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終章 ガラテヤの騎士、ジィン
第百五十八話 無法者よ、騎士たれ
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吹き飛ぶ俺とガラテヤ様の間を、一筋の刃が駆け抜けていく。
「油断しましたな」
「へぇ……!」
ムーア先生の突きは、惜しくもクダリ仙人の首を貫くには至らなかったが、確かに皮膚を掠めていった。
「外しましたか」
「痛いねぇ、あわや致命傷だヨ」
「ホッホッホ、面白いご冗談を」
「バレた?」
「バレておりますぞ、冗談も、隙も!」
「おわっ!?」
そのままムーア先生は自らの間合いからクダリ仙人を離さず、遂に隙を見て左腕の肉を斬る。
「フンッ!」
そして、怯んだ隙に懐へ潜り込んだムーア先生は、クダリ仙人の左肩から右脇腹を大きく斬り裂いた。
「がはぁ……!」
「まだまだ続けますぞ……!【斬獲】!」
「【万軍の盾】!」
しかしクダリ仙人、流石に神の別人格である。
ムーア先生の連撃を間一髪で回避して、そのまま謎のバリアを張り、距離を話した。
「ムゥ……良いところだったのですが」
剣を構え直すムーア先生を横目に、前線へ飛び出すはバグラディとファーリちゃん。
「交代。おいら達の出番」
「あの女が守った世界だ!神だろうが何だろうが渡さねェよ!」
ファーリちゃんがスピードで牽制と撹乱を行いながら、隙を突いてバグラディが大斧を振る。
今までの全てが、「天国の完成」という理由だけで永遠に止められてしまうのは、過去の仲間達から自立したファーリちゃんにとっても、また自らの内に抱えた矛盾とマーズさんの死を乗り越えたバグラディにとっても、許せないことであった。
「愛かぁ。私の別人格が管理してた果物を食べなければ、理解なんかできもしなかった概念を……使いこなしたものだネ、人間の皆は」
「ケッ、禁断の果実、かよ……!」
「そうそう。この国……っていうか、この世界の人にはお馴染みの話かな」
禁断の果実。
この世界で一般的に伝えられる神話にして、「信奉者たち」の経典に含まれている創世物語の中で語られる、人間達にとって重要な存在である。
その果実を食べた人類は、理性と知性を獲得したが、代償として『元々が天国だった世界』から追放され、新たな天国を創るために下界での生活を余儀なくされたと、その物語には書いてあった。
そして、それはどうやら本当だったらしい。
しかし、バグラディはその話を聞いた途端、更にクダリ仙人を強く睨みつけながら、大きく踏み込んで斧を振った。
「ンな話残しやがって、恩着せがましいんだよ、神だか何だか知らねェがなァ!」
「おっとっと。本人を前にここまでロックなのも珍しいネ」
「当然だろうが。オレがあの女を愛したのはオレの意思だ。たとえ互いが犬だろうが、オレはアイツを求めていただろうよ」
「ん……。それはともかく、そのお話で偉いのは神様じゃないと思う。偉かったのは、植えた神様がお世話をサボってたのに、人間の頭を良くする実を作った木」
「ああ、チビの言う通りだ。神が与えた使命……もとい罰は、自分で飼ったペットの世話もしねェで、挙げ句の果てには捨てておいて、その死体を道端で見つけた途端に犯人探しを始める……みてェなモンだ。身勝手にも程があるだろうがよ」
「いやぁー?でも、全部その元を作ったのは私だからねえ。私がいなければ、そもそも君達は出逢えもしなかった。当然、マーズ・バーン・ロックスティラも同じだヨ。だから大人しく、せめて少しでも愛を知ることができたことを噛み締めながら、そろそろ私の天国を完成させてくれると嬉しいんだケド……」
「天国なんざ完成させてやる訳無ェだろォォァァ!」
「ん!勝手に創っておいて、都合が悪くなったらポイなんて、そんなこと、納得できない……!」
「はぁ……いつだって、神の言葉は受け入れられないものだネ」
ファーリちゃんの手数に優れたナイフを全て防ぎつつ、バグラディの威力に優れた斧を回避し、クダリ仙人は付近の岩を蹴って、二人から距離をとる。
「粉々にしてやるぜェ……」
「急所は逃さない……」
それぞれの獲物を構える二人。
「【万軍の……」
そして、ムーア先生の攻撃を防いだバリアを再び張るクダリ仙人。
「【戦終落】!」
「【闢雷】!」
「盾】!」
バグラディの『戦終落』が上手く効いたのか、クダリ仙人のバリアは、まるで内側から引っ剥がされるかのように破られる。
「今だ、チビ!」
「やぁぁぁぁぁぁ……!」
「ごっ、がっ、ばばばばばば、ばば」
そしてファーリちゃんのナイフは見事、クダリ仙人の首から胸にかけてを斬り裂き、更に斬撃の瞬間、身体の内側から電撃を流すことで、全身を爆破させたのであった。
「油断しましたな」
「へぇ……!」
ムーア先生の突きは、惜しくもクダリ仙人の首を貫くには至らなかったが、確かに皮膚を掠めていった。
「外しましたか」
「痛いねぇ、あわや致命傷だヨ」
「ホッホッホ、面白いご冗談を」
「バレた?」
「バレておりますぞ、冗談も、隙も!」
「おわっ!?」
そのままムーア先生は自らの間合いからクダリ仙人を離さず、遂に隙を見て左腕の肉を斬る。
「フンッ!」
そして、怯んだ隙に懐へ潜り込んだムーア先生は、クダリ仙人の左肩から右脇腹を大きく斬り裂いた。
「がはぁ……!」
「まだまだ続けますぞ……!【斬獲】!」
「【万軍の盾】!」
しかしクダリ仙人、流石に神の別人格である。
ムーア先生の連撃を間一髪で回避して、そのまま謎のバリアを張り、距離を話した。
「ムゥ……良いところだったのですが」
剣を構え直すムーア先生を横目に、前線へ飛び出すはバグラディとファーリちゃん。
「交代。おいら達の出番」
「あの女が守った世界だ!神だろうが何だろうが渡さねェよ!」
ファーリちゃんがスピードで牽制と撹乱を行いながら、隙を突いてバグラディが大斧を振る。
今までの全てが、「天国の完成」という理由だけで永遠に止められてしまうのは、過去の仲間達から自立したファーリちゃんにとっても、また自らの内に抱えた矛盾とマーズさんの死を乗り越えたバグラディにとっても、許せないことであった。
「愛かぁ。私の別人格が管理してた果物を食べなければ、理解なんかできもしなかった概念を……使いこなしたものだネ、人間の皆は」
「ケッ、禁断の果実、かよ……!」
「そうそう。この国……っていうか、この世界の人にはお馴染みの話かな」
禁断の果実。
この世界で一般的に伝えられる神話にして、「信奉者たち」の経典に含まれている創世物語の中で語られる、人間達にとって重要な存在である。
その果実を食べた人類は、理性と知性を獲得したが、代償として『元々が天国だった世界』から追放され、新たな天国を創るために下界での生活を余儀なくされたと、その物語には書いてあった。
そして、それはどうやら本当だったらしい。
しかし、バグラディはその話を聞いた途端、更にクダリ仙人を強く睨みつけながら、大きく踏み込んで斧を振った。
「ンな話残しやがって、恩着せがましいんだよ、神だか何だか知らねェがなァ!」
「おっとっと。本人を前にここまでロックなのも珍しいネ」
「当然だろうが。オレがあの女を愛したのはオレの意思だ。たとえ互いが犬だろうが、オレはアイツを求めていただろうよ」
「ん……。それはともかく、そのお話で偉いのは神様じゃないと思う。偉かったのは、植えた神様がお世話をサボってたのに、人間の頭を良くする実を作った木」
「ああ、チビの言う通りだ。神が与えた使命……もとい罰は、自分で飼ったペットの世話もしねェで、挙げ句の果てには捨てておいて、その死体を道端で見つけた途端に犯人探しを始める……みてェなモンだ。身勝手にも程があるだろうがよ」
「いやぁー?でも、全部その元を作ったのは私だからねえ。私がいなければ、そもそも君達は出逢えもしなかった。当然、マーズ・バーン・ロックスティラも同じだヨ。だから大人しく、せめて少しでも愛を知ることができたことを噛み締めながら、そろそろ私の天国を完成させてくれると嬉しいんだケド……」
「天国なんざ完成させてやる訳無ェだろォォァァ!」
「ん!勝手に創っておいて、都合が悪くなったらポイなんて、そんなこと、納得できない……!」
「はぁ……いつだって、神の言葉は受け入れられないものだネ」
ファーリちゃんの手数に優れたナイフを全て防ぎつつ、バグラディの威力に優れた斧を回避し、クダリ仙人は付近の岩を蹴って、二人から距離をとる。
「粉々にしてやるぜェ……」
「急所は逃さない……」
それぞれの獲物を構える二人。
「【万軍の……」
そして、ムーア先生の攻撃を防いだバリアを再び張るクダリ仙人。
「【戦終落】!」
「【闢雷】!」
「盾】!」
バグラディの『戦終落』が上手く効いたのか、クダリ仙人のバリアは、まるで内側から引っ剥がされるかのように破られる。
「今だ、チビ!」
「やぁぁぁぁぁぁ……!」
「ごっ、がっ、ばばばばばば、ばば」
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