キミトナリ

七星

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第7話 意外な展開

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「それで?どっちからコクったんだよ?」

宇佐美姉がテーブルに身を乗り出して俺と黒音に迫る。

今俺達は一つのテーブルをみんなで囲んで家族会議…いわば尋問をされていた。

「それはもちろんシロちゃんからでしょう?男の子だものねぇ」

美佐子姉が全員分のココアを入れながら言った。

「話を聞けっての!だから、俺達はつきあってるわけじゃないんだって」

さっきも説明したのだが、改めてこれまでの経緯を話す。
だが、みんな納得できないという様子だ。

「そんなの信じられるわけないじゃん。マンガじゃあるまいし」

美兎が腕を組んで言った。

「まぁ俺だって未だに信じられねぇよ?でも、実際に離れないんだからしょうがないだろ」

俺は黒音の左手とくっついている右手を持ち上げ軽く振る。
黒音はココアに夢中でなされるがままだ。

その様子を見て美々が言った。

「じゃあさじゃあさ、一回本気で引っ張ってみない?とれるかどうか試してみようよ!」

「おっいいねぇ力ずくってわけか!それならあたしに任せな!」

空手部の主将である宇佐美姉が意気込んで美々の提案に乗ってきた。

宇佐美姉の本気か…体ちぎれないかな。

「善は急げだよ!やろやろ!」

美々と宇佐美姉はやる気満々だ。
ちなみに美々はソフトボール部でエースピッチャーを努めている。

そんななか、

「うちはパス。疲れんのやだし」

「私もそーゆーのはちょっとねぇ」

美兎と美佐子姉は淡々と断る。


そーゆーわけで俺と黒音はリビングの真ん中にセッティングされた。
俺の左腕を宇佐美姉がつかみ、黒音の右腕を美々がつかむ。
両方から全力で引っ張るという特になんの工夫もない作戦だ。

「よし、じゃあいくぞ!!」

「りょーかいっ!!」

二人が、せーの…と言ったところで俺は気づいた。


あれ、これどう考えても力の差が激しくないか?…


案の定、宇佐美姉の馬鹿力によって、俺と黒音と美々はあっけなく吹き飛んだ。

「うおおお?!」

勢い余って俺は宇佐美姉の胸に顔を突っ込む。

さらにその俺の背中に黒音と美々が突っ込む。

俺の背骨が嫌な音を立てた。

「ちょ…大丈夫?!」

美兎が心配そうに覗きこんでくる。

「あ、ああ…なんとかな…」

「あんたには言ってない、てか宇佐美姉から離れろ変態」

容赦のない軽蔑の眼差しと辛辣な言葉。

いつからこんな子になってしまったのだろう…お兄ちゃん美兎の将来が心配になってきたよ。

「はっはっは!ちょっと強すぎたな!悪い悪い!」

「くっそ~…次は負けないもん!」

豪快に笑い飛ばす宇佐美姉と、なぜか悔しがる美々。

俺の姉妹達はちゃんとお嫁に行けるのだろうか…。

「あらあら、相変わらず凄い力ねぇ宇佐美は」

美佐子姉が優しく微笑んで宇佐美姉の頭に手を置く。

まったく、美佐子姉の人柄をみんなにも見習ってほしいものだ。

「いや~はりきりすぎちゃっていだだだだだ!」

見ると、美佐子姉の手がのせられた宇佐美姉の頭がミシミシいっている。

「黒音ちゃんが怪我したらどうするの~?」

笑顔のままの美佐子姉。

訂正、俺の姉妹達は全員将来が心配だ。

「あれっ?」

美々が突然、驚いたように言った。

「お兄ちゃんと黒音さんの手、離れてるよ!」

「え?」


俺は、そこでようやく自分の右手が自由になっていることに気がついた。


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