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1章 少年期
クリシュの怒り
しおりを挟む「魔王が封印!? なんでそんなのが貢献ポイントで買えるんだ!? 罠用に使えってことか?」
(いえ、多分剣神のイタズラです)
「は? どういうこと?」
(剣神はですね、少々やんちゃって言うか、自分の使者をおちょくるのが好きなんですよね……で、剣を貢献ポイントで購入するのって剣神の使者ぐらいじゃないですか? でも刀に関しては交換する可能性は低いのでトラップ感覚でリストに載せたんだと思います)
「はぁ、とりあえず剣神はバカだな。そもそも何でそんな物騒なものを剣神は持ってたんだ?」
(それに関しては私も分からないです。かなり前に剣神が『これは魔王が封印されてるんだぜー、すげーだろ!』って自慢してて詳しく聞くのが面倒だったので知らないんです)
「そ、そうなんだ。じゃあこの刀は返した方がいいか?」
(まぁそうですね、今回の交換はなかったことにしましょう、本当は私が介入してはいけないんですが、今回は特例法を使うので)
「ちょっと待ってくださいお2人とも」
(「ん?」)
「たしか、貢献ポイントで『状態異常無効』がありましたよね? それ使えば支配されないのでは?」
「それだ!」
(それなら大丈夫だと思いますよ)
「よし、じゃあ早速……ポイント足りないや」
「あーー高かったですもんねー」
(今後の目標はスキル取得までのポイント貯めですかねーー。SSランクになればそのスキルくらいなら2つは余裕ですね)
「SSかー、相当遠いなぁ。けどSSになればランキング上位にはなれるだろうし、やるしかないな」
「そうですね、私もSSになればきっとこの大陸最強の1人に名を連ねられますね!」
(アリスちゃんに関しては使者を除けば確かにそろそろ最強の1人になれますね)
「もうその領域まできてんのか?」
(そもそもですねー魔神の使者はスキルポイントを自分に使うものなんですよ? ここまで徹底的に他人に使うなんて前代未聞なんですからね! しかも毎日毎日修行ばっかりしてるから、スキルレベルもすごいことになってますし、努力の結晶ですね! 最高です!)
「へぇ、よかったなアリス。でも冒険者ギルドに報告するのはまだ待ってくれ。俺がここにいるってバレるのはまだマズイ」
「クリシュ様のおかげでここまで強くなれたんです、何の不満もありませんし、禁止されてることはしませんよ?」
(将来的にはアリスちゃんが使者並みに強くなることもありますね。とりあえず私はここで失礼します。くれぐれもその刀は使わないようにしてくださいね?)
「分かったよ、ありがとなリリー」
「クリシュ様を助けて下さってありがとうございました」
(いえいえ、クリシュさんが魔王になってしまったら私の方が困るのでお安い御用ですよー)
リリーの声が聞こえなくなり、念話が終了した。
「さて、これはストレージにしまっておくかな」
「そうですね、他の人が触ってしまっても困りますし」
俺はストレージに魔刀をしまい、その後アリスとどこで魔物狩りをするか話し合った。
「じゃあ明日からはこのスポットを中心にSランクを探し出して狩ってくぞ。SSランクは見つけても全力で逃げる。絶対戦わないようにしよう」
「分かりました。っと、そろそろ夕食の時間ですね。下に降りましょう」
「お、クリシュか。今日は魔物狩りに行かなかったんだな、どうだ? 夕食前に軽く運動でも」
「父上とやっても手加減するのが難しいのでやめておくよ」
「うっ……じゃ、じゃあアリスはどうだ?」
「死にたいの父上?」
「あんまりな言い方じゃないかクリシュ。いいからやろうアリス」
「じゃあ30秒だけお相手しますね」
「は? 30秒? どういうことだ? まぁいいか、着替えてくるから待ってろ」
「いや、この盾使ってみてよ父上」
「ん? なんだこの盾……ってなんだこの盾!! 超重いし硬いぞ!!」
「アリスが作った盾だよ、それあげるけど父上はどうせ全く動けないから着替える必要もないよ」
「くれるのか!? これ売ったらスゲー値段するぞ!」
「試作品とはいえ、売らないでよね。アリスがせっかく作ったんだから」
「も、もちろんだ。家宝にしよう」
「いえ、もしよければ今度はSランクの魔物で盾を作りますよ?」
「それは楽しみだ! アリス! 早速この盾を使わせてくれ! 行くぞ!」
(どうせアリス相手じゃ盾は意味ないんだけどな)
「こ、降参だ……ってか何で! 何で開始と同時に首元にナイフが突きつけられてるんだよ! 盾使わせてくれるって話じゃないかー!」
「いえ、そんな約束してないんですが……」
「父上、アリスを困らせないでやってくれ。さてっと、そろそろ食堂に行こうよ」
「はい! クリシュ様!」
「……息子とメイドがつめたい」
俺たちはその後、家族みんなで楽しく夕食を食べた。
話のネタはもちろんレインの無様な負けた方についてだ。
次の日俺たちの姿は森の中にあった。
今日の獲物はSランクモンスターのグリフォンだ。
グリフォンは顔が鷲で体が獅子のモンスターであり、膂力が他のモンスターとは比べ物にならないし、空も飛ぶので厄介極まりない。
ワイバーンも同じSランクに指定されているがアイツは魔法も使うので、まずはグリフォンから倒すことにした。
「『魔力上昇』『風魔法強化』!!」
「ありがとアリス。『空気砲弾』」
空気砲弾は風魔法で、風の塊をかなりの速度で飛ばす魔法だ。
俺はそれを30発ほどグリフォンにぶつけて落とした。
「さーてと、壱の太刀『居あ……」
「クリシュ様! もう終わってますよ!!」
「え? あ、ほんとだ。グリフォンってもっと強くなかったっけ?」
「クリシュ様……クリシュ様のステータスが上昇しているのもありますし、私の付与魔法スキルもレベルが上がってるので当然かと……」
「……とりあえずストレージ入れとく」
「それがよろしいかと。それにしてもストレージに入れて解体をタップするだけで完璧な解体できるなんて夢のようなスキルですよね」
「これに気付いた時は今までの解体時間返せよ!! って思ったけどなーー。ほんとチートだわー」
俺たちはそんな会話をしながらグリフォンと勢いに身を任せてワイバーンを合計10体狩って村に戻ってきたが
「何で村から煙が上がってるんだ?」
「鍛治でもやってる人がいるんですかね? それにしても煙の量が多いし……」
「……まさか!? アリスすぐに屋敷まで飛ぶぞ!!」
「はい!!」
俺の部屋に飛び、すぐに屋敷の庭に出た俺たちの目に映ったのは、地面にひれ伏すエル、マルティナ、トール。
そして、ボロボロになって盾を構えているレインと、エルのペットでSランクの狼であるロウ。
レインとロウの前にいるのは全身を黒で包み込んだ男だ。
「父上、一体何があったんだ!?」
「お父様!!お母様!! 起きてください!エル様も!!『エクストラエリアヒール』!」
アリスが回復魔法をかけたが気を失っているのか目を覚ます様子はない。
最悪のことは考えないようにしていた。
「ふぅ、ふぅ……クリシュか……すまん、エル達がこの野郎にやられちまった……けど俺も限界だ。みんなを連れて逃げてくれ」
「いや、逃がさんよ。私はレインとエルを殺さねばならないからね」
「おい、テメェ誰だよ……母上達をこんな目に合わせてテメェこそ逃げられると思うなよ? ぶっ殺してやる」
「ん? 何だね君は? 私に勝てるとでも思っているのか? 力量差も分からな子供よ」
「逃げろクリシュ!! こいつはお前でも勝てない!!この大陸で3人しかいないSSランクのダリルなんだ!!」
「んなことはどうでもいい!! こいつはぶっ殺す!!」
ダリル=バルバロック
lv140
ランクSS
称号 【闇の法王】
【伝説の1人】
HP 6000
MP 18000
筋力 5000
体力 2600
敏捷力 920
魔力 16000
魔法防御 16000
知力 6200
運 30
スキル 『闇魔法Ⅻ』『詠唱短縮』『消費MP半減』
ユニークスキル 『闇の支配』
『闇の法王』
・闇魔法のスキルレベル限界突破
『伝説の1人』
・魔法系ステータスを30%増加
『闇の支配』
・夜になるとステータスが上昇
ステータスは俺のが上だ
家族をこんな目に合わせてタダで済ますわけない……生まれてきたことを後悔させてやる
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