見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三一四

「あれで全員か?」

 カルタスがオオムカデンダルの出て行った扉を見ながら言った。

「そうだ。女性が貝塚令子、オレコと出て行った男が蜻蛉洲秀一、迎えに来た少年がフィエステリアーム、オオムカデンダルはもう判るだろ?彼は本名は百足謙太郎と言う。この四人が幹部であり、元々のジョルトのメンバーだ」

「元々?」

「元々ジョルトと言う組織があったらしい。その生き残りだと聞いた。それから新しく俺が加わり、賢者サルバスが食客として居候している。あとナイーダと言う娘も居る。普通の娘だが縁あってここに居る事になった」

 俺の話を聞いてカルタスがアゴをさする。

「幹部連中はともかく、なぜ賢者様が手を貸すのか、なぜ普通の娘が秘密結社に居るのか……さっぱり理解出来ん」

 カルタスが正直な感想を述べた。

「そこは……俺にも何とも。そもそも秘密結社のイメージからして異質だからな」

「一員のお前が言うんじゃあなあ」

 カルタスはそう言って少し笑った。

「何を考えているのか、どこまで本気なのかも判らん。ただ世界征服だけは本当にやる気らしい」

 俺は自分で言ってて変な感じになった。
俺だって以前は、世界征服など何の冗談かと思っていたからだ。
まさか自分がその一員になるとは夢にも思っていなかった。

「確かにイメージが違いすぎる。俺はもっと悪党の集まりみたいな雰囲気を想像していたんだが……妙に明るいよな。風通しが良すぎる」

 カルタスの言っている事はその通りである。
こんな雰囲気だから賢者サルバスも、ナイーダもここに居続けられるのだろう。
それに善悪はともかく、彼らはとにかく不思議なのだ。
何と言うか、魔法を見る以上に興味と好奇心を掻き立てられる。

 本当に世界征服も出来てしまうのではないか。
だったらそれを見てみたい。
そんな気持ちにもなるのだ。

「でも響きが良くないよな」

「なんのだ?」

「世界征服と言う響きがよ。どう聞いても悪党のイメージしか持てねえよ」

「まあ、そうかもしれんが、別に良いんじゃないか?善人か悪党かは俺にも判らんが、少なくとも今のところは殺人や強盗、略奪、詐欺、人身売買、密輸、密造、その他諸々……どれもやってない」

 カルタスは俺を見た。

「本当か?」

「ああ、間違いない。本当だ」

 カルタスは呆然としていたが、やがて笑いだした。

「ハッハッハッハッハッ!こりゃいい!傑作だ。どこが秘密結社なんだよ。別に秘密にしなくても良いじゃないか。ハッハッハッハッハッ!」

「そうもいかんのだ。彼らの力は規格外過ぎる。誰にでも受け入れられる物ではないし、理解など到底無理だ。賢者サルバスがようやく学んでいける、そんなレベルだ」
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