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幼皇后は秘密の特訓!
訓練用のお茶
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日常生活を送る上で不浄場に行く回数が少ないのは美徳とされるのはシトーレンも同じこと。
利尿作用のあるお茶やお酒を過剰に摂取しなければ、亜琉とて一日二度の排出で足りるのだ。
「それでは亜琉様、女官長よりいただいた、澪峯の令嬢が訓練するのに使うお茶を使ってみましょう」
悩む亜琉にそう提案したのは、星羅の字を賜ったセーラだった。
「まあ、澪峯にはそのようなものもございますのね。どれくらいの効果があるのかしら」
「どんなに我慢強い乙女でも、三時間で限界が訪れると言われていますわ」
「まあ」
亜琉は目を見開いて身震いした。
あの宴のとき、己とほとんど同じだけの酒精を飲んで、平然としていた他の妃たちが三時間で屈するような凶悪なお茶があるなんて、とても信じられない。
「いかがなさいますか?」
自分で勧めたくせに、星羅の顔はやめた方がいいと言っていた。
それが、亜琉にはまだ早いと言われているようで、さっきまでの不安が消し飛んでいって、気づいたら答えていた。
「いいえ、やりますわ! 澪峯の者が皆しているんですもの。これくらいできなくては皇后失格ですの!」
「……かしこまりました。準備してきますので、少々お待ちくださいませ」
気の進まなそうな星羅が用意したお茶は、一見普通の花茶と変わりなく見えた。一思いに飲み干してみたが、味もとりたて変わったところがあるわけではなかった。
「さて、効果が出るまでは文でも書こうかしら」
「亜琉様、あまり油断なさいませんように」
そう窘めつつも、星羅は、いまだ返信を書けていない文と、便箋と筆を準備していた。
手際のいい側仕えに機嫌をよくした亜琉は、年頃の少女らしく、楽しげに文に没頭していく。
そうこうできたのも、わずか二十分足らずだった。急激に駆け上る尿意はもはや無視できる次元ではない。
筆をとっても字が震え、とても文など書けなかった。
足を組み、ぎゅっと秘所を圧迫する。そこに手が向かわないように握りしめた拳は、色を失い真っ白だった。
「亜琉様?」
「い、いいえ! いいえ! まだ、大丈夫です」
心配する星羅の問いかけに、亜琉は反射で否定を返す。
三時間耐えねばならないのに、わずか二十分で根をあげるだなんて許されない。
それはわかっているのに、あんなに辛かった宴の時よりも辛く感じるほど、水流が暴れる心地がする。
それもそのはず。三時間というのは、あくまで始めの時点で中身が空っぽならの話なのだ。
現在の時刻は正午過ぎ。亜琉が最後に不浄場に行ってからすでに五時間が経過していた。
普通の娘なら不浄場に迷いなく駆け込む量の秘水をすでに抱えていたのだから、ここで例のお茶はトドメ以外のなにものでもない。
「いきなりあのようなお茶を飲むなんて、やめた方がよかったのですわ。さあ、粗相をしないうちに不浄場へ行きましょう」
「セーラは私が我慢できないと思ってるんですの!?」
子ども扱いに思えて反射で噛み付いた。
祖国ではまだ未成年だけれど、澪峯ではもう成人していて然るべき年齢なのだ。
たとえ今の大声を出した衝撃で秘所がひくついたとしても、ちょっとちびっちゃったとしても、あんな幼い子どもに言うように言い聞かせる必要はないったらないのである。
「そうは言いましても、亜琉様、その様子では三時間はおろか、一時間も耐えられないのではないでしょうか?」
「い、一時間は耐えてみせます……!」
澪峯の令嬢は、成人前にこの試練を乗り越えているのだから、皇后たる亜琉が早々に音を上げるなんてプライドが許さない。
頑なな主人の姿に星羅は嘆息した。
悩ましげにこぼれる吐息も、衝動を逃すように揺れる腰も、小刻みに震える脚も、全てが限界へのタイムリミットを示している。
亜琉は一時間もーー残り三十分も耐えられないだろう。
利尿作用のあるお茶やお酒を過剰に摂取しなければ、亜琉とて一日二度の排出で足りるのだ。
「それでは亜琉様、女官長よりいただいた、澪峯の令嬢が訓練するのに使うお茶を使ってみましょう」
悩む亜琉にそう提案したのは、星羅の字を賜ったセーラだった。
「まあ、澪峯にはそのようなものもございますのね。どれくらいの効果があるのかしら」
「どんなに我慢強い乙女でも、三時間で限界が訪れると言われていますわ」
「まあ」
亜琉は目を見開いて身震いした。
あの宴のとき、己とほとんど同じだけの酒精を飲んで、平然としていた他の妃たちが三時間で屈するような凶悪なお茶があるなんて、とても信じられない。
「いかがなさいますか?」
自分で勧めたくせに、星羅の顔はやめた方がいいと言っていた。
それが、亜琉にはまだ早いと言われているようで、さっきまでの不安が消し飛んでいって、気づいたら答えていた。
「いいえ、やりますわ! 澪峯の者が皆しているんですもの。これくらいできなくては皇后失格ですの!」
「……かしこまりました。準備してきますので、少々お待ちくださいませ」
気の進まなそうな星羅が用意したお茶は、一見普通の花茶と変わりなく見えた。一思いに飲み干してみたが、味もとりたて変わったところがあるわけではなかった。
「さて、効果が出るまでは文でも書こうかしら」
「亜琉様、あまり油断なさいませんように」
そう窘めつつも、星羅は、いまだ返信を書けていない文と、便箋と筆を準備していた。
手際のいい側仕えに機嫌をよくした亜琉は、年頃の少女らしく、楽しげに文に没頭していく。
そうこうできたのも、わずか二十分足らずだった。急激に駆け上る尿意はもはや無視できる次元ではない。
筆をとっても字が震え、とても文など書けなかった。
足を組み、ぎゅっと秘所を圧迫する。そこに手が向かわないように握りしめた拳は、色を失い真っ白だった。
「亜琉様?」
「い、いいえ! いいえ! まだ、大丈夫です」
心配する星羅の問いかけに、亜琉は反射で否定を返す。
三時間耐えねばならないのに、わずか二十分で根をあげるだなんて許されない。
それはわかっているのに、あんなに辛かった宴の時よりも辛く感じるほど、水流が暴れる心地がする。
それもそのはず。三時間というのは、あくまで始めの時点で中身が空っぽならの話なのだ。
現在の時刻は正午過ぎ。亜琉が最後に不浄場に行ってからすでに五時間が経過していた。
普通の娘なら不浄場に迷いなく駆け込む量の秘水をすでに抱えていたのだから、ここで例のお茶はトドメ以外のなにものでもない。
「いきなりあのようなお茶を飲むなんて、やめた方がよかったのですわ。さあ、粗相をしないうちに不浄場へ行きましょう」
「セーラは私が我慢できないと思ってるんですの!?」
子ども扱いに思えて反射で噛み付いた。
祖国ではまだ未成年だけれど、澪峯ではもう成人していて然るべき年齢なのだ。
たとえ今の大声を出した衝撃で秘所がひくついたとしても、ちょっとちびっちゃったとしても、あんな幼い子どもに言うように言い聞かせる必要はないったらないのである。
「そうは言いましても、亜琉様、その様子では三時間はおろか、一時間も耐えられないのではないでしょうか?」
「い、一時間は耐えてみせます……!」
澪峯の令嬢は、成人前にこの試練を乗り越えているのだから、皇后たる亜琉が早々に音を上げるなんてプライドが許さない。
頑なな主人の姿に星羅は嘆息した。
悩ましげにこぼれる吐息も、衝動を逃すように揺れる腰も、小刻みに震える脚も、全てが限界へのタイムリミットを示している。
亜琉は一時間もーー残り三十分も耐えられないだろう。
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