魔女様は平和をお望みです

yukami

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16. 交渉ですか?

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「おや?」
「……お、お邪魔だったか……?」

誰かと思ったら魔王のウィルさんじゃないですか。他の方々も一緒ということはサボりではないのですね。

「あの縛り上げられているのってエンシェントドラゴン…じゃないですよね?!」
「……伝説の龍の雄叫びがこの方角から聞こえてきて…来てみたら号泣中のエンシェントドラゴンが縛り上げられてるのはどういう状況にゃ…」

今日は魔族のお客様も来られてしまいました。人手追加ですか?まあ、助かりますが相手はお客様です。協力していただけるかは置いといて、事情説明は必要でしょうか?

「……ま、魔族…」
あ、ヒロトは初対面でしたね。こちらの説明から行きましょう。

「ヒロト、安心してください。こちら、同じ転生者です。ウィルさんだけですが。時々ご飯を食べに来られているんです。」
「ほー?同じってことはお前も転生者?アンさんと絡むと出会いやすい感じするわ~よろしくな。ちなみに魔王やってる。」
「よろしく……って魔王かよ?!」
「いい反応だ」
「ふふ、今日もご飯ですか?」
「おう!…ていうかアレなんなん?」 

笑顔でもちろんと返事の後に、アレと指差した先はオーガンさんですね。

「酒を飲みすぎるなと言ったのに約束を守らなかった馬鹿な龍の成れの果てです。」
「…土…だよな?」
「魔力を鍛えれば簡単にできますよ。」 
「さすが賢者」
「私はただの魔女ですよ。」

号泣しているオーガンさんをとりあえず、落ち着かせないと私悪者じゃないですか。

「ほら早く人型になってください。時間が押してるんですから」
【ヤダァァ!酒はァ!】
「…………」

完全に子供ですね。
好きなものを取り上げられる前の。
ついイラっとして、魔法の方に力が入ってしまいました。

【ピ】
ミシミシと鱗にヒビが入り始めます。
涙は止まりました。抵抗の涙は。

【イダダダダダダダダダダ】

「エンシェントドラゴンの鱗にヒビ…」
「締め付けてるだけですよね?!」
「アンさんとの約束は破っちゃダメにゃ…」

おっと、恐怖値が上がってしまいました。

「もぅ。わかりましたよ。」
魔法を解いて治癒魔法で鱗を癒します。
一挙一動に怯えている駄龍にはジロリと睨みつけて指示を飛ばすことに。

【…】
「今すぐ準備手伝ってくれたら取り上げるのもなしで、レヴィさんオススメの大瓶の新しいお酒一本つけましょう。」
【何すればいいでしょうか!】

変わり身の速さですよね…ほんと。
ゴマ擦ってもこれ以上何も出ません。

「それで、今日は何かあったのか?」
「はい、まずはこのヒロトがここに住むのでそれをみんなに紹介するのと…もう一つ。」
「ん?」
「私死なないらしいんですよね。」
「………………………ぇ?」
「それはどういう…?」
「私の持ってる加護が関係してらようで…衰えることがないみたいで。いわゆる不老不死なんですよね。不老不死の加護は持ってないんですけど…」
「……死なないの?」
「私も寿命死狙ってたのですごく残念で…でも、森のみんなからは喜んでくれてるので、まあいいかと妥協しました。」

何やら衝撃的なことを聞いて驚いてる割にはそれ以外にも何かあるような顔をしています。そういえば食事をしに来たのではないなら何か用事があったのでしょうか?

「…魔王様、これはより…頼み込まないと。」
「……おう。」
「あら、なんでしょう?」

魔法に関してだそうです。
魔物以外の敵対対象…人を倒すのにも使わせて欲しいとのことでした。

「ダメです」
「そこをなんとか!!」
「…では理由を述べてください。そのあなたの敵対対象が誰でなんの種族で、なんで敵対しているのか。殺したいのか。」
「………………人族で、魔族だからという理由で、仲間を殺されかけた…だから殺したい。」
「復讐ということですかね。」
「そうだ」
「それは許可できません」
「何故だ!」
「復讐は復讐しか繰り返さないのです。」
「……だとしても、アイツだけは!」
「どなたの事ですか?それは。私も知ってるかもしれません。」
「勇者だ」
「あー」
「あー……すみません。元兄が…」
「え」
元兄と聞いてどういうことだと、声音が変わってくる。それにさらにヒロトが申し訳なさそうに頭を下げる。

「ヒロトが謝る必要はありません。あの一家がおかしいんです。あんなのが国を統べると碌な国になりませんから…しかし勇者ですか…」

「魔族は敵と頭が硬いのがこの世の人だよなぁ。今世の魔王何もしてないのにさ~」

ヒロトは勇者としての立場になった兄に何をしに行くように言われたのか、神託のようなものがあったのか聞くものの魔王討伐しかあり得ないという言葉しか聞けてない状況であった。真の目的があるはずではあるが魔族や魔王を討伐しか頭にないのだろうと。周りもそのように考えているもの達ばかりで介入すらできなかった状況に訝しんでいたそうだ。

「そうですよねぇ。ウィルさん達は国を守っている他の種族と変わりありませんから…ふむ…そういえば、4番目の子はどんな感じなのです?」
「アルベルトか…まあ、いいやつなんだけど。現実を把握してないただの人形かな。」
「やはり操り人形説ですか…困りましたねぇ」

アルベルトがおかしな思考に育ってないことを喜ぶべきなのか、操り人形なのを救うべきなのか…いえ、私はあの家族から抜け出したのです。関わらないと決めたではありませんか。

「…まだ望みはある。」
「ん?どんな望みです?」
「あの国、昔死んだと噂された姫がいるんだがどこかで生きてるらしいんだ。その人に王をどうにかしてもらって…」
「あ、それは無理です。」
「へ?…どこにいるか知ってるの?!」
「目の前に」
「……ん?」
「私がその姫です」
「………………」
「さらに私ですがね。先日その国にバケモノ呼ばわりされて牢屋に監禁されてました。1日だけではありましたが…それで、友人達に多大なる心配をかけてしまったのと、彼らとあの国に近づかない事を約束したので、関わることは無理です。」

その回答を聞いて最後の望みを失ったウィルさんはもう一度真剣な顔で私に頭を下げた。

「…………じゃあ魔法の約束。無しにしてくれ。」
「いえ、それもできません。人1人を殺したあと憎しみが相殺されることはなく増加していきます。なので意味はありません。それに魔法を教えたあとにその約束を貴方だけ無しというのもできません。」
「………じゃあ、どうすればいい。仲間はもう生きるか死ぬかの瀬戸際の地獄を味わったのに!アイツはのうのうと生きているんだぞ!」
「……その勇者ですが、どうやってその状態にしてきましたか?」
「ア?光の魔法でだよ。………………あれ?」
「ある魔女に神からの神託でこの世界の魔法の基準が下がったので、あげて欲しいという話が来ました。」

「その魔女は神に聞きました。それを起点にして、何人もの人が死んでしまうのではないかと。そして、それを魔女自身のせいにするものが現れるのではないかと。」
「……」

「だから魔女は条件を出すことにしました。
魔法で人を殺すことをしないと約束させることを。もし破ったら、天罰を与えてもらって構わないかと。」
「……神に?」
「神に、です」

「……エ」
「つまり。それを破った者は今頃。悲惨な運命をたどっていることでしょう。」
「……ち、ちなみに…勇者っていまどんな感じに…?」
「その勇者ですが、他にも連れがいたはずです。彼らも同じようなことをしていれば罰は執行されているでしょう。」
「……あの、罰って?」

「具体的にはわかりませんが…滅ぶんじゃないですか?そのうち」
「……」
「まあ、私達には無縁となっていますのでこちらには及びません。安心して下さい。ヒロト」
「……密かに、アンさんってブチギレてる?」

「さあ?…どうでしょう。でも約束守っていたら問題ないんですから。」
「…そ、それさ、正当防衛とかって…」
「そうですね…その場合は逃げるのに。または捕まえるために抵抗するとっさの魔法なら仕方ありません。…私がここで認められれば、隷属違反とはなりませんよ。」
「裁判官…みたいな」
「そうですね。」

【……アンが、既に手を出していたとは…だから、あの国の人口が減っているのか。】
「商人とかはおそらく移動を始めている頃でしょう。あの国は1週間もしたら潰れます。さ、あんな国のことは忘れて歓迎会の準備ですよ。皆さんもご一緒にどうですか?」

「……なぁ、アンさんってさ、寿命死できないんだよな?ならこれからどうするの?目的とかある?」
「……嗚呼、ありますよ。転生者のお助けキャラになろうかと。目処がつくまで、お手伝いするんです。商人もしつつなので、とても充実した日々を送れると思うのです。」
「…そか」
「ウィルさんも、困ったことがあったら相談乗りますよ。約束の撤回はできませんが。」
「……なぁ、アンさんはさ。どんな世界でいて欲しいの?」
「世界がどうのこうのとは特に考えておりませんが…?」
「でも、成り行きでそういう感じになってるよ?アンさんに逆らったら死ぬみたいな。」

ふむ…神と通じているという話は早かったですかね?
彼を止めるにはそういう風に罰を受けていると考えてもらったほうがいいと思ったのですが。世界をどうしたいかですか。疑うこともみんな学んだほうがいいと思うのです。神と通じているのは本当ですが、疑うことを教えるために話を一つしましょうか。


「…ウィルさんは純粋ですねぇ」
「え?」
「ウィルさん、私を信頼してくれるのは嬉しいのですが。私が嘘をついていると考えたことはないのですか?」
「……そんなことない。アンさんは、そんなことしない。」
うーん。私なんか意地悪してるみたいではないですか。彼の中の私はどんな人なのでしょう?

「うーん…ヒロトは信じてますか?」
「うん」
え…みんな純粋すぎです。
魔女って怪しいこと考えてる人なのですよ??
基本的に嘘つきなのです。策士と考える人が多いと思ってましたが、私だけでしょうか?

「皆さんは?」
「もちろん、信じています」
「アンさんには学ばせていただくことがたくさんありましたから。」
【…我は信じとらん】
「「「「へ?」」」」

よかった。疑うことをしてくれる人はやはりいますよね。安心しましたよ、オーガン。

「ですよねぇ」
【アンが善人だと何故わかるのだ?】
「そうそう」
【お前達今の会話でおかしなところがあったのに、何故気づかん?馬鹿なのか?……人はもう少し賢いと思っていたのだが…】
「信じすぎるのもどうかと思いますよ?人なんて疑ってなんぼなのです。悪巧みとか嘘つかない人なんていないのです。それが人なのですから。」

私とオーガンさんの話についていけない人達が声をあげます。

「どこの部分ですか!嘘って!」
【いや…流石のアンでも神との繋がりなど本当にあると思うか…?証拠はあるのか?】
「そーですよ?確証あるんです?」
いや本当はあるんですけどね?繋がりは。
『あるよねぇ』

「え、えぇ…?」
ですがここは信じすぎるっていうのもダメだと分かって欲しいんです。私が言ってることが全て本当だとは思って欲しいわけではありませんから。

【それにな、神からの天罰など不幸が訪れるなんて本当に起きてるかわからんだろ。】
「えぇ。もしかしたらの話をしただけです。神と繋がってたらなんでもし放題ではありませんか!」

本来ならやりたい放題にしようと思えばできる。けれど、私がただ何も望んでいないだけなのですよ。

『もっと望んでもらっていいんだけどなぁ…』

この神の声は私にしか聞こえませんからね。証拠を出せというのは難しいでしょう。彼らが神と繋がっているなんてことはあり得ませんからね。

「…………まじかよ…」
「魔女だって名乗ってて目立つ行為なんてしません。ひっそりと暮らす謎の魔女商人を貫くのです。」
「…なんでそんな嘘…」
「私は神と繋がっていると考えたウィルさん達に問います。敵対する魔物だけを恐れますか?それとも、気まぐれな魔女がいつ適当な理由をつけて神に願い殺してくるかもしれないという恐怖に怯えますか?」

突然の問いに驚きつつも、考え始める彼らに続けて話す。

「恐れはいつか、憎悪になります。何故こんな扱いされないといけないのか。何故、あいつに逆らえないのか。憎悪になってそれに呑まれて仕舞えば自分で制御できなくなります。私を命をかけてでも殺しにくるか、恐怖に怯えこの世界にいたくないと死を選ぶか。」

静かに話を聞き込む彼らを諭すように続ける。

「人が死んで憎しみを抱いた。その憎しみで人を殺した。その後に何が残るかご存知ですか?」
「……」
「憎しみを発散し、大事なものもなくなり、あなたは何を持ちますか?」
「お、れは」
「ウィルさん、あなたは視界が狭くなっている。大怪我をした人もあなたの仲間だ。憎しみにとらわれたら視界はその怪我をした人怪我をさせた人しかあなたは見ない。他にもいるでしょう?あなたの側に。仲間はその人1人ではないはずです」

「……」
「そして、勇者ですが。彼はほっといても地獄に落ちます。」
「え?」
「あの人…いえ、アレはもう人ではなくなりかけているのでしょう。」
「どういうこと?」
「オーガンさん、先ほど言いましたね。国の人口が減っていると」
【嗚呼】
「恐らく、近々生まれると思いますよ。」
【む?…………嗚呼、そういうことか。】
「領地の取り合いはそちらの問題となりますから任せますよ」
【嗚呼、上下関係を教え込んでおこう】
「ねぇ、どういうこと?」
「彼は魔物として、生まれ直すこととなるのです。」
【恐らく、アンデットだな。】
「それってまずいんじゃ!」
【光魔法を使えるアンデット…確かに厄介そうだが。まだその魔法は未熟である。我々はアンに何年教わって何年鍛えてきたと思っている?言っておくがな、この森にいる奴らは、そこらの魔物と一緒にするべきではないぞ?】

「……確かにあんたらは脅威だ。それはわかるが、この付近のことしか動かんだろ?」
【いや、そうとは限らん。ここに住む我々にも自分の領地、故郷に似たようなものがある。突然生まれた魔物に簡単に与えてやるほど優しいわけではないのだ。この世は弱肉強食の世界なのだからな】
「……あんたらの誰かがそいつを狩ると?」
【まあ、それもある。が、いいのか?】
「…?」
【相手は魔物だ。敵対した魔物は殺していいと言われているのだろう?】
「「「「あ」」」」
【まあ、まだ魔物化が決定したわけじゃない。調べてから動くことだ。最悪、この森に危険が及ばない限り、アンに危険が迫らない限り我々は動かん。】
「助かる」

話が纏まったところで、夕飯の準備に駆り出させます。ウィルさんたちも手伝ってくれるそうで、人用のご飯と近所用のご飯と順調に量を作っていきます。

オーガンさんも頑張ってくれたので、レヴィさんに見繕ってもらった大瓶を渡します。

【おぉ!】
「今日は飲んで構いませんが。暴れないでくださいよ?」
【わかった!】

前もこんなやりとりだった気がしますけど。暴れたら他に被害が出る前に止めないとですね。やばそうだったら呼ぶように伝えて、ウィルさんとヒロト達のところに向かいます。

「……米がある!!」
「フッ。そうだ。だから俺はここに来るのをやめない!」
「ここに住めるとか天国!」
「何?!俺もここ住む!」
「駄目ですよ。魔王様なんですから。」
「ヒロトずりぃ!」
「へっへーん」

くすくす…2人とも子供ですね。
子供といえばリューゴくんです。家用の資材を明日は確保しましょうか。元の家の構造とかその日に聞くとして…

【魔女様、明日はお休みと聞きました】
何かを察したドッペルゲンガーのジープがと念を押してきます。

「うっ」
【やはり…働こうとしましたね。駄目ですからね】
「むむ、木を切るだけですよ?」
【そういうことは私たちがやっておきます。数さえ言っていただければいつでも揃えます。】
「しかしですね…」
【その1日の後また働かれるのでしょう。あなたの体がいつも健康だからって休まなくていいわけではありません。】

……そうですね。あの攫われた後の翌日、力が急に入らなくなったこともありますし。疲労はたまっているのでしょう。
みんなにまた心配をかけるわけにも行きませんし、今回は大人しくしましょう。

「はい…わかりました。」
【魔女様がもっと長い間一緒居られると聞いて皆嬉しいのです。休みも必要ですから程よく休んで充実した日を過ごしてください。】
「はい。」

ジープは優メンですね。この森の世話焼きお兄さんです。
魔王一行も今日は泊まり込みで、楽しい宴会となりました。
明日はゴロゴロする日です。
平和な1日を楽しみに眠りにつきます。


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