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四〇三
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「ウオオオオオンッ!」
ワーウルフの雄叫び。
体を捻ってから、全身の筋肉を使ったパンチが俺の腹に叩き込まれた。
俺は辛うじてそれを腕でブロックする。
「ぐ……!」
ブロックしたところで、体はそのまま宙に浮いた。
ドカッ!
替わる反対の腕で二発目が叩き込まれる。
俺は自分の意思とは関係無く、さらにその隣の部屋まで壁をぶち抜いて吹っ飛んだ。
ガラガラガラ……
俺は瓦礫を押し退けて立ち上がる。
人間サイズのモンスターでこのパワー。
しかも俊敏だ。
思いの外強敵じゃないか。
「聞いているかレオ」
さっきから蜻蛉洲が何か言っているが、それどころでは無い。
タイミングを考えてくれ。
今話さなければならない話なのか。
「いや、聞いてなかった。何だって」
俺は自棄気味に聞き返す。
「今サルバス殿に聞いたんだが、狼男は自然治癒力が高いらしいな。何とか殺さずに捕まえろ」
ほら来やがった。
毎度無茶言いやがって。
「そうしたいのは山々だが、手加減出来るほど簡単な相手では無いんでね」
俺は蜻蛉洲と話ながらもワーウルフの攻撃をかわし続けた。
「……その強力な自然治癒力が、お前の仲間の女を助けるのに非常に有効だと考えるのだが……そうか。無理か」
蜻蛉洲が白々しく言う。
くそっ、人の弱味につけ込みやがって。
「……だったらアンタが手伝ってくれよ」
俺は嫌味っぽく蜻蛉洲に言った。
「いーや!駄目だね!」
オオムカデンダルの声だ。
会話に横から入り込んできた。
声がでけえよ。
「レオ!お前がやるんだ。お前が女を助けるんだ!その為にそんな体になったんじゃないのか?」
その為になったんだが、別にワーウルフを倒す為になったのとは違う。
「泣き言言うな。お前には技も教えてやったじゃないか」
プロレスか。
もうやっている。
「お前は以前よりも経験を積んで、自分の能力を使いこなせるようになった筈だ。よく見てみろ。以前は使えなかった力が開放されているだろう?」
以前は使えなかった力?
俺は自分の能力を検索した。
これをやるのも久しぶりだな。
サフィリナックスブレード
サフィリナックスヒューイット
スクリューシェイブクロウ
サフィリナックスカタラクト
四つの能力の下に、新たな名前が表示されている。
「サフィリナックスミラージュ……」
どう言う力なのかは自然に理解できる。
毎度ながら不思議な感覚だ。
昔から知っていたような、そんな感覚なのだ。
俺は新しい力を試した。
「サフィリナックスミラージュ!」
俺が口に出して意識すると、胸の中が熱くなった。
キイイイイイイ……ン
「熱ッ!」
視界の中に数字が出る。
『三』
俺は慌てて駆け出した。
ワーウルフの雄叫び。
体を捻ってから、全身の筋肉を使ったパンチが俺の腹に叩き込まれた。
俺は辛うじてそれを腕でブロックする。
「ぐ……!」
ブロックしたところで、体はそのまま宙に浮いた。
ドカッ!
替わる反対の腕で二発目が叩き込まれる。
俺は自分の意思とは関係無く、さらにその隣の部屋まで壁をぶち抜いて吹っ飛んだ。
ガラガラガラ……
俺は瓦礫を押し退けて立ち上がる。
人間サイズのモンスターでこのパワー。
しかも俊敏だ。
思いの外強敵じゃないか。
「聞いているかレオ」
さっきから蜻蛉洲が何か言っているが、それどころでは無い。
タイミングを考えてくれ。
今話さなければならない話なのか。
「いや、聞いてなかった。何だって」
俺は自棄気味に聞き返す。
「今サルバス殿に聞いたんだが、狼男は自然治癒力が高いらしいな。何とか殺さずに捕まえろ」
ほら来やがった。
毎度無茶言いやがって。
「そうしたいのは山々だが、手加減出来るほど簡単な相手では無いんでね」
俺は蜻蛉洲と話ながらもワーウルフの攻撃をかわし続けた。
「……その強力な自然治癒力が、お前の仲間の女を助けるのに非常に有効だと考えるのだが……そうか。無理か」
蜻蛉洲が白々しく言う。
くそっ、人の弱味につけ込みやがって。
「……だったらアンタが手伝ってくれよ」
俺は嫌味っぽく蜻蛉洲に言った。
「いーや!駄目だね!」
オオムカデンダルの声だ。
会話に横から入り込んできた。
声がでけえよ。
「レオ!お前がやるんだ。お前が女を助けるんだ!その為にそんな体になったんじゃないのか?」
その為になったんだが、別にワーウルフを倒す為になったのとは違う。
「泣き言言うな。お前には技も教えてやったじゃないか」
プロレスか。
もうやっている。
「お前は以前よりも経験を積んで、自分の能力を使いこなせるようになった筈だ。よく見てみろ。以前は使えなかった力が開放されているだろう?」
以前は使えなかった力?
俺は自分の能力を検索した。
これをやるのも久しぶりだな。
サフィリナックスブレード
サフィリナックスヒューイット
スクリューシェイブクロウ
サフィリナックスカタラクト
四つの能力の下に、新たな名前が表示されている。
「サフィリナックスミラージュ……」
どう言う力なのかは自然に理解できる。
毎度ながら不思議な感覚だ。
昔から知っていたような、そんな感覚なのだ。
俺は新しい力を試した。
「サフィリナックスミラージュ!」
俺が口に出して意識すると、胸の中が熱くなった。
キイイイイイイ……ン
「熱ッ!」
視界の中に数字が出る。
『三』
俺は慌てて駆け出した。
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