5 / 6
ルールとは裏をかくためにあるのである
しおりを挟む
マリンが尿意を自覚してから推定1時間。
もう行きたいカモで済ませられないところまで来ていた。
気を逸らすためにねだっていた凪沙の話にも集中できない。
片手は腹に添えられて、足はばたばた忙しなく揺すられる。額には冷や汗がつたっていて、時折苦しそうに眉を顰める。誰が見てもおしっこを我慢してる人の図だった。
それよりも酷い有様なのが湊だ。
ついにソファに座るのすら辛くなってきて、踵で股間を押さえつけるでしゃがみ込んでいる。体重をかけて押さえる力を極限まで高める体勢だ。もしかしたら、もうチビってはいるかもしれない。
視線は下を向いたままで、ただ荒い呼吸音だけが響いていた。
「湊ちゃん、ヤバそう……」
マリンの目が不安げに揺れる。ここまで来ると流石にマリンも湊がかなり我慢していることに気がついていた。
自分だって余裕があるわけではないから余計にその有様が心配になる。だってアレは未来の自分かもしれない。
「湊がもらした方がマリンには都合がいいでしょう?」
「や、そうなんだけどさ~」
直截なものいいにマリンは思わずもじと膝を擦り合わせる。出口を開けろと暴れていい加減辛い。
なんで凪沙は平然としてるんだろう。
「それじゃあ、マリンがもらす?」
「やだ。絶対耐えるから」
「そうだ。精神攻撃は禁止していなかったわね」
凪沙が妖しく笑った。
今日一嫌な予感がした。
「そこに未開封のペットボトルが2本残っているわ。ねえマリン。湊は水音に耐えられると思う?」
「待ってそれはやめよ? んんっ……ウチもヤバいからさ。ね?」
「じゃあどちらかは潰れるわね」
凪沙は笑みを湛えたまま立ち上がった。
そのとき、太ももが一瞬震えて動きを止めたのをマリンは見逃さなかった。
「……もしかして、凪沙ちゃんも結構ヤバい?」
「…………昼休みから、行けてないの」
凪沙はカッと目元を赤らめて目線を逸らした。
「わぁ……かわいー……」
思わず感嘆がマリンの口から零れる。
ずっと冷静で、平然としていた凪沙が恥ずかしがって目元を染めている。自分も動いたら漏れそうな状態じゃなければ、抱きついて撫で回したい可愛さだ。
マリンがきゅんきゅん目を奪われている間に、凪沙はさっとペットボトルを手にして、蓋を開ける。
「ね、これで誰がもらしたって恨みっこなしよ」
凪沙は聖母のような笑みを浮かべてペットボトルを傾けた。
もう行きたいカモで済ませられないところまで来ていた。
気を逸らすためにねだっていた凪沙の話にも集中できない。
片手は腹に添えられて、足はばたばた忙しなく揺すられる。額には冷や汗がつたっていて、時折苦しそうに眉を顰める。誰が見てもおしっこを我慢してる人の図だった。
それよりも酷い有様なのが湊だ。
ついにソファに座るのすら辛くなってきて、踵で股間を押さえつけるでしゃがみ込んでいる。体重をかけて押さえる力を極限まで高める体勢だ。もしかしたら、もうチビってはいるかもしれない。
視線は下を向いたままで、ただ荒い呼吸音だけが響いていた。
「湊ちゃん、ヤバそう……」
マリンの目が不安げに揺れる。ここまで来ると流石にマリンも湊がかなり我慢していることに気がついていた。
自分だって余裕があるわけではないから余計にその有様が心配になる。だってアレは未来の自分かもしれない。
「湊がもらした方がマリンには都合がいいでしょう?」
「や、そうなんだけどさ~」
直截なものいいにマリンは思わずもじと膝を擦り合わせる。出口を開けろと暴れていい加減辛い。
なんで凪沙は平然としてるんだろう。
「それじゃあ、マリンがもらす?」
「やだ。絶対耐えるから」
「そうだ。精神攻撃は禁止していなかったわね」
凪沙が妖しく笑った。
今日一嫌な予感がした。
「そこに未開封のペットボトルが2本残っているわ。ねえマリン。湊は水音に耐えられると思う?」
「待ってそれはやめよ? んんっ……ウチもヤバいからさ。ね?」
「じゃあどちらかは潰れるわね」
凪沙は笑みを湛えたまま立ち上がった。
そのとき、太ももが一瞬震えて動きを止めたのをマリンは見逃さなかった。
「……もしかして、凪沙ちゃんも結構ヤバい?」
「…………昼休みから、行けてないの」
凪沙はカッと目元を赤らめて目線を逸らした。
「わぁ……かわいー……」
思わず感嘆がマリンの口から零れる。
ずっと冷静で、平然としていた凪沙が恥ずかしがって目元を染めている。自分も動いたら漏れそうな状態じゃなければ、抱きついて撫で回したい可愛さだ。
マリンがきゅんきゅん目を奪われている間に、凪沙はさっとペットボトルを手にして、蓋を開ける。
「ね、これで誰がもらしたって恨みっこなしよ」
凪沙は聖母のような笑みを浮かべてペットボトルを傾けた。
11
あなたにおすすめの小説
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる