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二九
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「さ。と言うことで」
と言いながら オオムカデンダルはテーブルの下から何やら取り出した。
「戦闘員の制服を支給する」
テーブルの上に黒い衣類らしき物が広げられた。
「レオ」
オオムカデンダルが俺の名前を呼んで細かく手招きする。
俺は呼ばれるままテーブルへと近付いた。
見たこともない衣装だった。
上着もズボンも繋がっていて一体化している。
それどころか覆面もくっついていて、全身を一枚の布ですっぽりと覆ってしまうような衣装だった。
顔の部分に目鼻口の為の穴が開いている。
その縁を白いラインが覆っている。
まるで盗賊か泥棒か、見ようによっては処刑人にも見えた。
「……これを着るのか?」
俺はためらいがちに聞いてみた。
「戦闘員の制服だからな。気に入らない?」
気に入るかと言われれば気に入らないが、着ろと言われれば着なくもい。
返事に困るデザインだ。
「よせ……俺たちはもう組織ではない。戦闘員だなどともっともらしい事を言うのはよせ」
オニヤンマイザーが言った。
「どうせ俺を納得させる為の理由だろう。こんなダサいコスチューム、今さら着る意味などない。かえって目立つだろうが」
そう言われてオオムカデンダルはニヤリと笑った。
「さすがは蜻蛉洲、判ってた?」
「お前、俺を舐めてるのか」
オニヤンマイザーがそう言って呆れたような顔をした。
「お前は今まで通り『冒険者のレオ』として行動しろ。お前の見聞きした事はそのまま俺の知るところとなる。勿論、どうしてかなどと言うのは面倒だから説明はしない」
彼が説明しないであろう事はもう判っている。
別にいい。
「じゃあ俺は特に何を命じられる訳でもないのか?」
「そう言うこと。お前が普段通りに行動することで俺はこの世界の『普通』を知る訳だ。ま、場合によっては何か頼むこともあるかもしれんがその時はその時だ」
俺が強くなったことの意味があまり感じられない。
普通にしていて良いのなら何の為に俺を強化したのか。
「冒険者ってのは危険な目にも合うんだろ?あの化け物みたいなよ。そう簡単に死なれちゃ情報が手に入らないじゃねえか」
そうか。確かに。
俺は簡単に納得した。
それに。
「俺は今後、あの化け物に関する情報を追いたいと考えている。構わないのか?」
「ああ、いいとも。好きにしろ。それに、それはそれで興味深い」
有り難い。
許しが出たなら気兼ねなく奴らを追える。
そして、この強化された体も十分に役に立つ。
「女の方は時間が掛かる。まぁ、そっちは任せろ」
オオムカデンダルの言葉に俺は強く頷いた。
と言いながら オオムカデンダルはテーブルの下から何やら取り出した。
「戦闘員の制服を支給する」
テーブルの上に黒い衣類らしき物が広げられた。
「レオ」
オオムカデンダルが俺の名前を呼んで細かく手招きする。
俺は呼ばれるままテーブルへと近付いた。
見たこともない衣装だった。
上着もズボンも繋がっていて一体化している。
それどころか覆面もくっついていて、全身を一枚の布ですっぽりと覆ってしまうような衣装だった。
顔の部分に目鼻口の為の穴が開いている。
その縁を白いラインが覆っている。
まるで盗賊か泥棒か、見ようによっては処刑人にも見えた。
「……これを着るのか?」
俺はためらいがちに聞いてみた。
「戦闘員の制服だからな。気に入らない?」
気に入るかと言われれば気に入らないが、着ろと言われれば着なくもい。
返事に困るデザインだ。
「よせ……俺たちはもう組織ではない。戦闘員だなどともっともらしい事を言うのはよせ」
オニヤンマイザーが言った。
「どうせ俺を納得させる為の理由だろう。こんなダサいコスチューム、今さら着る意味などない。かえって目立つだろうが」
そう言われてオオムカデンダルはニヤリと笑った。
「さすがは蜻蛉洲、判ってた?」
「お前、俺を舐めてるのか」
オニヤンマイザーがそう言って呆れたような顔をした。
「お前は今まで通り『冒険者のレオ』として行動しろ。お前の見聞きした事はそのまま俺の知るところとなる。勿論、どうしてかなどと言うのは面倒だから説明はしない」
彼が説明しないであろう事はもう判っている。
別にいい。
「じゃあ俺は特に何を命じられる訳でもないのか?」
「そう言うこと。お前が普段通りに行動することで俺はこの世界の『普通』を知る訳だ。ま、場合によっては何か頼むこともあるかもしれんがその時はその時だ」
俺が強くなったことの意味があまり感じられない。
普通にしていて良いのなら何の為に俺を強化したのか。
「冒険者ってのは危険な目にも合うんだろ?あの化け物みたいなよ。そう簡単に死なれちゃ情報が手に入らないじゃねえか」
そうか。確かに。
俺は簡単に納得した。
それに。
「俺は今後、あの化け物に関する情報を追いたいと考えている。構わないのか?」
「ああ、いいとも。好きにしろ。それに、それはそれで興味深い」
有り難い。
許しが出たなら気兼ねなく奴らを追える。
そして、この強化された体も十分に役に立つ。
「女の方は時間が掛かる。まぁ、そっちは任せろ」
オオムカデンダルの言葉に俺は強く頷いた。
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