見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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二一四

 俺は封を切ると手紙を取り出した。

『拝啓、レオ兄さん。お元気ですか。今どこにいますか?全然連絡もくれなくて心配しています。早くこの手紙を読んでくれていると良いんだけど。』

 そう言えば、ここ一年以上連絡はしていなかったな。
帰ったのはいつ以来か。

『ここ半年くらい村では良くない事が起こっています。風車小屋のハンスさんが病気になったのだけど様子が変で、日に日に乱暴になっていきます。村のみんなにも危害を加えるようになったので、みんなで家に閉じ込めています。可哀想だけど他に方法がなくて。優しかったハンスさんの見る影もありません。』

 俺はピクリと反応した。
何でもプニーフタールに結び付けるのは良くないとは思うが。
病人が凶暴化する。
そんな事は、まれにだがある。

 野犬に噛まれたりするとそうなる事例がある。
その場合、大体は時間がたつと死んでしまう。
しかし、死なずに生き永らえるとライカンスロープになると言われている。
つまり、狼男などはこの類いだ。
これは伝染する。

『村では他にも出るんじゃないかって、みんな怯えています。夜は何か怪しい者が村をうろついているって話だし、それを悪魔だと言い出す人も居て、誰も外に出ようとしません。私もとても不安です。出来たらレオ兄さんに帰ってきて欲しいです。』

 以前の俺なら一笑に付しただろう。
だが、今の俺は嫌な予感しか感じなかった。
どんな事でも起こりうる。

 俺はカッパー王国よりも先に故郷の村へ戻ることにした。
俺の足なら一晩で着くが……

 少し考えてから小声で管理人を呼んでみた。

「管理人聞こえるかい?」

「はい、聞こえています」

「実は早急に長距離移動がしたいんだが、何か方法はないか」

「そうですね。単身ならボードがありますが」

「ボード?」

「はい。宙に浮いて滑る板です。高度はある程度自由なので建造物を越えて進む事も可能です。さすがに空を飛ぶと言う程の高度は出せませんがスピードはそれなりに出るので、走るよりは早く目的地に着けると思います」

「乗るのは簡単かな」

「今のレオさんなら問題ないと思います。送りましょうか?」

 そんな事も出来るのか。
是非もない。

「助かるよ。頼む」

「了解しました。直ぐに出しますので、少し広めの屋外で待っていて下さい。現着まで五分です」

 五分。
俺が全力で走っても二十分は掛かる。
確かに速い。

 俺は斡旋所から表に出て、少し道幅の大きな場所に移動した。
この辺ではここが一番広い。

 そろそろ五分か。
本当にそんな時間ピッタリに来るのか。
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