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二三五
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ボゴオォッ!
巨大な岩石か鉄球が、全身にぶつかってきた。
そんな感覚だった。
吹っ飛ぶ事さえ許されず、俺の全身は地面に埋まった。
ドオォン!
ドオォン!
二発、三発と続けざまにパンチが繰り出される。
とんでもない馬鹿力だ。
この体じゃなかったら最初の一撃で即死だ。
望んでなった体じゃないが、今は感謝したい。
「うおっ?」
急に体が拘束される。
ずぼっ
今度はそのまま地中から引きずり出された。
俺の体はサイクロプスの手に握られている。
「人を人形みたいに扱いやがって……」
サイクロプスは目の前に俺を持ち上げ、マジマジと俺を観察した。
巨大な隻眼が俺を見つめる。
あまり気持ちのいいものではなかった。
「ううぅぅぅ」
またあの唸り声だ。
だが、サイクロプスは口を閉じている。
ではこの声はいったい。
「おい、まさか……冗談は止しやがれ……!」
サイクロプスの背後から聞こえる。
「おおおぉぉぉ」
気持ちの悪い唸り声と共に二体目が現れた。
そんなのアリか。
これは先に術者を叩かないとキリがない。
カーディナルを叩かねば。
サイクロプスの背後から、二体目のサイクロプスが顔を出した。
ほぼ同じだが、こっちは角が一本だった。
角の生え方に個人差があるのか。
一本角は刺々頭の肩越しに俺を覗き見た。
ギョロりと俺を見つめる。
まったく気味が悪い。
そして俺を奪おうと手を伸ばす。
「ううぅぅぅ」
刺々頭がそれを嫌って俺を遠ざける。
一本角は刺々頭に掴みかかった。
俺の奪い合いになっているのか。
いよいよ、人形みたいな扱いになってきた。
俺は首を捻って地上を見た。
カーディナルが少し離れたところに見える。
レーダーはまだ異常を示していることから、穴はまだ開いているのだろう。
早くなんとかしないと、三体目も出てきてしまう。
「うわっ?オオオオッ!」
ゴンッ!
刺々頭が俺を握った手で一本角を殴り付けた。
俺を欲しがってるんじゃないのか。
反対の手でやれよ。
もっと大事に扱え。
一本角が刺々頭の手首を捕まえる。
刺々頭の手から俺を奪おうと、指を強引に開かせようと試みる。
巨人同士の喧嘩がこれほど危険だとは。
街中だったらそれだけで街が滅ぶ。
辺りの大木を無数に薙ぎ倒して、二体の巨人が争う。
なんとか脱出しなければ。
「サフィリナックスブレード」
俺は四肢を刃物化させた。
「ぎゃアアアアッ!」
刺々頭が驚いて俺を離す。
どかどかどかっ
俺はまたしても、地面に叩きつけられた。
と、同時にサイクロプスの指も落ちてきた。
「ウオオオオッ!」
刺々頭が自分の手を押さえて、雄叫びをあげる。
辺りに大量の血が降り注いだ。
そりゃあ痛いだろうよ。
ギョロり。
一本角が俺を見た。
くそ、今度はコイツか。
俺は急いで走り出した。
巨大な岩石か鉄球が、全身にぶつかってきた。
そんな感覚だった。
吹っ飛ぶ事さえ許されず、俺の全身は地面に埋まった。
ドオォン!
ドオォン!
二発、三発と続けざまにパンチが繰り出される。
とんでもない馬鹿力だ。
この体じゃなかったら最初の一撃で即死だ。
望んでなった体じゃないが、今は感謝したい。
「うおっ?」
急に体が拘束される。
ずぼっ
今度はそのまま地中から引きずり出された。
俺の体はサイクロプスの手に握られている。
「人を人形みたいに扱いやがって……」
サイクロプスは目の前に俺を持ち上げ、マジマジと俺を観察した。
巨大な隻眼が俺を見つめる。
あまり気持ちのいいものではなかった。
「ううぅぅぅ」
またあの唸り声だ。
だが、サイクロプスは口を閉じている。
ではこの声はいったい。
「おい、まさか……冗談は止しやがれ……!」
サイクロプスの背後から聞こえる。
「おおおぉぉぉ」
気持ちの悪い唸り声と共に二体目が現れた。
そんなのアリか。
これは先に術者を叩かないとキリがない。
カーディナルを叩かねば。
サイクロプスの背後から、二体目のサイクロプスが顔を出した。
ほぼ同じだが、こっちは角が一本だった。
角の生え方に個人差があるのか。
一本角は刺々頭の肩越しに俺を覗き見た。
ギョロりと俺を見つめる。
まったく気味が悪い。
そして俺を奪おうと手を伸ばす。
「ううぅぅぅ」
刺々頭がそれを嫌って俺を遠ざける。
一本角は刺々頭に掴みかかった。
俺の奪い合いになっているのか。
いよいよ、人形みたいな扱いになってきた。
俺は首を捻って地上を見た。
カーディナルが少し離れたところに見える。
レーダーはまだ異常を示していることから、穴はまだ開いているのだろう。
早くなんとかしないと、三体目も出てきてしまう。
「うわっ?オオオオッ!」
ゴンッ!
刺々頭が俺を握った手で一本角を殴り付けた。
俺を欲しがってるんじゃないのか。
反対の手でやれよ。
もっと大事に扱え。
一本角が刺々頭の手首を捕まえる。
刺々頭の手から俺を奪おうと、指を強引に開かせようと試みる。
巨人同士の喧嘩がこれほど危険だとは。
街中だったらそれだけで街が滅ぶ。
辺りの大木を無数に薙ぎ倒して、二体の巨人が争う。
なんとか脱出しなければ。
「サフィリナックスブレード」
俺は四肢を刃物化させた。
「ぎゃアアアアッ!」
刺々頭が驚いて俺を離す。
どかどかどかっ
俺はまたしても、地面に叩きつけられた。
と、同時にサイクロプスの指も落ちてきた。
「ウオオオオッ!」
刺々頭が自分の手を押さえて、雄叫びをあげる。
辺りに大量の血が降り注いだ。
そりゃあ痛いだろうよ。
ギョロり。
一本角が俺を見た。
くそ、今度はコイツか。
俺は急いで走り出した。
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