見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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五一八

 ドグワガラガラガラシャア!

 ニーズヘッグの巨体が城の塔にぶつかった。
けたたましく瓦礫が降ってくる。
塔は目に見える形で傾き、塔を形成していた石は砕けた。

「し、城が……!」

 兵士たちは信じられない物を見る目で、その光景を呆然と見つめた。

「何事だ!」

 城の中から飛び出してきた男が辺りをキョロキョロと見渡した。
あれは、メルドルム将軍か。

「なんだあれは!?」

 メルドルムはすぐにニーズヘッグを目にした。
最初は規格外過ぎて理解できなかったようだ。

「モンスター!?なんだ!あんなモンスター知らねえぞ!」

 メルドルムがたじろいで後ろへ下がる。

「メルドルム!」

 次に出てきたのはマザ将軍だった。
相変わらず仲が良いな。
その後も、ライエル将軍とルドム将軍が相次いで現れる。
帝国の『五雷神』と称される将軍が勢揃いだ。
なかなか見られる光景ではない。
一般には将軍の顔も名前も知らないと言う者がたくさん居るのだ。

 もっとも、バーデンはもう居ないので、これからは『四雷神』だが。

「く……!何をしているか!全軍一度退いて体勢を建て直せ!大隊長!居るかあ!」

 ライエル将軍が声を枯らして叫ぶ。

「は!ここに!」

「早く兵士を退かせろ、このままでは無為に死なせるぞ!」

「は!すぐに!」

 大隊長は走って兵士たちの元に向かった。
さすがはライエル将軍か。
命令一つで大隊長は俄然息を吹き替えした。
命も顧みず、ニーズヘッグの近くにまで戻って兵士たちに命令を伝えた。
命令を聞いた兵士たちは、まるで全員が一つの生き物を構成する細胞のように、わあっとニーズヘッグから退いていく。

「すぐに建て直せ!各自役割を再確認しろ!」

 大隊長が声の限りに号令を掛ける。
この場面でこの動きが出来るとは、さすがは帝国の正規兵だ。

「へっ、さすがは将軍様だな」

 オオムカデンダルがニーズヘッグにまとわり付きながら言った。
こっちもさすがだ。
まだ余裕があるな。

「な!?あれは!」

 メルドルムがオオムカデンダルを見つけて声をあげる。
マザもルドムも同じように驚いた。

「ふん、また貴様か」

 ライエルが眉間にシワを寄せる。

「そんな顔するなよ。俺の仕業じゃないぜ」

「信じられるか。皇帝陛下の居城にこれだけの事をしでかして、貴様、ただで済むと思うなよ!」

 ライエルが凄んだ。
恐ろしいまでの迫力だ。
普通の人間なら気絶しそうなプレッシャーを感じる。

「お前らの悪い癖だな。やらかしたのは常に相手だと思うその心根だ。ま、いいや。コイツはお前んトコのバーデンだぞ」

「なに!?」

 ライエルが驚く。

「嘘をつくんじゃねえ!このムカデ野郎!俺はお前を信じねえからな!」

 メルドルムが吠える。
またややこしくなってきたな。
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