月曜日の巫女

桜居かのん

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巫女という呪

巫女という呪1

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急に酷くめまいがして目が覚めた。

目を開けようとしても何故か開けにくい。

自分の手を伸ばし、目の回りを触ると涙が乾いた跡なのか、とても硬くなっていた。

そんなにも私は泣いていたんだということを、目をさすりながら思っていた。

うっすら開けた目で周囲を見れば、白い天井、周りには白いカーテン。

自分は今、保健室で寝ている。

ただそれだけの事実をぼんやりと思っていた。

ゆっくりと上半身を起こす。

まだ吐き気とめまいがする。


ふらっとして自分の左手を目に当てた。

その時、ゆっくりとカーテンが開き、私は無意識にそこへ視線を向けた。


「目が覚めたんですね、良かった」


そこにはホッとしたような顔の葛木先生が入ってきた。

何が良かったというのだろう。

言葉を発する気力も起きず、私は視線を下に向けた。


「・・・・・・。

あなたを校内で探していたら倒れているのを見つけて。

それで、保健室に運びました」


私は俯いたまま特に反応しなかった。

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