文学少女の心に香水をつけたい

地獄公爵

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文学少女と出会ったお茶会

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 夏の神戸は炎天下だが、山に近いため、夜になると涼しくなる。夜の帳が下りると涼しくなる。寮のバルコニーに立っている台湾人の留学生・楊知透は、燈火が煌めている六甲山を見ている。
昼の翠緑の森は既に見えなくなった。この世の全ては変わっていく。しかし、必ずいい方向へ向かうのではない。
「もし未散と出会わなかったら、どんな人生を送ったのか?」
 30歳の楊知透は神戸へ留学に来るのは、歴史の大学院に入りたいだけではなく、明石市に住んでいる未散と再会するためでもある。
 二人の関係は友人以上。しかし、前週、知透は未散に絶交された。
「もし早く未散と出会わったら、一緒に幸せな生活を送れるのか?」
 未散の小さな顔と鋭い目は、また知透の頭に浮かんだ。この28歳のお嬢さんは頭が良くて思いやりがある。知透の唯一、仲がいい日本人の女友。
 色々な原因で、知透は二年間日本へ来れていなかった。2022年に、やっと再び日本に来たのに、自分の好きな女性と再会できないなんて……彼はとても落ち込んだ。
 神戸は沢山異国の美味しい料理と典雅な洋館がある都市だ。しかし、未散が傍に居なければ、知透は美しい街を散策しても嘆くしかできない。
「もし過去に戻れるなら、絶対に未散を疑いはしない……」
 阪急神戸線の電車の音は、物静かな夜に一層大きく響いた。神戸王子動物公園が寮の近くにある。知透は未散と一緒に美しい山猫を見に行きたかったが、二人の四年間の友情は、既に誤解で壊れてしまった。
 知透はため息をついて、部屋に戻った。パソコンとマウスが目に入ると、あの日の思い出が喚起された。四年前、彼は少しマウスを動いて、別の時間のお茶会を選んだら、未散とすれ違ったかもしれない。
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