戦争代理人 神の使者で異世界へ

ドラロー

文字の大きさ
17 / 17
1章 少年期

クリシュの怒り

しおりを挟む

「魔王が封印!? なんでそんなのが貢献ポイントで買えるんだ!? 罠用に使えってことか?」

(いえ、多分剣神のイタズラです)

「は? どういうこと?」

(剣神はですね、少々やんちゃって言うか、自分の使者をおちょくるのが好きなんですよね……で、剣を貢献ポイントで購入するのって剣神の使者ぐらいじゃないですか? でも刀に関しては交換する可能性は低いのでトラップ感覚でリストに載せたんだと思います)

「はぁ、とりあえず剣神はバカだな。そもそも何でそんな物騒なものを剣神は持ってたんだ?」

(それに関しては私も分からないです。かなり前に剣神が『これは魔王が封印されてるんだぜー、すげーだろ!』って自慢してて詳しく聞くのが面倒だったので知らないんです)

「そ、そうなんだ。じゃあこの刀は返した方がいいか?」

(まぁそうですね、今回の交換はなかったことにしましょう、本当は私が介入してはいけないんですが、今回は特例法を使うので)

「ちょっと待ってくださいお2人とも」

(「ん?」)

「たしか、貢献ポイントで『状態異常無効』がありましたよね? それ使えば支配されないのでは?」

「それだ!」

(それなら大丈夫だと思いますよ)

「よし、じゃあ早速……ポイント足りないや」

「あーー高かったですもんねー」

(今後の目標はスキル取得までのポイント貯めですかねーー。SSランクになればそのスキルくらいなら2つは余裕ですね)

「SSかー、相当遠いなぁ。けどSSになればランキング上位にはなれるだろうし、やるしかないな」

「そうですね、私もSSになればきっとこの大陸最強の1人に名を連ねられますね!」

(アリスちゃんに関しては使者を除けば確かにそろそろ最強の1人になれますね)

「もうその領域まできてんのか?」

(そもそもですねー魔神の使者はスキルポイントを自分に使うものなんですよ? ここまで徹底的に他人に使うなんて前代未聞なんですからね! しかも毎日毎日修行ばっかりしてるから、スキルレベルもすごいことになってますし、努力の結晶ですね! 最高です!)

「へぇ、よかったなアリス。でも冒険者ギルドに報告するのはまだ待ってくれ。俺がここにいるってバレるのはまだマズイ」

「クリシュ様のおかげでここまで強くなれたんです、何の不満もありませんし、禁止されてることはしませんよ?」

(将来的にはアリスちゃんが使者並みに強くなることもありますね。とりあえず私はここで失礼します。くれぐれもその刀は使わないようにしてくださいね?)

「分かったよ、ありがとなリリー」

「クリシュ様を助けて下さってありがとうございました」

(いえいえ、クリシュさんが魔王になってしまったら私の方が困るのでお安い御用ですよー)

リリーの声が聞こえなくなり、念話が終了した。

「さて、これはストレージにしまっておくかな」

「そうですね、他の人が触ってしまっても困りますし」

俺はストレージに魔刀をしまい、その後アリスとどこで魔物狩りをするか話し合った。

「じゃあ明日からはこのスポットを中心にSランクを探し出して狩ってくぞ。SSランクは見つけても全力で逃げる。絶対戦わないようにしよう」

「分かりました。っと、そろそろ夕食の時間ですね。下に降りましょう」



「お、クリシュか。今日は魔物狩りに行かなかったんだな、どうだ? 夕食前に軽く運動でも」

「父上とやっても手加減するのが難しいのでやめておくよ」

「うっ……じゃ、じゃあアリスはどうだ?」

「死にたいの父上?」

「あんまりな言い方じゃないかクリシュ。いいからやろうアリス」

「じゃあ30秒だけお相手しますね」

「は? 30秒? どういうことだ? まぁいいか、着替えてくるから待ってろ」

「いや、この盾使ってみてよ父上」

「ん? なんだこの盾……ってなんだこの盾!! 超重いし硬いぞ!!」

「アリスが作った盾だよ、それあげるけど父上はどうせ全く動けないから着替える必要もないよ」

「くれるのか!? これ売ったらスゲー値段するぞ!」

「試作品とはいえ、売らないでよね。アリスがせっかく作ったんだから」

「も、もちろんだ。家宝にしよう」

「いえ、もしよければ今度はSランクの魔物で盾を作りますよ?」

「それは楽しみだ! アリス! 早速この盾を使わせてくれ! 行くぞ!」


(どうせアリス相手じゃ盾は意味ないんだけどな)


「こ、降参だ……ってか何で! 何で開始と同時に首元にナイフが突きつけられてるんだよ! 盾使わせてくれるって話じゃないかー!」

「いえ、そんな約束してないんですが……」

「父上、アリスを困らせないでやってくれ。さてっと、そろそろ食堂に行こうよ」

「はい! クリシュ様!」

「……息子とメイドがつめたい」

俺たちはその後、家族みんなで楽しく夕食を食べた。

話のネタはもちろんレインの無様な負けた方についてだ。


次の日俺たちの姿は森の中にあった。

今日の獲物はSランクモンスターのグリフォンだ。

グリフォンは顔が鷲で体が獅子のモンスターであり、膂力が他のモンスターとは比べ物にならないし、空も飛ぶので厄介極まりない。

ワイバーンも同じSランクに指定されているがアイツは魔法も使うので、まずはグリフォンから倒すことにした。


「『魔力上昇』『風魔法強化』!!」

「ありがとアリス。『空気砲弾』」

空気砲弾は風魔法で、風の塊をかなりの速度で飛ばす魔法だ。

俺はそれを30発ほどグリフォンにぶつけて落とした。

「さーてと、壱の太刀『居あ……」

「クリシュ様! もう終わってますよ!!」

「え? あ、ほんとだ。グリフォンってもっと強くなかったっけ?」

「クリシュ様……クリシュ様のステータスが上昇しているのもありますし、私の付与魔法スキルもレベルが上がってるので当然かと……」

「……とりあえずストレージ入れとく」

「それがよろしいかと。それにしてもストレージに入れて解体をタップするだけで完璧な解体できるなんて夢のようなスキルですよね」

「これに気付いた時は今までの解体時間返せよ!! って思ったけどなーー。ほんとチートだわー」

俺たちはそんな会話をしながらグリフォンと勢いに身を任せてワイバーンを合計10体狩って村に戻ってきたが

「何で村から煙が上がってるんだ?」

「鍛治でもやってる人がいるんですかね? それにしても煙の量が多いし……」

「……まさか!? アリスすぐに屋敷まで飛ぶぞ!!」

「はい!!」

俺の部屋に飛び、すぐに屋敷の庭に出た俺たちの目に映ったのは、地面にひれ伏すエル、マルティナ、トール。

そして、ボロボロになって盾を構えているレインと、エルのペットでSランクの狼であるロウ。

レインとロウの前にいるのは全身を黒で包み込んだ男だ。

「父上、一体何があったんだ!?」

「お父様!!お母様!! 起きてください!エル様も!!『エクストラエリアヒール』!」

アリスが回復魔法をかけたが気を失っているのか目を覚ます様子はない。

最悪のことは考えないようにしていた。

「ふぅ、ふぅ……クリシュか……すまん、エル達がこの野郎にやられちまった……けど俺も限界だ。みんなを連れて逃げてくれ」

「いや、逃がさんよ。私はレインとエルを殺さねばならないからね」

「おい、テメェ誰だよ……母上達をこんな目に合わせてテメェこそ逃げられると思うなよ? ぶっ殺してやる」

「ん? 何だね君は? 私に勝てるとでも思っているのか? 力量差も分からな子供よ」

「逃げろクリシュ!! こいつはお前でも勝てない!!この大陸で3人しかいないSSランクのダリルなんだ!!」

「んなことはどうでもいい!! こいつはぶっ殺す!!」

ダリル=バルバロック
lv140
ランクSS
称号 【闇の法王】
        【伝説の1人】
         
HP     6000
MP   18000
筋力   5000
体力   2600
敏捷力   920
魔力    16000
魔法防御  16000
知力   6200
運   30

スキル  『闇魔法Ⅻ』『詠唱短縮』『消費MP半減』

ユニークスキル  『闇の支配』

『闇の法王』
・闇魔法のスキルレベル限界突破

『伝説の1人』
・魔法系ステータスを30%増加

『闇の支配』
・夜になるとステータスが上昇


ステータスは俺のが上だ
家族をこんな目に合わせてタダで済ますわけない……生まれてきたことを後悔させてやる

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...