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三九七
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「俺はそう言うのは信じねえからよ」
カルタスが鼻を鳴らす。
「ところでよ。これにはいったいどう言う意味があるんだ?」
カルタスが唐突に話を変えた。
「そんな事は判らん。銀猫本人に聞くしかない」
「いや、そうじゃなくて、この作戦にはどう言う意味があるのかって事だ。目的はなんだ?」
そっちの話か。
それも俺に聞かれても判らん。
俺に目的を与える為に、オオムカデンダルとサルバスが用意したのだ。
まあ、本当は何らかの意図があってやらせているんだとは思うが、そんな事は俺には判らない。
「なんだそりゃ。じゃあただの暇潰しだってのか?」
「別に俺は暇じゃない。妹を探し出すのが一番の目的だからな」
それでも、やれと言われればやるしかない。
「ひょっとしたら人材探しかもな。お前らみたいにスカウト目的って事も考えられる」
カルタスとオレコが顔を見合わせた。
「本当にどう言う組織なんだ、ウチは……」
その疑問もそのうち気にならなくなる。
俺がそうだったようにな。
「とにかく、スラッグの所だけは潰す。これは俺の決定事項だ。他の二つは成り行き次第だな」
「他は見逃す可能性もあるの?」
オレコが意外そうな顔をする。
「別に潰せと言われている訳でもない。たぶんどっちでも良いんだろうが、ウチの組織の存在を知らしめてやれくらいの感じなんだろう。全部潰したら知ってる者が居なくなっちまうからな」
「判んねえなあ」
カルタスが首をひねった。
「……たぶん裏社会を掌握して傘下に治めたいんじゃないかしら」
「なんで?」
「表があれば裏は絶対に生まれるものよ。無くす事は出来ないわ。表だけ征服しても、それは世界の半分だけって事よ。だから表と裏と両方の社会を征服する気なんじゃないかしら」
なるほど。
両方征服してこそ、完全なる世界征服と言う訳か。
「それこそ判らねえよ。あれだけ力があるんだから力でどっちもねじ伏せりゃ良いじゃねえか」
オレコがため息をつく。
「アンタねぇ。前にオオムカデンダルさまが言った事を忘れたの?彼は世界征服するとは言ったけど、自由にさせるとも言ったのよ。支配はするけど統治はしないって事よ。『自由』、これは私たちにとって新しい概念だわ」
さすがオレコ。
ここまで言われなければ俺も理解できなかった。
支配とか征服とか聞くと、どうしても圧政とか搾取とか言うイメージが付きまとう。
だがオオムカデンダルのイメージする世界征服とは、俺たちが思うような物とは全く別の世界なのかもしれない。
「まあ、今はそんな事を考えても仕方がない。今後、キロたちが帝国内で安全に生きていく為には、どうしてもスラッグの所だけは潰しておかなければ安心できん」
カルタスが鼻を鳴らす。
「ところでよ。これにはいったいどう言う意味があるんだ?」
カルタスが唐突に話を変えた。
「そんな事は判らん。銀猫本人に聞くしかない」
「いや、そうじゃなくて、この作戦にはどう言う意味があるのかって事だ。目的はなんだ?」
そっちの話か。
それも俺に聞かれても判らん。
俺に目的を与える為に、オオムカデンダルとサルバスが用意したのだ。
まあ、本当は何らかの意図があってやらせているんだとは思うが、そんな事は俺には判らない。
「なんだそりゃ。じゃあただの暇潰しだってのか?」
「別に俺は暇じゃない。妹を探し出すのが一番の目的だからな」
それでも、やれと言われればやるしかない。
「ひょっとしたら人材探しかもな。お前らみたいにスカウト目的って事も考えられる」
カルタスとオレコが顔を見合わせた。
「本当にどう言う組織なんだ、ウチは……」
その疑問もそのうち気にならなくなる。
俺がそうだったようにな。
「とにかく、スラッグの所だけは潰す。これは俺の決定事項だ。他の二つは成り行き次第だな」
「他は見逃す可能性もあるの?」
オレコが意外そうな顔をする。
「別に潰せと言われている訳でもない。たぶんどっちでも良いんだろうが、ウチの組織の存在を知らしめてやれくらいの感じなんだろう。全部潰したら知ってる者が居なくなっちまうからな」
「判んねえなあ」
カルタスが首をひねった。
「……たぶん裏社会を掌握して傘下に治めたいんじゃないかしら」
「なんで?」
「表があれば裏は絶対に生まれるものよ。無くす事は出来ないわ。表だけ征服しても、それは世界の半分だけって事よ。だから表と裏と両方の社会を征服する気なんじゃないかしら」
なるほど。
両方征服してこそ、完全なる世界征服と言う訳か。
「それこそ判らねえよ。あれだけ力があるんだから力でどっちもねじ伏せりゃ良いじゃねえか」
オレコがため息をつく。
「アンタねぇ。前にオオムカデンダルさまが言った事を忘れたの?彼は世界征服するとは言ったけど、自由にさせるとも言ったのよ。支配はするけど統治はしないって事よ。『自由』、これは私たちにとって新しい概念だわ」
さすがオレコ。
ここまで言われなければ俺も理解できなかった。
支配とか征服とか聞くと、どうしても圧政とか搾取とか言うイメージが付きまとう。
だがオオムカデンダルのイメージする世界征服とは、俺たちが思うような物とは全く別の世界なのかもしれない。
「まあ、今はそんな事を考えても仕方がない。今後、キロたちが帝国内で安全に生きていく為には、どうしてもスラッグの所だけは潰しておかなければ安心できん」
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