお主の一部であり、お主は妾の一部じゃ。言うならばただいまかの」
「うむ、おかえりなさいじゃ、儂よ」
「うむ、ただいまじゃの、妾よ」
そう言って門をくぐると同時、奴は儂の中に溶けるように・・・・・・消えた
~回想終了~
そして現実に返ってきた儂は売れない芸人としての生活を続けておったのじゃが…
最近、どうにも記憶が飛ぶ。
最初は土曜から日曜にかけての記憶がなくなり、楽しみにしていた高級和菓子が無くなっていた、金曜からいきなり月曜に飛んだ儂は発狂した
それから休日、平日問わず記憶が飛ぶことが多くなった
この前は見知らぬ女性に声をかけられた、見知らぬとは言っても同じ事務所の先輩で、売れっ子の先輩なのじゃが今まで儂はその先輩と縁などなかった、なのに向こうは儂がまるで知り合いかのように話しかけてくる、「メイクのコツを教えてくれ」とまで言われた、謎じゃ
日に日に記憶の飛ぶ日が増えるが、それでも週に三日は必ず儂が儂のままでいられた
儂の身に何が起きているのじゃろうか…怖い…。
そしてとうとう事務所の所長に呼び出された、何じゃろうか…もしや記憶のない間に儂は何かやらかしてしまったのじゃろうか…
「よくやった徳永!お前は芸人としては芽が出なかったが、俳優に向いているとはな…まさかあんなキャラで通るとは思っていなかったが、今度の大河ドラマの主役、お前に決まったぞ!」
訳が分からない、本当に何なのじゃ…
◇
レールが死んだ事を知らされ元レール組だった私と星野は取り敢えず話し合っタ。まぁ2人ともレールがかっこよかったから従っていただけで特に思い入れも無かったんだガ。
私は帰って来るとすぐにゲーム前からやってた放浪の旅を再開しタ。八極拳を鍛えながら全国のラーメン屋を練り歩く旅ネ。私の将来の夢は国に帰って最強のラーメン屋を旗揚げする事ネ!師匠の様に弟子を沢山とってそいつ等を店員として働かせれば一石二鳥、我ながら画期的アイディアだと思ってるヨ。
まぁでも、まだ私はあの師匠の弟子。モタモタしてたらあの鉄拳が飛んでくるネ……。
練は再び何処へともなく歩き出した。
◇
私の両親曰く、私は3才くらいの頃に1週間ほど行方不明になったことがあるらしい
当時まだ小さかった私は当然その時のことを覚えておらず、何があったのかはわからない、しかし誠実な両親のことだ嘘ということはないだろう
もう私も15になり高校生だが、いまだに3才のころの自分に何があったのか詳しくは思い出せない。微かに思い浮かぶのはお母さんみたいだけど低く野太い声と綺麗な演奏の音、あと3人の人の楽しそうな声。
まあ人間は4才のころに脳の構造が大きく変化し以前のことを忘れてしまうそうなので、これだけ思い出せるのはいい方だろう
でも…それでもどうにもこの記憶は私の手をつかんで離さない、なんだかもやもやする。
テレビを見るときにたまに何か手がかりがありそうな感じが脳に現れるのだが、今まで思い出せたためしがない
今日も晩御飯を食べながら家族とご飯を食べる
今日はお父さんが好きなお笑い番組が流れている、いつも通りやたら濃いメイクで異様な存在感のある司会、阿武隈 マコトさんの挨拶から始まり、芸人たちが次々と芸を披露していく。
今日は珍しいことに俳優の徳永 十衛門が出ている、彼はもともと芸人だったが全く芽が出ず、思い切って応募した大河ドラマのオーディションに受かり、初のテレビデビューが主役というすごい経歴を持つのだが彼のすごいところはそこではない
その年の大河ドラマの主役は何と女性の役だったのだ。しかし彼は男性とは思えない演技で主人公を演じ、お茶の間を魅了しブレイクした。
その後彼は男性役でも女性役でも両方こなす、訳の分からないが有名な俳優として活動している、なお本人はまだ芸人として活動したいらしい、今回の番組への出演も無理を言って出てきたようだ
「この度、無理を言ってこの番組に出していただき、誠にありがとうございまする、儂としては長年の夢が叶い」
「誰の夢じゃ!誰の!そもそも妾は女優が夢じゃ!」
「ちょっと待て儂よ!そもそも儂性別がおと…」
「立派にヒロインを務めた時点でもう終わっとると思うがの」
「がはっ!」
得意の女形と男形、両方を演じる演技力でコントを繰り広げていく、女と男の切り替えは凄まじいと思うが正直面白くない、やはり彼は芸人には向いていないのだろう
そんなことを思っているとふと記憶に引っかかるものを感じた、そうあの3才の時の記憶、こんなくだらないやり取りを見たことがあるような気が…
「あっ…とおねえととおにいだ」
すべて思い出す、オカンや若じいやみちまさ、それと目の前で面白くないコントを繰り広げる彼らのことを
どうやら私は昔、有名俳優に面倒を見て貰っていたようだ。
◇
「そんな顔しないでください、もともと寂しいままで終わってたはずのわたしを救ってくれたのはイブキですよ」
彼女はそう言って、目を閉じた。
彼女はまだ死んだわけではない、体調は良くも悪くもいつも通り、つまりいつ死んでもおかしくないってことだ。
しかし最近彼女の睡眠時間が増えてきている、今では一日の3分の2を眠ったまま過ごしているくらいだ
これは…そういうことなのだろう
生まれた時から病魔に侵されていた彼女は覚悟していたようだが、俺は覚悟なんてできてないし、彼女を助けられないなんて選択をするつもりも毛頭ない
しかし現実は非情だ、医者の話だと手の出しようがないらしい
「先生、柘榴はどうにかならないんですか…」
「すまない、我々は彼女が幼いころから診てきたが、手の出しようがないんだ…すまない」
「くそっ!」
「どこで知り合ったのかは知らないが、彼女に君のような存在が現れてくれて良かった、彼女の笑顔が増えた」
「そんなことを聞きたいんじゃないんです!彼女は助けられないんですか!」
『そんなに彼女を助けたいの?』
「なっ!?」
「誰だ!」
突如、辺りに声が響く、しかし声の主の姿は見えない、声は話を続ける
『アナタは彼女のために何ができる?アナタは何を捨ててでも彼女は助けたい?』
「助けられるなら俺はなんだってしてやる!」
『本当にそれでいいの?』
「…ああ」
『本当に?死んでも?』
「…いや、俺は死ぬわけにはいかない、うぬぼれかもしれないが彼女には俺が必要だ、彼女はあの時から隊長だけじゃなく、精神的にも不安定なんだ、俺がいなくなったら彼女は壊れる、だからお願いだ。もし叶うなら俺の命以外のすべてを持って行っていい、だから彼女を助けてくれ」
「それが聞きたかった」
「あ、アンタは…」
相馬が声のする方を見ると、そこには白と黒の髪をした白衣を着た阿武隈が立っていた
「もともとあのゲームで見かけた時からずっと助けようと思ってたのよ、ごめんなさいね、医師免許は持ってなかったから少し遅れたわ。安心して、虚弱なのは変わらなくても彼女の寿命は伸ばして見せるわ、神オカマに誓ってね」
◇
1年前のあのゲームの後から私は何とも言えない喪失感に囚われている。何故だろう、ずっと前から知っていた筈なのに全く記憶がない。
近藤 夏樹、21歳。彼女は元々の虚弱体質からゲーム帰還後すぐに倒れ現在は高原のペンションで療養生活を送っていた。
「夏樹お嬢様、失礼ですが最近草元さんの姿を見ませんが……。どうかなさったのですか?」
「なに言ってるの婆や?そんな方、私知らないわよ。そんな知らない人の事よりわたしの婚約者はいつ現れるのかしらねぇ。」
以前はどこへ行くにも草元さんの事を喋っておられたのに……。あの男、余程お嬢様に嫌われたのでしょうね。心優しいお嬢様が存在から否定するなど初めての事ですよまったく。
ペンションを風がサッと吹き抜けて周りの花畑を優しく撫でていった。
◇
「全く、次の出現場所は病院だと…この前はテレビに出てたし…いったいどこにいるんだ…」
大都会の雑踏の中、小柄な体にその半分もの長さの夜のような艶やかな髪を持つ女性が歩いていた
「もしもし、練?なに?そっちに来てる!?絶対に引き留めててくれよ!今すぐ向かうから!」
~
「了解アル!だけど私が師匠を引き留められるとは……」
完全に弱気の練。その視線の先には同じく電話中の阿武隈が居た。
「え、なんですって⁉次はスカイツリー?スケジュールの空き五時間しかないのよ、そこ」
ハァ~と盛大にため息を1つ。
「誰かさんは勝手にラーメン修行なんてやってるし、私の部下って何でこんなに自分勝手なのかしら……」
その言葉にビクッと肩を震わせる練。阿武隈の事になると少し怖くなってくる友達の月夜見、普通に恐い師匠。彼女は2者の板挟みで押しつぶされようとしていた。
「じゃ、ちょっと行ってくるわねバカ弟子、2時間で戻るわ」
「い、行かせないアルヨ師匠!」
練は震える足を気力で押さえつけ、阿武隈の前に立ちはだかる
己の敗北を知り、それでも猫に一矢報おうとするネズミの姿がそこにあった
「あら?いきなりどうしたの下剋上?…嬉しいわね最近部下は増えるばかりだけど、どの分野でもアタシに立ち向かってくる人なんてなかなかいなかったから…いいわ練 白、アタシも貴女に敬意を払い全力で相手するわね」
「ひいいいぃぃぃぃいいいいい!」
完全に戦意を無くす練。しかし、そこに現れる影が1つ。
「あれ?阿武隈さんじゃないですかお久しぶりです!TVでの活躍いつも見てますよ!」
「あら、あなたは……天道君ね、久しぶりじゃない!」
よ、良かったひとまず私からは意識外れたカ……。
ひとまず胸を撫で下ろした練は救世主、天道に感謝の合掌。立ち話を始める師匠を見ながら1つの作戦を思いついた。
そうネ!師匠の知り合いをどんどん呼べばしばらく時間稼ぎになるカモ……。
嬉々とした表情で星野に電話をかけ始めた。
天道守、彼はことごとく運がなかったため作中ではその力を発揮することはほぼなかったが、彼の死に設定として頭の良さがある、それこそ東大クラスのである
何が言いたいかというと
「いやぁ、あの時は本当にお世話になりました」(了解、なんだかわからねえが話を長引かせればいいんだろ?)
「あっもしもし六軒島カ」(ナイス天道、オマエ意外と察しがいいのナ)
練の目くばせ一つで事情を理解する程度の能力は持っているのである、そして彼持ち前のコミュニケーション能力をもって阿武隈と会話を続けていく
しかし時間が持つだろうカ…成功条件は月夜見がここにたどり着くまでダガ、あいつはここに来るまでに1時間以上はカカル、片っ端から電話を掛けたが一番近い徳永も20分くらいはカカル。それに…
「そうそう、そうなのよ、最近腑抜けた男子が多いんだからぁ」
今師匠が天道にばれないスピードで腕時計を確認した…マズイ、天道がどんなに頑張ってもそろそろ限界ダ…
「あら、ごめんなさいそろそろ時間だわ。また今度話しましょう。行くわよ練!」
くっ天道をもってしても10分が限界か……。こうなったら予定変更ネ、月夜見にはスカイツリーに先回りしてもらってみんなを街の途中に配置して時間を稼ぐカ……。
「はいネ!師匠。何やってんダ天道。ボサッとしてないでお前も来るネ」
「へ?何処行くんだよ」
「スカイツリーに決まってるヨ」
空いた口が塞がらない天道をズルズルと引きずっていく。練の作戦は始まった。
「六軒島!意外と早かったあるネ」
「早かった?あら、その赤ちゃん。アタシ心配してたのよぉ~。元気だった?」
ファインプレーネ六軒島!師匠は子供好きアル。これでしばらく足止めできるヨ。
練に半ば強制的に集められた元参加者たちは着々とスカイツリー並びにその周囲の街に集められていた。
「お嬢様!一体どちらへ⁉まだお身体が……」
「ちょっとスカイツリーまで♪大丈夫よすぐ近くですもの、無理はしないわ」
「はいもしもし…えっいきなりだな…まあ大丈夫だ」
「どうしたんですか?」
「柘榴、いきなりだけどスカイツリーまで行かないか?みんなが集まるらしい」
「はい…わかりました、ちょうどよかったです、俺今スカイツリーにいるんですよ、ちょっといろいろ考えたくて。そういえば俺、プロ入りが決まったんですよ」
「ぬわにぃ!?スカイツリーに変更じゃと!?妾、収録抜けて来たから結構ヤバいんじゃが…」
「ははははは!ざまを見ろ儂ィ!儂はヒロインなぞやりとうないんじゃあ!」
「だぁまれい!誰にも妾の夢の邪魔はさせんのじゃああああ!」
「あ、練ちゃん?久しぶり!ねぇ聞いて芥子川君、プロ入りまで決まったって。え、どうでもいいからスカイツリー来いって?
分かったわ。今度また一緒に美味しいラーメン屋行こうね」
「気持ち良いわね、あなた。景色もいいし」
「そうだなぁ。木乃香を連れてわざわざスカイツリーまで来た甲斐はあった」
「あっ!あそこに東京タワーがある~」
「あらあら。木乃香~、あんまり遠くに行っちゃダメよー」
結局来ちまった……。俺、何してんだろ。
練と供に阿武隈の荷物を持ちながら天道は東京の街を歩いていた。
「頑張るネ!天道。スカイツリーまでもう少しヨ」
「他県に行くなら車で行こうぜ」
お前らランク上位の体力と一緒にしないでくれ…。
暫く歩き続け、ようやく彼らはスカイツリーに集まった。
久々に出会った彼らはあの悪夢ともいえる約1週間のことを振り返っていた。
彼らは決してあのゲームのことを忘れることはないだろう、しかし彼らとて大多数は大人である、それでも前へ進み続けるだろう
暗い話も終わり、全員が最近の出来事を語り始めると途端に空気が明るくなった、そんな時、下の階から上がってきたエレベーターの扉が開く
「暇だったから来てみたけど、やっぱり景色良いなぁ…あれ?」
エレベーターから出ていた人物は目の前にいる10人程度の人間を見る。そして…
「そう…だね…私あの時正体不明だったもんね…ハブられても寂しくないよおばあちゃん…寂しくは…グスッ…」
◇
ある崩壊した街ー
「あれっ2人ともまだここから出てなかったんですか?もう前回のゲームは終わっちゃいましたよ……。まったく。」
男はキューブ内の廃人2人に向かいやれやれといったポーズ。2人は話を聞いているのかいないのかただぼーっと中空を見つめている。
「ん~どうやら「臆病な隔離城壁」を「若手作家の苦悩」で魔改造しちゃった感じですかね~。あの能力はもう少し期待してたんだけどな……。」
廃人の男の方はダラダラとヨダレまで垂れ流している、汚い。
「あっ‼それより今はあなた達の処理でしたね。ん~どうしようかなぁ?でもあれですよね。こんな所に入れられても自殺もせずに何とか生きているところを見ると……。このゲームが楽しくて仕方ないんですね‼しょうがないなぁもう。ちょっとサービスしてあげますよ。」
そう言うと男は去っていく。街はいつのまにか元通に修復されていた。
「レディースエ~ンジェントルメンッッッ!ようこそ、殺しの街レンゴンへ!私は皆様へ、ルール説明をいたします。山田太郎と言うものです。102名の皆様にはこれより殺し合いを行っていただきます」
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